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Wished list #2 建築デザイナー 平島朋子

花と暮らす方たちに、大切にしているモノのエピソードを綴っていただく「Wished list」第2回のライターは、建築デザイナー平島朋子さんです。
リレー企画として、早速素敵な方にバトンが渡りました。ぜひ、お楽しみください。

ヴァセリンのランプシェード

ガラス・・・光の加減で表情の変わるガラスがとても好きです。
それも古いガラス・・・厚みが一定でなかったり、僅かに歪んでいたり、そんなガラスの向こうに見える景色は現実とちょっと違っていて とても魅力的です。

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雨の日、少し波打った古い板ガラスの窓に、雨の雫がたくさんついて、隣の露を捲き込みながら少しづつ大きくなって流れ落ちる様を、ボーッと眺めていると、時の経つのを忘れます。
頭の中は空っぽ、何も考えていません。
そんな時間がたまらなく好きです。
でも、現実はそんなに甘くはありません。 
雨の日にボーッと外を見ていられる時間なんて、なかなか訪れないものです。

ガラスというものは何でも好きです。
フランスの古い香水瓶、実験用の硝子器具、ガラスのキャンディーポット、ランプシェード。

その中でもアンティークのランプシェードが・・・
ランプひとつで部屋の雰囲気もかわります。
部屋が優しい灯りに包まれます。
電球は黄色い光の白熱球が良いです。
LEDにはまだそれに代わる球が見つけられません。

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ガラスのランプシェードにはミルクガラスのものや紅いクランベリーガラスのものもありますが、なんといってもヴァセリンのガラスシェードがお気に入りです。

ヴァセリンガラスには乳白濁色から緑白色へと微妙な色の変化があります。
透明なだけでなく、燐酸塩や銅や鉛を配合することによって現れる魔法のような色の不思議さ・・・
いつか壊れるかもしれない儚さもいいのです。

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私は建築設計事務所をする前からイギリス・フランスのアンティークを扱うお店をしています。
店の名前は「アルカイック」といいますが、この言葉には古典的なという意味もあり、30年前お店を始めた時から、古きよきものを大切にしたいという思いを込めて付けた名前です。

アンティークのものたちは<もの>だけど、ずっと昔に丁寧に手をかけて創られ 長い年月をどんな人と過ごして、今ここにいるのだろうと想像するだけで、大切にされてきて良かったねと思うのです。

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このヴァセリンのシェードもイギリスから届いたものですが、雨だれのようなデザインがあまりにも気に入ってしまい最初から非売品になりました。
時によりお店のいろんなところに吊るして眺めては癒されています。
これからも私の手元で大切にしていきたいと思います。

次回はこの方に。

次にバトンをお渡しするのは、鋳造でオリジナルのアクセサリーパーツを作っておられる森本綾子さんです。
彼女の身の廻りの空間は、目に入るもの全てが素敵で、不粋なものしかないときは自分で作ってしまうというこだわりをもっておられます。
その中でも大切にされているものとはどんなものなのでしょうか。
とても楽しみです。
それでは宜しくお願い致します。

writer
平島朋子@w.moon.sky 
建築デザイナー
アルカイック建築設計事務所代表

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友人とアパレルの会社を起こした後、独立
アルカイック株式会社として、アンティーク・雑貨の店とカフェと建築設計事務所を開業
アパレルやアンティークの相談から自然に建築の世界に入ったので、お施主様との感性の距離が近く 拘りのある方のお家や店舗を、ひとつひとつお話しながら創っています
HP:Archaique.co


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