〔介護を学ぶ28〕2時間前からどんどんひどくなったら、病院へいくべき

◆病院に連れていくべきか

「おなかが痛い」「胸が苦しい」「頭が痛い」

病院に連れていくべきか、様子をみてもいいのか。
迷うことがあるでしょう。

そんな時「おなかが痛い」をスマホ検索するでしょう。

　おなかの上の方が痛い時は胃、下の方が痛い時は腸の病気。
　突然、おなかの上の方が激しく痛くなったときは、
　胃に穴が開いたことが考えられます。
　熱や嘔吐、下痢を伴う場合は、感染性胃腸炎、虫垂炎、食あたりが
　疑われます。

「胸が苦しい」を検索すると次のようなことがヒットします。

〔狭心症〕胸の苦しさや痛み、胸の圧迫感、左肩のだるさ、
　左あごの痛みを伴います。

〔心筋梗塞〕突然、20～30分にわたる激しい胸の苦しさ・痛みが生じ、
　冷や汗、吐き気、嘔吐などの症状を伴うこともあります。

〔心筋炎〕胸の苦しさ、倦怠感、吐き気、嘔吐などの症状を伴います。
　進行すると心不全に至り、呼吸困難や手足の冷え、
　胸痛などが出現します。

「頭が痛い」を検索するとこうなります。

〔命にかかわる頭痛の症状〕
　体の片側や手足などに力が入らない
　片側や手足がしびれる言葉が出にくい、
　呂律が回らない
　ものが二重に見える
　めまい体がふらつく
　まっすぐ歩けない
　意識が遠くなる
　吐き気や嘔吐
　けいれん
　表情がゆがむ

検索の内容はいずれも的を得たものですが、一般の人には、
どうすればいいのかの判断が難しいでしょう。
心筋梗塞だと思っても、「今」救急車を呼ぶべきかどうか、
決断がつかないのではないでしょうか。

◆2時間で症状がどんどんひどくなる

病院にかかる決断のポイントの一つが、
「2時間の間に症状がどんどんひどくなる」です。

「おなかが痛い」のが、1時間後にはもっと痛くなり、
2時間後にさらに痛くなった。
こんな場合、病院に連れていくべきでしょう。

「胸が苦しい」が1時間ごとに増してきた。
病院に行けれないくらい苦しそうなら、救急車を呼ぶべきでしょう。

「頭が痛い」が、1～2時間レベルでひどくなった。
こんな場合も病院にいくべきでしょう。

場所や症状は問いません。
脚が痛い、視力の低下でも、数時間で症状がひどくなる場合は、
病院に連れていった方が無難です。

参考文献
1）和田忠志：『介護職・介護家族に役立つ　やさしい医学知識』,技術評論社,2017