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下諏訪町へ移住・開業したいと思ったわけ
こんにちは。
京都でバリスタとデザインをやっています、ナッパこと、ふじわらはなです。
前回の記事で予告した通り、今回は開業と移住先の候補、下諏訪町について書き綴っていきます。
長野県のまんなかに、ぽっかりと浮かぶ諏訪湖。
その北側をいくつかの市町村がぐるりと囲んでおり、岡谷市と諏訪市に挟まれたところに下諏訪町(しもすわまち)はあります。
中山道と甲州街道の2つの街道が交わる宿場として栄えたため、今なお温泉や宿が立ち並び、町を歩けばすぐに湯気の香りが漂っていました。
さらに、空き家を改装したショップや諏訪大社下社などの観光地があり、住宅のすき間からは雄大な山々と湖が望めます。
小さなエリアに魅力をぎゅっとつめこんだコンパクトな町、それが下諏訪です。
わたしと、しもすわ
実は、下諏訪へ行くのは今回が2回目。
1度目は京都のデザイン専門学校に通っていたころ、学校外で催事企画を課題とする授業があり、ひょんなことから下諏訪のまちあるきイベント「すわんぽ」を主催することになりました。
当時からものづくりの工房や老舗店が立ち並び、新旧入り交じる商店街の雰囲気もよかったことから、作品を町中に展示してスタンプラリーができるようにマップを作ったり、オリジナルキャラクターをデザインしたりして、開催中は多くの方に下諏訪のまちあるきを楽しんでもらうことができました。
京都のデザイン学生が、なぜ遠く離れた下諏訪でイベントを開催するに至ったのかは、本当に "ご縁" と ”運” 、というか。
いろいろ理由はあったのですが、今にして思えば、懐の深い下諏訪のみなさんが迎え入れてくれたから、だったように思います。
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デザインの専門学校を卒業したあとも、このときの経験が根強く残っており、長野への移住・開業を考えるに当たり、自然と候補地にあがったのが下諏訪町でした。
「すわんぽ」の開催から10年以上たった今、下諏訪がどうなっているのか、単純に見てみたい、という思いもありました。
視察旅行の概要
10月1日(土)から2日間の視察旅行。
夫と娘は京都で留守番してもらい、ひとりで来ました。
今回の視察旅行の目的は3つ。
・住む、営むを意識してまちを散策
・町の人と交流する
・地域おこし協力隊の方と顔合わせ
長野市に住むわたしの両親が、1日ずつ交代で視察に同行。
(事情があって一緒にまわれなかったのです)
DAY 1
夜行バスで早朝に松本駅へ降り立ちます。
10月初旬でも朝はこんなに寒いのかと上着を羽織り、松本駅から朝7時前に発車する電車に乗り込み、下諏訪駅まで約35分。
だんだんと車窓から諏訪湖が見え隠れします。
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下諏訪駅に着き、懐かしさと冷たい空気で胸がいっぱいに。
駅から南に向かい、諏訪湖まで20分ほど歩きます。
諏訪湖へ
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水際に立った途端、鳥肌が立つほど美しい景色が目の前に広がります。
静かに波打つ水面、澄んだ空気。
山並みの中央には、うっすらと富士山が見えました。
今回の旅で、朝のうちに諏訪湖を見ておきたかったのは、ランナーを見るため。
ランニングが日課の夫は、朝ここを走るだろうかと、想像したかったのです。
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下諏訪へ着いて1時間もしないうちに、ここで家族と暮らす妄想があふれて止まりませんでした。
まずは観光
観光エリアへ移動。
母が合流し、ふつうの観光客として散策することに。
(母はわたしが学生のときのイベントで下諏訪を知り、それ以降ちょくちょく小旅行に来ているそうです)
諏訪大社、慈雲寺、万治の石仏など、メジャーな観光地を見て回ります。
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お昼ごはんを食べたあとはじっくりまちあるき。
お店を開くとしたらどんなところがいいか、意識してみました。
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この日は晴天で日差しも強く疲労感があり、休憩できるお店がもうちょっとあるといいな、と感じました。
わたしのコーヒー屋さんでお客さんが地図を広げて、一緒に散策の計画を練りたい。
やはり妄想があふれました。
ついでに、下諏訪のとなりの駅、上諏訪へ。
リノベーション物件が多いので、カフェで休憩がてら店内を見たり、まちをうろうろ物色しました。
山腹にある立石公園へ行って、諏訪湖を見下ろしてきました。
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再度下諏訪へ戻って、母とはここで別れ、わたしは泊まる宿でチェックインを済ませます。
宿で濃密交流
今夜の宿は、マスヤゲストハウス。
築100年の旅館を改装した素泊まりの宿で、宿泊者以外の人が利用できるBarも併設されています。
なんだか、京都のきんせ旅館を思い出しました。
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ここでの時間は本当に濃密。
いる人、みんなガンガン話しかけてくる!
ゲストハウスのスタッフはもちろんのこと、他の宿泊者やBarに来た地元の方ともすぐにつながることができました。
最近移住してきたよ、という人もたくさんいて、「ここに住もうかと思って来ました」とわたしが言ったら、それはそれはみんな目を輝かせてくれて。
「このお店に行ったほうがいい」「住むならここがおすすめ」と、それぞれに話を聞かせてくれました。
みんなこの町が本当に好きなんだなあ。
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マスヤのスタッフさんおすすめの本田食堂で、地元の食材を使ったディナーを軽くいただき、大衆浴場の新湯で汗を流しました。
おばあちゃんたちの会話が、これまたおもしろかった。
地域の魅力、そして人の魅力を感じた1日目でした。
DAY 2
6人相部屋ドミトリーで目が覚めて、共同リビングで朝ごはん。
昨日買っておいたパンを食べました。
昨日キノコを採った宿泊者の方がキノコ汁をふるまってくれたので、わたしもいただきました。
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地域おこし協力隊とまち歩き
2日目のメインは、地域おこし協力隊の方と顔合わせ。
下諏訪についてより詳しくお話をお聞きし、移住者が営むカフェも何軒か紹介してもらう予定です。
この日は、父が同行してくれました。
(父は生まれも育ちも長野県なので、他の市町村と比較した意見が出るかもしれないと、誘ってみました。あと人生の先輩なので)
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協力隊の髙橋さんとごあいさつをして、まずは下諏訪町の歴史、風土、災害情報など、概要をお聞きします。
物件探しに役立ちそうな地元の不動産や建築会社など、移住開業をサポートする情報をシェアしてもらいました。
娘が通う保育園、夫の転勤、私の開業、そして京都を去る準備。
それまで漠然としていて思考を進められなかったところが明確になり、少しずつ夢が形になっていく感じがしました。
お話のあとは、移住者の運営する空き家改装カフェを2軒紹介してもらいました。
▼カフェとホイスコーレ teltis
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▼駄菓子とビールとコーヒーのお店 ちいとこ商店
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最後は車に乗って、地元民がよく利用するスーパーや、子どもが遊べそうなところ、おすすめの賃貸マンションをドライブしながら紹介してくれました。
協力隊の髙橋さんをはじめ、カフェの店主さんも前のめりで話を聞いてくださり、かなり自信が持てました。
問題は、開業場所です。
まちを歩いたときは空き家らしい物件をちらほら見かけましたが、貸しているかどうかはまた別問題のようです。
コロナ禍での移住ブームも重なり、現時点で新規事業が可能な物件はなかなかない、とのこと。
家を空けるというのも簡単なことではないんだな、と痛感しました。
両親の反応
髙橋さんと別れた後、父と遅めのお昼ご飯を食べながら資金の話などをして、早めに帰路へ着きます。
私は夜行バスに乗るため松本へ。
父も一緒に電車に乗り、松本の先の長野市まで。
2日間に渡って母と父が入れ違いに同行してくれましたが、楽しみつつも時折不安そうな様子でした。
娘が仕事を辞めて独立開業しようとしてるんだから、当然といえば当然ですね。
二人とも下諏訪が気に入った様子だったし、お店をつくるときや、開業したあとも手伝うよ、と言ってくれました。
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ここに決めた理由
この視察旅行ですっかり気に入ってしまった下諏訪町。
もうここにしようと決めました。
いちばんの理由は、自分の暮らしがすんなりと想像できたこと。
ここで家族と遊べる、ここなら夫が走れる、ここなら住める。
そんな風に、多くの事柄をこのまちに置き換えて考えることができました。
そして、自然がすばらしいこと。
諏訪湖は前述したとおり、本当に美しい。
四季を通して、いろんな姿を見てみたくなりました。
それから、空が広いなと感じました。
高い建物が少なく晴天率も高いので、常に見晴らしが良い。
今回行けなかった八島湿原、ボッチ高原、周りの山々へもアクセスできるし、家族ででかけたいと思いました。
最後に、人の良さ。
とにかく、会う人すべてが町に関心があるし、親切だと感じました。
住む場所に関心が高いということは、これからもいい方向に町は変化を続けるんじゃないか、と。
若い人や移住者だけじゃなく、年配の方も明るく優しい人ばかりでした。
すごく先の未来だけど、こういうおばあちゃんになりたい、なんて思ってしまった。
もうひとつだけ。
たくさんの温泉も魅力的でした。
わたしは銭湯が好きで、京都でも娘と週に1回くらいお風呂屋さんに行くのが日課になっています。
しかし、今の住まいから一番近い銭湯が廃業してからはあまり行かなくなってしまい、時間に余裕のない日々の入浴は作業的で殺伐とした雰囲気。
下諏訪なら気軽に温泉に行けるし、娘と入るお風呂の時間を楽しいものにできるのでは、と期待が持てました。
物件探しには時間がかかりそうですが、ひとまず下諏訪町に移住する方向で準備を進めたいと思います。
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