シリーズBで25億調達したGaudiyの「採用モメンタムをつくる」資金調達PRのウラ側
こんにちは!Gaudiy(ガウディ)のCorporate Successチームで、採用・PRを中心に担当しているやまもと(@hanahanayaman)です。
先日、GaudiyはシリーズBラウンド・1stクローズにて25億円の資金調達を実施した旨を発表しました。
当日は日本経済新聞、BRIDGE、あたらしい経済をはじめ、多くのメディアに取り上げていただきました。Twitter上でもたくさんのシェアをいただけて、PR TIMESでは「旬速」「いま話題」ともに1位を獲得。
また、同日に公開した代表・石川さんのnoteは現時点で350スキ以上をつけ、PVは1万超え。BRIDGEでの転載や、後日note社の徳力さんが引用記事を書いてくださるなど話題を呼びました。
さらにプレスリリース後、3週連続で開催した特別イベントでは、累計で約780人にお申し込みいただき、一定の注目を集められたと思います。
そんな一連の資金調達PRですが、今回の目的はあくまで「採用」です。
採用の成果としてはまだまだこれからですが、6/1〜6/30のエントリー数は過去最高値、前月比だと約3倍に(Meetyはすべて計測できてないですがHERPベースで)、また過去カジュアル面談してkeep in touchしていた方々からのご連絡が約10件ほどきており、初速としてはいい感じです。
ということで、設計から実行まで約2ヶ月ほどかけて仕込んだ一連のPR活動について、思考とアウトプットのすべてをnoteにまとめてみます。
最初にお断りしておくと、今回のnoteでは下記のようなメディアリレーションまわりの細かいHowToについては扱いません。(指南書ではないです。)
あくまで一事例として、社員30名強のスタートアップのPR担当が「資金調達のPRをいかに採用の成果につなげるか?」について本気で考え、実行したことの記録としてご参考いただけますと幸いです。
※注意:わたしの頭の中にあるものをすべて放出したら、めちゃくちゃ長くなってしまいました(約14,000字)。目次でなんとなく全体感が掴めるかと思うので、気になるところをご覧ください。
1. PRゴールの設計
資金調達のクローズが見えてきたのは、2022年の3月末のこと。実際にクローズするのはもう少し先でしたが、4月の初旬くらいから資金調達PRに関するディスカッションを代表とはじめました。
PRゴールの設計に関しては、以下の観点で、代表の意見を取り入れながら進めていきました。
1-1. なんのために資金調達のPRをするのか?
まず出発点は、今回のPRゴールをどこに置くかです。
ここは迷わず「採用」でしたが、そのなかでもGaudiyがいま最も注力すべき「プロダクト人材の採用」にフォーカスして、数値目標を立てました。
企業によってはプロダクトのユーザー数の増加だったり、新規クライアントの獲得だったりするかと思いますが、Gaudiyでは「採用」。まじで「採用」。ここに振りきって資金調達PRを実行しようと決めました。
1-2. 目標を達成するために、どんな認知を得て、どんな行動を促したいのか?
次に、プロダクト人材の採用につなげるため、今回のPRを通じて世間からどんな認知を獲得すればいいのか? そして最終的に、どんな行動を促したいのかを議論し、言語化していきました。
最終的に促したい行動は「採用応募」ですが、そこに至るまでには「認知→興味・関心→応募」のステップがあります。
その入り口となる「認知」において、今回は以下を定めました。
いま注目されているWeb3の領域において、最も勢いのあるスタートアップの1社であること。さらに、日本の強みであるエンタメとWeb3の掛け合わせで、世界を狙えるポジションにいるというワクワク感。
これらの認知を獲得し、資金調達PRに一貫性をもたせるため、「Change The Game」というコンセプトを定めました。
このコンセプトは、資金調達の採用特設サイトや、特設サイトのキービジュアルとして撮影した全体写真、特別イベントの企画などで活用しました。
1-3. その上で、なにがハードルになり、どう解除するのか?
もうひとつの視点としては、「Web3の大本命、世界を狙えるスタートアップ」という認知を形成するにあたり、なにが採用のハードルになり得るかという点です。
そこにおいて挙がったのが、Web3に対する懐疑でした。2022年は「Web3元年」と呼ばれるほど急速に盛り上がってきてはいますが、世間の認知としては「一部だけ盛り上がってるけどよくわからない」「お金くさい」「ただの流行りでしょ?」みたいな感覚が大半ではないでしょうか。
その認知を変えることができない限り、「Web3の大本命」と大々的に伝えても懐疑的な人から反感を買うだけになってしまいますし、Gaudiyの本意でもありません。
そこで、冒頭でもご紹介した代表・石川さんのnoteをセットで出すことで、そのハードルを解除できるよう意図してコンテンツをつくりました。
noteの制作は、石川さんが伝えたいメッセージや内容を考え、Web3リサーチャーのcomugi(@ro_mi)さんにもご協力をいただき、やまもとが編集して仕上げました。
公開後のTwitterタイムラインをみるに、Web3(およびWeb2.5)に対する好意的な反応が多く、意図したところをうまく伝えることができたかなと思っています。(一部のツイートを引用させていただきます🙏)
2. モメンタムの起爆剤をつくり、着火する
全体の設計はこのくらいにして、次に、プレスリリース当日のモメンタムのつくり方をご紹介しようと思います。
いくら良いコンテンツがつくれたとしても、届かなければ意味がありません。この観点でなにを考え、どんな施策を実行したかについてまとめます。
2-1. Attentionを一箇所に集める
今回の資金調達PRにあわせて制作したコンテンツや、取材いただいた記事は多岐にわたります。(さすがに全部は無理だわな…って思ってたところを、神デザイナー陣がやってのけました。半端ない。)
すべて推したい気持ちはもちろんありますが、そこはグッとこらえる。なぜなら、勢いを分散させてはモメンタムをつくれないからです。
そこで意識したのは、初日にアテンションを集める場所を「プレスリリース」1点に絞り、そこから調達関連のコンテンツを集めた「特設サイト」に流入してもらうこと。イメージとしては、以下のような流れです。
そのため、プレスリリースをまず拡散させることが超重要だったのですが、内定者のデザイナーの方が多方面からの要件を満たしたすばらしいキービジュアルを作成してくれて、狙い通りの流入を実現できました。
2-2. プレスリリース以外からの採用導線の設計
また、資金調達PRの導線設計としては、もう一本の軸も考えました。
プレスリリースの拡散は基本的に初日で終わってしまいます。ですが、その後も取材記事やコンテンツの発信は続きますし、そうして関心を持った方が「Gaudiy(ガウディ)」を検索して流入することは大いに考えられます。
そこで、指名検索からコーポレートサイトにたどり着いた人を「特設サイト」に誘導する導線(以下の画像中央にある黒帯)を用意しました。
そして、特設サイトをみて興味を持っていただいた方には、さらに詳しい内容を知ることのできる「採用サイト」への導線も設置しました。
プレスリリースと検索流入の双方からまずは「特設サイト」に誘導し、そこから採用コンテンツにたどり着いていただく導線を設計することで、用意したコンテンツが発見されやすい状態をつくりました。
当日のTwitterでは、プレスリリースだけでなく、特設サイトや採用サイトに関して言及されたツイートも多かったです。
2-3. 特設サイトのCVコンテンツに幅をもたせる
導線設計の次は、特設サイトのコンテンツの中身についてです。
調達関連のコンテンツを集めるにあたり、意識したことはサイト訪問者(潜在的な採用候補者)の状態に合わせてコンテンツに幅をもたせることです。
具体的には、以下3つの層を意識したコンバージョン先を考えました。
最終的に促したい行動は「求人応募」ですが、プレスリリースをみてすぐに応募に至る方はめったにいません。そのため、求人リンクを直接貼るのではなく採用サイトへの遷移ボタンだけ置いて、興味関心が低〜中くらいの層に向けた特別イベントやカジュアル面談をメインコンテンツにしました。
ちなみにMeetyの#ウラ凸については、代表の中村さん(@3kkabi)に事前にご相談させていただいたところ、以前のページをリニューアルしてくださいました。(対応してくださった @hoozm1さん含め、大変感謝…!🙏🙏)
また他にも、今回の資金調達PRにあわせてリニューアルした「Culture Deck」や「サービスサイト」を掲載して、必要最低限のGaudiyの情報を伝えられるようにしました。
(実を言うと、このCulture Deckは弊デザイナーが5日間で仕上げました。神業です。本当に間に合うと思わなかった…!)
一方で、採用サイトにあるような詳細までは盛り込みすぎない、というのもひとつのポイントだったかなと。
特設サイトは、あくまで資金調達に関連するコンテンツやニュースをメインにする。もっと知りたい人には採用サイトに訪れてもらう。その役割の棲み分けができたので情報がごちゃつかず、適切に届けられたかなと思います。
(採用サイトそのものはTwitterで拡散しなかったけど、ちゃんと見てくださった方もいて嬉しかったです🙏)
2-4. 全社を巻き込み、起爆剤を着火させる
さいごに、仕込んだ起爆剤をしっかり着火させるために大事なのが、全社を巻き込んだ「全員広報」です。
6月1日は「資金調達PRまつり」と題して、前日にSlackでタイムスケジュールとポイントを共有しました。(想定以上にプレスリリースと特設サイトの反響が大きかったので、一部のタイムスケジュールは当日変更しました。)
ここでやって良かったこととして、3点ほど共有します。
① 当日シェアするものと翌日シェアするものを棲み分ける
当日はとにかく「プレスリリース」にアテンションを集めたかったので、プレスリリースと特設サイトのほかは、モメンタム要素のでる外部メディアの記事シェアのみにしました。
同日に公開していた代表noteは、初日にシェアしても他のコンテンツで埋もれてしまう可能性が高いので、あえて翌日シェアにずらしました。
② 全力拡散したいコンテンツは、Slackのハドルに集まり一斉シェア
「これシェアしといてね!」で終わらせずに、Slackのハドルに集まって同期的にシェアすることにしました。
初日のプレスリリース&特設サイトと、2日目の代表石川さんnoteがキーコンテンツだったので、2回ほどハドルに集まってもらいました。
③ 実況スレッドを立てて1日中盛り上げる
代表の石川さんがスレッドを立ててくれたのですが、これはよかったです。
リアルタイムで盛り上がることができて、お祭り感を醸成できました。
結果的に、プレスリリースも代表・石川さんのnoteも、1万PVをゆうに超えるくらい多くの方々にみていただくことができました。
3. 瞬間風速で終わらせず、モメンタムを維持する
以上が、プレスリリース発表当日までのお話。読み疲れてきたかと思いますが、資金調達PRの全貌としてはまだ折り返し地点です←
個人的にはここからが結構大事なことだと思っているので、特に採用に関わる方は、よければ最後までお付き合いください。
資金調達PRの目的をもう一度思い返してください。そう、今回の目的は「プロダクト人材の採用」です。(6/1の夜にツイートしたけどマジでこれ。)
初日の盛り上がりは、あくまでモメンタムの火付け役に過ぎません。それを瞬間風速で終わらせず、維持・最大化させるためになにをすべきか。
ここからは資金調達PRのモメンタムを採用の成果につなげるために、なにを考えて実行しているのか(現在進行形)についてお伝えします。
3-1. あえて採用に直結しないイベントを開催
資金調達PRの一施策として、プレスリリース発表後に、投資家との対談記事や採用イベントを開催したりする企業は多いと思います。
Gaudiyでも今回、3本立ての特別イベントを開催しましたが、わたしが意識していたのは「あえて採用に直結しない」内容にすることです。
というのも、Gaudiyという会社がまだまだ世間に知られていないなかで、「大きな調達したよ!こんなチームだよ!」とストレートに伝えても、今回はじめて知った方は興味をもたないのではないかという仮説がありました。
自分たちの立ち位置を考えると、まずは「Gaudiy(ガウディ)」の社名と、「Web3領域でいま勢いのあるスタートアップ」であることを、この機会にしっかり覚えていただくことが最優先。
そのように考えて、あえて採用には直結しないけれどモメンタムを継続できるような話題性のあるイベントを企画しました。また開催時期としては、定期的な「小さい波」が起こせるように、3週連続で実施しました。
話題性を生むイベントにするためには、「テーマ(切り口)」と「登壇者」がめちゃくちゃ大事(ほぼこれで集客が決まる)と思っています。
今回は「Web3」「NFT」「DAO」というキーワードと、ファイナンス・事業・組織の3軸を掛け合わせるテーマにして、各回にふさわしい登壇者の方をお招きしました。(石川さんのつながりでお声がけさせていただきました。ご登壇いただいたみなさま、本当にありがとうございました。)
ここで伝えたいのは、プレスリリース初日のドーンという大きな波だけでなく、その後の小さい波をつくることが大事ということです。その小さい波を起こすために、あえて遠回りするコンテンツを今回は用意しました。
3-2. コンテンツを出すべきタイミングを見極める
もうひとつ考えていたのは、このコンテンツはいつ出すべきなのか? というタイミングです。
他社の資金調達プレスリリースに伴う採用広報を色々調べてみたのですが、発表当日や翌日から、経営陣のnoteや入社エントリなどの仕込んでいたコンテンツを、ほぼ一斉に拡散するケースが結構多いように感じました。
ですが、もともとその企業や個人に興味があればともかく、そうでない場合には、この類のコンテンツは経験上あまり読まれません。それを一斉に拡散させては、なおさらスルーされてしまう可能性の方が高いと思います。
ここで私が大事だと考えているのは、段階的に興味・関心を深めてもらうことです。具体的には、会社>>事業>>組織>>人の順序で、かつ時間をかけてコンテンツを出していくことを意識しました。
まずはGaudiyという会社や事業の動きについて発信し、Gaudiyという企業の認知を高めていく。その要素として、資金調達の発表から1週間後に、新会社設立のプレスリリースを出しました。
次に、外部メディアの記事がいくつか出てきて、じわじわとGaudiy認知が取れてきたタイミングで、ユニークな組織づくりをnoteで公開しました。
このnoteは、資金調達PRプロジェクトの一施策として事前に仕込んでいたものです。拡散させたいキーコンテンツのひとつだったので、企画設計から執筆、編集まで担当者と二人三脚でつくりました。
そんな認知ができてきた(と願いたい)頃に、新しいメンバーの入社エントリを立て続けに公開していきました。(6月は6本のエントリを公開しました。7月もまだまだ続きます。)
Ryosuke Fujiwara:「やりたいこと」を見つけるアジャイル転職のすゝめ
Kazuki Uwai:複数社でインターンした先にGaudiyを選んだ理由
Daisuke Tanaka:「ガンジーの国」から「ガウディのファン国家」へ
Taiki Hoshino:クリエイターがより輝ける世界へ。Gaudiyに転職しました。
みたいな感じで、時間をかけてGaudiyの認知・興味関心を高め、モメンタムを感じるような発信を心がけました。
(事業PRと採用PRの掛け合わせは、以前noteに書いた「ファンベース採用」の考え方でもあるので、よければご参考ください。)
実際にうまくいったのかは判断が難しいですが、モメンタムの維持・最大化としては、以下がポイントだったかなと考えています。
4. 採用課題へのアプローチ
さいごにお伝えしたいのが、注目を集めている "スター状態" の期間が、採用課題にアプローチする絶好のチャンスということです。
Gaudiyでは、以下の課題がありました。それを解決するためにやったことをお伝えします。
4-1. 受託開発に思われがち問題
まずひとつが「受託開発の会社のように見える」という問題です。
この見え方が、エンジニア採用においては特に足枷になっていたので、受託ではなく「自社プロダクトを開発している」という認知に変容させていきたいという課題がありました。
そこで取り組んだのが、以下の施策です。
ひとつずつ説明していきます。
① プロダクト名を変更
Gaudiyが提供しているのは、シンプルにいうと、ブロックチェーン技術を活用したファンコミュニティサービスです。
それまでは「FPaaS(エフパース:Fan Platform as a Service)」と呼んでいましたが、FPaaSってSaaSみたいな概念で、プロダクトの名称とは言えないのでは? そのせいで自社プロダクトのように見えないのでは? という議論がありました。
そこでプロダクト名を改めてつけることになり、オフィスにいたメンバー数名でブレストしました。(たまたま自分の誕生日で、会議室でみんなでお寿司食べながらブレストしたのはいい思い出。そこで出た案に決まったw)
「Gaudiy Fanlink」と「Gaudiy Fanbase」の2案が最終候補として残りましたが、「ファンをストックする」ようなイメージのFanbaseよりも、「ファンとIPをつなぐ」「ファンとファンをつなぐ」という願いを込めたFanlinkの方がプロダクトビジョンに合うことから「Gaudiy Fanlink」に決まりました。
② 社名のタグラインを変更
次に、Gaudiyのタグラインも変更しました。
それまでは「エンタメ業界のDXを進める、ブロックチェーンスタートアップGaudiy」というタグラインにしていましたが、ここもプロダクト感とWeb3感が出るような表現に変えることにしました。
ここでもいくつかのキーワードを洗い出した上で、最終的には以下のタグラインに変更しました。(場所によって使い分ける形に。)
採用サイトはもちろん、閲覧数の多いコンテンツなどは過去分も遡って上記タグラインに変更していきました。(地味に結構大変でした。)
③ サービスサイトを刷新
最後に、サービスサイトも刷新しました。「FPaaS」を「Gaudiy Fanlink」に変更するほか、一部コンテンツの修正や導入事例の追加などを行いました。
これはプロジェクトが進んでいく中で追加タスクとして発生したのですが、BizDevのメンバーや以前サイト構築に関わったメンバーがさっと対応してくれて本当に助かりました。
④ プレスリリース内でのプロダクト紹介とメディア露出
またプレスリリース内でも、提供サービスとどんな社会課題を解決するか、の説明をしっかりと入れ込みました。(プレスリリースの構成も採用目線で書きましたが、長くなるので割愛します🙏)
そして、資金調達の発表にあわせたメディアリレーションでは、更新前のサービスサイトの情報が誤って出ないように、新しいプロダクト名やビジュアルを用意して事前連携を行いました。
結果的に多くのメディアに取り上げていただき、以前のFPaaSではなく「Gaudiy Fanlink」としての露出ができて、自社プロダクト感を出すことは一定できたかなと思っています。
一方で、どんなプロダクトなのか? どんな価値を提供しているのか? がまだまだわかりづらいので、そこを伝えていくことが今後の課題です。
4-2. 中の人がよくみえない問題
もうひとつの問題が「どんな人がいるのかよくわからない」でした。
そもそも代表が顔出しNGにしており笑、露出に積極的なメンバーもあまりいないので、Gaudiyはギークで謎に満ちてる会社に見られやすい。
採用においては、どんな人が働いているのか? 自分が合いそうな組織風土なのか? のイメージがつかないと、いくら事業が伸びていても働く場所として選ばれづらくなってしまうので、そこを変えていくことが課題でした。
そこで今回、全員の集合写真と、個人写真を撮影し、採用サイトやCulture Deckなどのコンテンツにおいて「人が見える」状態をめざしました。
写真撮影のディレクションだけでもかなり語れるのですが笑、詳細は割愛して、Gaudiyらしさの演出で工夫したポイントだけお伝えします。
もしかしたら気づいてくれた方もいるかもしれませんが、今回、個人は顔写真だけでなく、ピクセルアートの似顔絵アイコンを用意しました。
このピクセルアートはCulture DeckやMeetyなどいろんな場所で活用したのですが、実はこれ、全員が描いてます。アウトソースではなく社内完結です。
そもそもの背景としては、顔出せる人はだしてもらった方がいいけれど、顔出ししたくないメンバーもいるので、そこは個々人が選べるようにしたい。
全員がアイコンを作成するなら、NFTアートっぽさが出るピクセルアートがいいのでは? という話になり、ピクセルアートのお絵描きがうまいメンバーに講師をしてもらって、全員が自分のアイコンを描きました。(終わらなかったメンバーは後日救済していただきました🙏🙏)
みんなでDAO的につくる感じがかなり楽しかったです。ここは別のnoteで、講師をしてくれたYipingさんからまたお伝えできるといいなと思ってます。(と勝手に告知するスタイル。笑)
そして個人撮影では、顔出すスタイル・顔隠すスタイル・丸うちわを手にして顔見せるスタイルの3パターンで撮影しました。
事前準備はかなり大変でしたが、さまざまなクリエイティブに活用できて、いい感じに仕上げることができました。
5. 一連の資金調達PRをふりかえって
めっちゃ長くてすみません、1万字を超えてきました…。ここまで読んでくれた方々、おつかれさまです。お付き合いいただきありがとうございます🙇♀️
最後に、全体を通してのふり返りです。やってよかったこと、反省していること、それぞれ記載してみます。
5-1. やってよかったこと
① 公式プロジェクトにして進捗を定例MTGで追ったこと
Gaudiyでは全社で目標を追うべき重点プロジェクトを「公式プロジェクト」として定めているのですが、今回の資金調達PRもそれに該当しました。
プロダクト開発と同じように、NotionにあるProject Boardを使って、ゴールやKPI、TODOとタイムライン、役割とアサインなど、一連の整理をキックオフ時に行ったことで、かなりスムーズにスタートがきれたと思います。
また、追い込みのラスト1ヶ月は、週2回・15〜30分ほどの資金調達PR定例(代表とPRメンバー)と、週1回・30分〜60分ほどのクリエイティブ定例(代表、デザイナー、PRメンバー)の場をそれぞれ設けたことで、関係者間の連携がしやすくなりました。
② 内定者含め、いろんな人の協力を借りながら進めたこと
やってよかったというか、これなしでは資金調達PRのプロジェクトを完遂できませんでした。
本当に私自身の力はちっぽけなもので、内定者を含む神デザイナー陣と、これまた内定者のPRメンバーが、大雑把な私のディレクションの意図を汲み取り、すばらしいクオリティで各種サイトやクリエイティブをつくってくれたこと。そしてピクセルアートやらサイト構築の手伝いやら入社エントリやら当日のシェアやら、ありとあらゆることに巻き込まれてくれた全員の力だと思っています。本当に感謝です🙏🙏 最高のチームだなと思いました。
特に感じたのは、私が巻き込むというよりも、積極的に巻き込まれに来てくれたこと。「さすがに他業務もあるなかでこれは厳しいよな…」とスコープから外そうとしていた仕事までやり切ってくれて、しかも最高のクオリティで仕上げてくれたことに感激しました。改めて感謝をお伝えしたいです。
5-2. 反省していること
① 全体のスケジューリングが甘かったこと
4月上旬からふわっと全体設計については話し始めていたものの、契約が無事にクローズしたのが4月末。そこから本気で火がついた感じだったので、実質的には約1ヶ月で半端ない量のアウトプットをしていきました。
写真撮影やピクセルアートなど、先にやっておくべきものは早めに動き始めてはいたものの、特に3つのサイト構築(特設サイト・コーポレートサイト・採用サイト)やCulture Deck、石川さんnoteに関しては本当にギリギリで、前日は深夜までオフィスに居残って作業をしていました。笑
また、プレスリリースの投資家コメントの依頼なども、GWを挟むスケジュールだったのでもう少し早めに動いておくべきだったなという反省があります。発表の1ヶ月前にはリリース初稿ができあがっていて投資家コメントを回し、2週間前にFIXできるくらい余裕持った方がいいな、というのが個人的な感想です。(メディアリレーションのためにも1ヶ月前には初稿ほしい。)
② 全員に関わるお願いごとは、早め早めに動くこと
今回のプロジェクトでは、入社エントリをみんなに書いてもらったり、Meetyを新しくつくってもらったり、ピクセルアートで似顔絵を書いてもらったり、メンバーに依頼するようなことが多々ありました。
早め早めに動くことを意識はしていたものの、私自身がパツってて結構タイトなスケジュールでのお願いになってしまうことが多々ありました。
みんな協力的だったので無事に終えられましたが、人に依頼するタスク・自分で完結するタスクのタイムラインをもっと意識できるとよかったです。
③ 写真撮影を屋外にすると結構大変
結果的にめちゃくちゃいい写真が撮れてよかったのですが、屋外の撮影スポットを選択したことで、雨天により実は一度リスケになりました。
社員全員とカメラマンさんの日程再調整をしなければならず、また手続きも結構煩雑だったので、それだけでちょっと気持ちを持っていかれそうでした。笑(その分、スタジオ代が浮くのでコスト的にはめちゃ抑えられる。)
ただ、結果的にナイス判断で(元の予定日は豪雨だった)、撮影当日は最高のお天気に恵まれました。場所の選定から当日の撮影まで、カメラマンの小田さんにご依頼して本当によかったです。ありがとうございました。
しかも横浜だったのでそのままリモートワークして、各々が横浜を堪能してプチ遠足みたいで楽しかったです。結果オーライ!🙌
6. まとめ
はい。めちゃくちゃ長くなってしまいましたが、資金調達PRで何を考え、何を実行したか。わたしの頭の中にあるすべてを放出させていただきました。
さいごに大事な視点だけ改めてお伝えすると、
今回のPRゴールは何か?
世間からは今どんな認知で、どう変えたいのか?
候補者から自社はどのように映っていて、どう変えたいのか?
候補者はどんな動線でコンテンツをみるのか?
そのときの候補者の感情、状態はどうなっているのか?
みたいなところかなと。スタートアップの資金調達は、採用にアクセル踏んでいくことがほとんどだと思うので、採用候補者の視点で設計するといいと思います。
あとは何よりグリットです。ひとりではなく、全員でやりきる。
戦略以上に実行力が大事だな〜と改めて思います。そういう意味で、私はチームに恵まれていて本当に幸せ者だなって思います。ガウ社最高です。
さいごに告知:めっちゃ採用してます
ここまで辿り着いてくれる人がいるのか不安ですが、これも資金調達PRのコンテンツなので最後に告知させてください!!笑
GaudiyはWeb3×エンタメ領域で、世界を狙えるスタートアップです。本気でそう思ってます。今年に入ってから優秀でFandomな方々が続々と入社されており、モメンタムができてきましたが、まだまだ課題だらけ。ビジョンが大きすぎてまだ1%も実現できていません。
私自身の入社理由もそうだったのですが、ワクワクしたい人には最高の環境だと思います。困難なチャレンジだけど、めちゃくちゃワクワクする。そんな仕事がしたい方は、ぜひカジュアルに話を聞いてみていただきたいです!
せっかくなので諸々貼っておきます🤲
▼資金調達の特設サイトはこちら(制作者は内定者のデザイナーさんです)
▼採用サイトはこちら(制作者は内定者のPRメンバーと山本です)
▼神デザイナー陣が5日間でつくったCulture Deckもどうぞ