報連相を"させる"のは、もうやめよう。
こんにちは。メーカー人事・コーチのはなごえです。
今回は仕事中ふと思いついたことを書き留めておきたいと思います。
ネタは、マネージャーの方々から時々耳にする「部下が報連相してくれない問題」についてです。
簡単にまとめて言うと、部下が報連相しないのは報連相の仕方が分からないからではなく、上司の受け方の問題かもしれない。だから上司側も工夫が必要ではないか。ということです。
報連相しないのは、したくないから
部下が報連相しないからといって、研修を受けさせる上司がおられます。
でも、報連相しないのはできないからではなく、できるけどしたくないからだと思うんです。
でなければ報連相の仕方を教える研修でとっくに解決しているはずですよね。
じゃあ、報連相したくないと思わせる理由は何なのか。
例えば「報連相したら細かなところまで指摘されるのがイヤ」「怒られるのがイヤ」「意見が合わなくて面倒なことになるからイヤ」などといった理由があるでしょう。(私自身の経験や同僚から聞いたことを基にしました)
そこで今回の記事では、報連相研修を受講させたり報連相しろと要求するのはやめて、上司の「報連相の受け方」を変えてみてはどうか。ということを書いていきます。
報連相の受け方
私が考える基本的な報連相の受け方は、次の通りです。
・部下の話を最後まで聴く
・細かいことは指示しない
・ポジティブフィードバックが9割
・部下の話を最後まで聴く
よく言われることですが、私が言いたいのは話の途中で口を挟まないというだけでなく、本当の意味で部下の話を聴いてほしいということです。
ちょっと想像してほしいのですが、誰かの話を聴く時に「反論」や「次に言うこと」を頭に浮かべていませんか?
そうすると、相手の話の結論や意図を勝手に決めてしまうことになるので、本来一度で済むやりとりが増えてしまったり、話し手と聞き手の認識がズレたまま話が進む恐れもあります。
ですから私の考える「最後まで聴く」というのは、部下の話の意図や本当に言いたいことが上司である自分の認識と合っているか確認するところまでを言います。
じゃあどうすれば良いのかというと、現時点ではストレートに確認するしかないのではと思っています。
私がよくする質問は以下の通りです。ご参考まで。
・「今相談してくれたことは〜〜という理解で合ってる?」
・抽象的な表現に対して「具体的には?」「例えば?」
・細かいことは指示しない
人には好みの仕事の進め方がありますが、部下も同じです。ですから部下に上司のやり方を押し付けると部下は隠れて進めるようになります。
部下が一生懸命考えてきた仕事の進め方を毎回つぶしたらモチベーションは下がりますし、最終的には考えなくなります。
これではいずれ上司が考えることが増えてしまいマネージャーがプレイヤー化してしまいます。マネージャーの仕事は部下に上司の仕事の進め方を強制ことではなく、結果を出すことですよね。
ただ、上司としては不安なんですよね。それもめちゃくちゃわかります。
そんな時は、部下の考える進め方を聞いた上で、注意点と絶対やってはいけないことを伝えるにとどめるのが良いかと思っています。
さらに、業務を指示する際に目的・ゴールイメージを共有して具体的な進め方は部下に任せることにすればイチイチ指摘しなくても良くなりますし、意見が合わなくても目的・ゴールイメージに立ち戻って考えることで議論が迷子になることが減ります。
もちろん、部下がミスした場合にはプロセスに問題がなかったか検証することも重要なので、仕事の進め方を報告させる必要があります。
ここまで、細かな指示をしないことをオススメしてきましたが、中には指示が欲しい部下もいますので部下の様子を見ながら判断してください。
・ポジティブフィードバックが9割
部下のミスや課題・改善点ばかりを指摘する上司がいますが、こういったいわゆるネガティブフィードバックばかりしていると部下は報連相したくなくなります。
あれがダメこれがダメと言われ続けていたらその人に言いたくなくなるのは当然でしょう。
ならばその逆で、良かった点をできる限りフィードバックしてください。ネガティブなことはその後で「もっと良くするには」と前置きして伝えることで成長のためのメッセージとして伝えることができます。
また、部下がミスをしたときは、後処理にも時間を取られますのでどうしても怒りたくなる気持ちはわかります。ですが怒られることを避けて報連相しなくなってしまっては最悪です。
月並みですが、起きてしまったことは仕方がありませんから、どう対処すれば良いか、どう予防すれば良いかを一緒に考えることで今後のミスを防ぐことに注力すべきです。
そうすることで、ミスが起きた時にもどう対処すればよいか部下が自分で考えられるようになります。これは自分の成長につながるので部下にとって報連相することのインセンティブになるでしょう。
そうは言っても不安ですよね
基本的な仕事の仕方が身についていない部下に対しては、たしかに心配です。
だけど報連相の中でいちいち指摘してしまうと、報連相がネガティブなこととして頭にインプットされてしまうおそれがあります。
だから部下の報連相の中で指摘するのではなく、事前にある程度ざっくりとした仕事のルールを決めておくのはどうでしょう。
例えばこんな感じです。
・ちょっとでも自信がなければ相談せよ
・常に目的を意識して業務を進めること
・自分の感覚で6割できたと思ったらアウトプットを見せること
そうすれば報連相の中で指摘することは減るのではないかと思っています。
ホウレンソウっていうの、もうやめませんか
それと、覚えやすいのですが「報連相」という順番がよろしくないと思います。
本来なら相談してから仕事を進め、終わったら結果を報告するという流れが自然ですよね。
連絡というのは情報を通知することなので、基本的に相談や報告に含まれるものです。だから順番としては「相談・報告・連絡」と意識すべきでしょう。
以上、読み返してみると、自分で書いておきながらコミュニケーションって大変だと思います。
でも、これまでは仕事の仕方を業務を遂行する中で教え込んできた部分が多いと思いますが、リモート化が進んで手取り足取り指導できなかったり、教育も効率化が求められている今、そうもいかなくなっています。
ですから今後はより一層、できる限り事前に伝えることは伝えておいて、仕事の中で慣れていってもらうという、部下育成についての上司のお膳立てが必要になってきていると思うのです。
以上、上司の皆さんが少しでも楽になればと思って書きました。参考になれば幸いです。
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