「知覚力を磨く」
今日の朝チョイスしたAudibleの本が面白かったので備忘録。
「知覚力を磨く」
バスや徒歩での移動時間に聞いていたのだけど、すごく興味深い内容だとは思ったのだけれど、いざ感想を書こうと思うと、頭の中をサラサラっと流れていってしまっている。
パラパラ見返したり、気になるところだけ再読熟読というやり方が、Audibleではうまく出来ないのが残念。
それでもあきらめきれずに、途中までメモを取りながら再聴した。それほどまでに面白かったのだ。
先行きが見通せない時代において、「思考」は本来の力を発揮できない。
そこでものを言うのが、思考の前提となる認知、すなわち「知覚」だ。というわけで、この「知覚力」について、その威力や磨き方について書かれているのが本書だ。
そして知覚力の磨き方として「絵画を鑑賞するように世界をみる技法」が有効であると述べられている。
つまり、単に感覚として世界を認知するだけではなく、それを取り込んだ個人の既存の知識と照らし合わせて解釈すること。感覚器と脳が関与する二段構えなのである。
まず「受容」があって、それを「解釈」するのだ。つまり、人それぞれに独創的な解釈があり、解釈は多様性に富むのだ。その多様性こそが、今の時代に求められる創造性やイノベーションを生むことになる。
感覚器の中でも、「視覚」からの情報の割合が多いことはよく知られている。
「見ているつもりで見えていない」
思い当たることが多い。
「純粋に見る」ことを意識的にやることが良さそうだ。そのために絵画鑑賞はかなり有効なツールであることも説明されている。
また、単に「目で見る」ことだけではなく、目では見えていないものを補いながら見ようとする機能「マインドアイ」について述べられていて、ここがとても興味深かった。
オカルト的な話ではなく、見えているものから、自身の中にある知識と照らし合わせて推測していくことで、目では見えないものを脳で見ること。「マインドアイ」を使って見るのが「メンタルイメージ」だ。
観察眼を鋭くすることでアイデアを見る目も磨かれるって、どんな分野でも魅力的でしかない。
「現実を超越した真実を見る目」という表現が、それ欲しいとしか思えない。
もうひとつ気になるのが「ビジュアルシンキング」
絵で考える力のことで、アインシュタインが得意としていたようだ。
言語をベースにした知覚よりも迅速とのことだが、当時は言語で考える科学者が主流だったようで、そちらに寄せていった感じもあるらしい。
ただ単に、ビジュアルがパッと浮かんだから表せるというものではなく、圧倒的な視覚情報のストックがあって、何度も浮かんで結びついてやっと外に出てくる。
簡単に「天才のひらめき」みたいなことではないのだ。
「ビジュアルシンキング」のように鮮明な「絵」ではないけれど、私自身、頭に浮かぶ「イメージ」で思考している。
言語化されないもどかしさもあるけれど、イメージが溢れて言語化される、人に伝えられる形で表出されることはあるけれど、圧倒的に「少ない」と感じている。
若干ではあるが、ビジュアルシンキングに近いのかもしれない。
ってことは、この「イメージ」の解像度を上げることができたら、わりと天才肌の人間になるのではないかと仮説を立ててみた。
やることリストに「観察」「よく見る」を加えることにしよう。