55歳で英検1級 1発合格ストーリー①
私は2021年の第3回で、表記の通り英検1級に合格しました。初受験にもかかわらず、1次も2次も1発で合格しました。自分自身、この年になってそんなことが起こるなんて考えてもみませんでした。
これを読んだみなさんはきっと、
「そんなこと言っても、受けなかっただけでペラペラなんじゃなーい?」
「海外に何年も住んでいました、とかそんなもんでしょ?」
「毎日、英語を使う環境にいるんでしょ?」
と思われると思います。
その疑問は、半分あたって、半分は違います。
私は、カナダでの在住経験が2年弱あります。
また、英語教育系の大学、大学院も終了しています。
日常的に、英語を使える環境にいます。
「ほらー?」
「だからじゃーん、そんな歳で受かるなんて絶対ワケがあるって!」
「ちゃんとした、バックグラウンドがあるんでしょ!」
ここまで読んでくださった方がそう思われるのも仕方がありません。
しかし、私の英語ヒストリーでのアドバンテージはせいぜい準1級どまりでした。
私は29歳でカナダから帰国して、すぐに英検準1級を受け、合格しました。3月に帰国して6月の試験でしたから、勉強もサラーっとやっただけです。しかし、過去問に取り組むと、最初の語彙問題は全然できず、せいぜい半分くらいしか正解しなかったことを覚えています。当時は英作文がなく、あとは長文とリスニングでしたが、長文は大体できたと思いしましたし、リスニングはほぼ満点だったと思います。そんなわけで、1次は合否はあまり心配していませんでした。
また2次試験の面接も田舎で受けたため、人材がいないせいか多分私より面接官のほうが英語力が低いだろうなぁという感じで、こちらも難なく合格しました。英検準1級に合格したことで、その後英検の面接官を依頼され、1度やったことがあるのですが、その時に聞いた話では、その回そのエリアで準1級に合格した人は私一人しかいなく、だから面接官の話が来たようでした。26年前の話になりますが、やはり英検準1級でさえも合格するのはとても難しい時代だったと思います。
ちなみに私の夫も英検準1級を所有していますが、準1級ができてすぐに取得しているので、現在よりきっともっと簡単だったと思われます。
英検準1級に合格した私は、当然、「次は1級だー!」と過去問題集を買い、勉強を始めました。しかし、準1級の語彙さえ半分程度しかわからなかった私に、1級の単語など入ってくるわけはありません。それでも英検がやっている通信教育にも申し込んだと思います。でも、いくら何をやっても、お金を払ったとしても、あの難関な語彙を覚えることができなかったのです。
そのうち、結婚をし、子育てに追われながら英語は生活からかけ離れていきました。それでも時々、「やっぱり英検1級をとりたい!」というウエーブが押し寄せてきて、問題集を買ってやってみるものの、語彙に挫折する日々。英検1級の学習を始めたことのある皆さんなら、共感してくださることでしょう。
29歳で準1級を取得してから、55歳で1級にたどり着くまで26年間。私は、その間英検1級を受験しなかったのではなく、受験する場所にすら立てなかったのです。
それは私の能力のなさです。英語力の低さです。
でも、海外で暮らしていたんだし、それなりに喋れるよね?と思われると思います。それなりというのがどの程度を指すのか難しいですが、よく人に「はなさんは英語ペラペラなの?」と聞かれると、
「『ぺ』くらいかな?」と答えていました。意思の疎通だったり、旅行したりという、基本的なことはもちろんできますが、英検1級に必要な政治、経済、環境などの社会問題について、英語で自分の意見を話せる力は到底ありませんでした。また、海外に住んでいたのに、この程度の英語力しかないということは、いつも私に劣等感を与えていました。なので、私は決して流ちょうな話者ではありませんでした。
29歳の時にも挫折した英検1級への道。
今まで最低3回は挑戦したのに、受験場にたどり着くことすらできなかった英検1級への道。
それが、55歳になって可能になったのはどうしてか。
それは、私の得意な情報収集能力、テクノロジー、戦略、そして、強みである行動力のおかげだったのかもしれません。
このノートでは、私が何をきっかけに再び勉強を始め、約1年で英検1級に1発で合格したか、そのストーリーについて書いていきたいと思います。