職場の飲み会やりすごしテクニック

20代、飲み会が苦手な人向け
職場の飲み会やりすごしテクニックをお教えします。

1.職場の飲み会とは?

まず、20代のあなたにとって職場の飲み会は食事をする場ではありません。
お酒を飲んで楽しくなる場でもありません。
テーブルに並んだ料理は基本、「供物」だと思ってください。やたら食べたら罰当たります。

職場の飲み会とは、「上司や先輩が気持ちよく酒を飲む場」です。
20代のあなたに基本的人権はありません。
あなたの扱いは上司や先輩の道徳観、倫理観によって変わります。奴隷と主人の関係だと思ってください。
優しい先輩ならおいしく食事が出来ますし、ヤバい上司がいるならアルコールという鞭でしこたましばかれます。

ただ、逆を言えば、
飲み会は「上司や先輩の倫理観を測る場」であるとも言えます。
大勢が参加する一斉飲み会などの際には、ぜひ周囲を見渡し、穏やかに後輩と話している上司先輩の名前を憶えておきましょう。

2.飲み会は出なければダメ?

「歓迎会」「送別会」あたりには出ておきましょう。
建前に「迎える」「見送る」のような思いやりが含まれている会を欠席すると、思いやりのない人間だと思われる可能性があります。
「忘年会」もねぎらいの建前があるので出ておいた方が無難です。
まあ、年3回くらい出ておけば今どきは「あの人は飲み会苦手なんだな」と認識されるくらいで済みます。

逆に、入社一年未満のあなたを一対一で飲みに誘ってくる上司先輩の誘いには気を付けましょう。
「お互いをもっと知ろう」などと言って誘ってきた時は要注意です。アルコールの入った状態を「人間の本当の姿」だと思い込んでいるヤバい人間の可能性があります。

3.飲み会に出る前に……。

軽く腹に何か入れておきましょう。腹の容量を30~40%くらい埋めておくとよいです。
飲み会が苦手なのに、空腹の状態で「いっぱい食べるぞ!」などと意気込むのは愚の骨頂です。

空腹状態はストレスや怒りを感じやすく、飲み会のだるい絡みや高い会費、あんまりな料理に正気を失ってしまう可能性があります。
飲み会に必要なのは、寛容さです。
お腹を軽く満たし、なんなら少し仮眠をとるなどして極力落ち着いた状態を心がけましょう。

4.お酒は飲まなきゃだめ?

職場で話しやすい人の向かいもしくは隣の席を確保したら、最初の注文を取りますね。
ぶっちゃけ酒を飲むかどうかは職場の雰囲気によります。
今どきはウーロン茶でも許されると思いたいですが、そうでない空気感を醸し出す職場があるのも事実です。

とはいえ本当に酒を飲みたくないなら、強い心でウーロン茶を注文しましょう。
「パッチテスト当てたら真っ赤になるんですよ~」とか言いましょう。
かたくななウーロン茶を二、三度繰り返せば、今どきは警察も怖いので周囲もそれほど勧めてこないはずです。
大事なのは、勧められても飲まない事。
一度でも「じゃあ…」と飲んでしまえば「こいつは飲むやつだ」という枠に入り毎回ずるずるとダル絡みされます。

5.好きなお酒を飲みたいんだけど…

飲み放題のメニューにない酒の注文は、幹事の人が面倒くさくなるのでやめておきましょう。
ビールは飲みたくない、という悩みに関しては、これも職場次第としか言えません。
ここでも強い心で「一杯目はポン酒!」という己のスタンスを貫き続ければ、それはそれでキャラとして定着する可能性があります。ジョッキとおちょこで乾杯しましょう。

そして「ビール飲まないの?」という問いかけに「ビールは苦くて…」と、マイナスな面を挙げるのはNG。
「かけつけの日本酒が最高なんスよ!」と、逆に自分の好きな酒のいいところを挙げましょう。

6.大皿の料理はみんなに取り分けしたほうがいい?

そんな悩みは飲み会レベル150くらいの問題です。あなたがサラダを取り分けなくても、大学のサークルでブイブイ言わせてた別のやつが率先して取り分けてくれるでしょう。
そもそも翌日の会社で「あいつ新人のくせにサラダ取り分けなくってさ~」と言っている上司の姿を想像してみなさい。
滑稽でしょう。
そんなことより大皿料理の八割を自分でたいらげちゃうかもしれない心配をした方がいいでしょう。

寿司や唐揚げなどの個数があるものは、大皿周囲の人員を確認して欲張らないように。
個数のないものは、始めは自分の皿に少な目に盛り、一時間くらいして「このエビチリどうしよう…?」的な空気が流れた時に様子を見ながら少しずついただきましょう。
飲み会前半で大皿料理をたいらげるやつは悪人ですが、
飲み会後半で大皿料理をたいらげてくれる人は英雄です。

7.どんな会話をすればいい?

人というのは基本的に、「自分の話をしている」ときは楽しく、「相手の話を聞いている」ときは退屈なものです。
ですが同時に、「人の話聞くの楽しいなあ」と思いたい生き物でもあります。

つまり狙うべきは、
「俺5:彼5くらいで話せたな」と相手に思わせつつ、
実際には上司7:俺3くらいで話させることです。

話題は映画、ペット、料理、旅行、あるいはスポーツ、車あたりから相手の様子を見つつ話題を振ります。
キャラクターグッズ、アイドル、Vtuberなど「室内に飾る」ものがある趣味はプライベートに根付くので、あまり関係性が出来ていない人には振らない方が無難です。
とはいえ「〇〇さんはどんなペット飼ってるんですか?」「どんなスポーツ好きですか?」「好きな映画は?」と聞くとまるで尋問しているようになるので、
「俺最近料理に凝ってるんですよ~。〇〇さんは料理しますか?」と、一旦自分の話を振ってから即相手に振れば、普通の会話をしている風になります。

自分は何もしていない、何も振れる話題がない……というときは、上記の構文の前半を
「最近自炊しようかなって思ってて全然やってないんですよ~。」と変えると良いでしょう。

8.二次会は出るべき?

俺は出ません。これも④と同じく、職場の雰囲気と強い心の持ち方次第だと思います。「一次会が意外と話せたから、二次会行ってもいいかも…」と思う方もいるかもしれません。
ですが、二次会は一次会より人数が少なくなる上、「酒が飲みたい人」が集まる傾向があります。
つまり、より強く酒を勧められる可能性が高まります。食事もガッツリは期待できないため、酒が好きでなければ避けた方が無難でしょう。

9.飲み会の翌日は?

職場で、幹事や主催にひとこと「昨日はありがとうございました」と伝えておくとよいでしょう。
たとえ望まぬ飲み会だとしても、骨を折ってくれた人をねぎらう気持ちは大切です。

10.さいごに

自分は20代前半、ものっそい飲み癖の悪い先輩を避けられずしこたま焼酎を飲まされた経験があります。年若い時というのはなにかと目を付けられやすく、ダル絡みやクソいじりの餌食になりやすいです。
避けられぬ飲み会は食事の場ではなく修行の場と捉え、腹四分目の冷静な頭と心で菩薩の対応を心がけましょう。

飲み会が苦手なすべての人間が、会社の飲み会をうまくやりすごせることを祈って。