ファンがライブを観て「自分らしさ」を考えた夜-サカナクション-
昨日2020/5/9は、サカナクションというバンドのデビュー13周年目の日。
コロナ自粛期間、STAY HOMEを楽しんでもらう趣旨で、デビュー10周年記念イベント「2007.05.09. - 2017.05.09」という、ファンクラブ限定ライブの模様を一夜限りでyou tubeに公開してくれました。
動画を観て、いちファンとして感動し、あらためて好きになったサカナクション。ライブの感想やらバンドへの想い、さらにはなんか「自分らしさ」について考えました。
まず、サカナクションを一言でまとめると?
「孤独や暗さを昇華して、美しくてエモくてノリノリでかっこいい音楽を生み出してきたすごいバンドだ(涙)」
ですね、えぇ。
サカナクションは北海道出身の5人組バンドで… といった基本情報は割愛。
余談ですが、赤字になっても、良い音でライブを楽しんでもらいたい!と何やらすごいライブをした話はこちらです。
で、どんなライブだったの?
はい、ようやくライブの話へ。
ライブでは、コアなファンを前に、ビクターの80番目くらいに偉い山上さん(たしか…)が司会を務めます。ファンが選ぶサカナクションの名曲ベスト40を発表していきました。
途中、山口さんと親交の深い3人の方からのリクエストで超コアな3曲を演奏:フクロウ、スプーンと汗、enough
個人的には太宰府天満宮の宮司さんのごんちゃんさんのエピソードがよかったです。ここで行事に参加していたとき、アカデミー賞受賞の連絡をもらったとのことで、今もご縁を大事にされているそう。
そんなこんなでベスト5:
5位 エンドレス
4位 三日月サンセット
3位 ナイトフィッシングイズグッド
2位 白波トップウォーター
1位 目が明く藍色
普段のライブではあまりMCをしないボーカル山口さん。コアファンを前に「10年続けていると、いろいろなことがあった」と語りました。
デビューは山口さんが30歳のとき。最初はCDが1800枚しか売れず、お金がなく、ガス代も払えず。
冬にはコップの水が凍る北海道のアパートで寝袋で寝て、音楽を作り続けた。
転機は2010年リリースの「アルクアラウンド」。ここから一気に知名度が上がりました。
1位の曲名発表前に山口さんは、泣いていました。
アルクアラウンドが売れたあと、次の曲のプレッシャーがすごかったと。
きっと、「売れる音楽」と「作りたい音楽」の狭間で苦しんでいたんだなと思います。それでも胸のうちを話していたビクターの方は、「完成させてみたら」と言ってくれた。
そうして7年(!)くらいかけて完成したのが「目が明く藍色」。
https://www.youtube.com/watch?v=xOqvFHwh3rk
初めて聞いたときは…転換の激しさから怖さすら覚えたほどでした。
でも、ドラマチックな展開だからこそ心の内が深く伝わり、胸が震えるようになりました。今では大好きな曲のひとつです。
音楽で表現したかったものは…
山口さんという方は、「自分らしさ」と「孤独」をテーマに、音楽を作ってきたように思います。純粋に、繊細に、並々ならぬストイックさで。
「自分らしさ」に朝は来るのか。東京でふと思い出した母の姿。一人の部屋で真夜中に目が覚めたこと。おいしそうなシチューのにおい。果てしない嘘。誰かが誰かを笑う世界。
それでも、僕は行く。
「孤独」の寂しさに傷つきながら、どこか脆く危ういほどに「自分らしさ」を追い求める姿。
いまだに両方に振り回されて迷子の私には、とても尊い。
いや…そもそも「自分らしさ」って何だろう。(脱線の予感)
ネットだと、「好きなこと」「得意なこと」「大事にしていること」がすべて満たされている状態だとあった。
漠然。
これらすべてをしっかり把握している人って少ないのではないか。
私の場合は、「大事にしていること」を守り通せないことが多い気がする。周りを気にしてしまうから。傷つきたくないから。
でも彼を見ていると、私は私の「大事にしていること」を、本当は大事にしたいんだ、と気づく。
そして実際には、自分を傷つけるものって、なんだろう。よくわからない、実態のないものに怯えているだけなんだと思い至る。
最後に、ベースの草刈さん(姐さん)はこんなことを言ってました。
「自分たちはそんなに明るくない。でもファンの皆さんが楽しんでくれて、自分たちもそれに乗っかって楽しくなって。まずは自分が楽しむこと。」
自分が楽しむこと。
これ、大事。
あまりあれこれ悩まず、楽しんでみればいいことあるんじゃないか?
コロナ自粛期間、一人でラフランスサワーを呑みながら。
そんな土曜の夜でした。
チームサカナクションのみなさんに感謝して、明日からまたがんばります。