【💎】ダイアモンドの「４Ｃ」

宝石店のダイアモンドのコーナーで、4Cの説明をされたことがある方もいらっしゃることでしょう。先日、4Cの一つであるクラリティの話を「4Cはもう有名だからね」と解説なしに書いていましたが、説明を受けるのは上のクラスの方だけかもしれない（高い＝売りたいライン）ので、ジュエリープランの最初の記事は4Cにします。

4CはColor（カラー：色）、Carat（キャラット：重さ）、Clarity（クラリティ：透明度）、Cut（カット）です。この4Cに基づくダイアモンドのグレーディングシステムを作ったのがGIA（Gemological Institute of America：米国宝石学会）です。

GIAで宝石学を修了するとGraduate Gemologistとして、ダイアモンド鑑定と宝石鑑別ができるようになります。当然このグレーディングシステムに基づいています。私もGraduate Gemologistの一人です。

一般的にdiamondはダイヤモンドと表記されますが、宝石学の恩師が「いやどう見てもdiamondなんだからダイアモンドでしょ」と授業ではダイアモンドと表記・発音していたため私もそのように表記しています。同様に、宝石の重さを表すCaratも日本語表記はカラットですが、発音と、Karat（カラット：金の純度）との混同を避けるためにキャラットと表記しています。

こだわる恩師は米国でGraduate Gemologistを取得

4Cとは

Color

カラーはDからZまであり、無色のDからＺにいくほど黄色が強くなります。

マスターストーンと見比べながらカラーをグレーディングします。グレーやブラウンがかった石の場合はグレーやブラウンを無いことにして黄色味を見るいう技が必要です（できるかっ！※個人の意見です）。

しかもGIA Japanの練習用のマスターストーンは1つおきのグレードしかなく、例えばDとFの間のEはこの位だろうと自分で補完しなければならないという……（できるかっ！※個人の意見です）。

その黄色味は、窒素によって起こります。「ダイアモンドは炭素でできている」のは有名でしょう。そこにごく微量な窒素が入ると黄色くなります。

全ダイアモンドの98%は窒素を含みますが、今のところ世界最大のダイアモンドであるカリナンはタイプⅡaという稀なタイプで、純粋な炭素が99.99%で窒素の含有はありません。

カリナンは分割され、最も大きなものはロンドン塔で公開されている王笏にセットされています。その透明度のせいか、レプリカかと思うほどでした。

Carat

重量で、1キャラットは0.2gです。ct、ctsなどと表記されます。業界人は「石目いしめ」とも言います。

キャロブシード（いなご豆）という豆が、大体0.2gで狂いがなかったことから、古来より宝石取引の単位とされてきました。

大きさと混同されがちです。1キャラットのルビーを見て、ダイアの1キャラットと比較されたのか「え？小さくない？」と言われることがありますが、これは密度の違いです。ダイアの比重は3.52、ルビーは4ですから、同じ大きさならルビーの方が重く、同じ重さならルビーの方が小さくなります。

Clarity

透明度のことで、インクルージョン（内包物）やブレミッシュ（表面の傷など）が無いことの程度を表します。10倍の倍率で見てどうか、という指標ですが、実際は顕微鏡も使います。

・フローレス（FL）
10倍の倍率でインクル―ジョン、ブレミッシュがともに見られない
・インターナリーフローレス（IF）
10倍の倍率でインクルージョンが見られない
・ベリーベリースライトリ―インクル―デッド（VVS1およびVVS2）
インクル―ジョンが非常にわずかなため、熟練したグレーダーが10倍の倍率で見ても確認が困難
・ベリースライトリ―インクル―デッド（VS1およびVS2）
10倍の倍率でインクル―ジョンがなんとか確認できるが、微少と特徴づけられる程度
・スライトリ―インクル―デッド（SI1およびSI２）
インクル―ジョンが10倍の倍率で見て確認できる
・インクル―デッド（I1、I2、I3）
インクル―ジョンが10倍の倍率で容易に確認でき、透明度や輝きに影響を与える可能性あり

ブライダルで勧められるのはVVSから上ぐらいです。不況だとVSぐらいも入れているでしょうか。

Cut

ラウンドブリリアントカット（💎）に理想的なプロポーションはありますが、そこは天然石。同じように見えても、結晶の形や状態によってやむなくプロポーションが悪くなることもあります。

• エクセレント（EX）

• ベリーグッド（VG）

• グッド（G）

• フェア（F）

• プア（P）

リングやペンダントで1つの石がメインになるものは、まあG以上だと思います。判断するポイントは色々あり、総合的に判断していきます。

ブライダルですとEXかつ「ハート＆キューピッド（H&C）」や「ハート＆アロー」と呼ばれるシンメトリーの整った石を勧められることがあります。専用の砂時計みたいな形のスコープも置いてあり、覗くと確かにハート型と矢印が整然と並んでいます。

ハート＆キューピッド｜中央宝石研究所（CGL）

「実はこの位で十分」という賢い選び方

今までのところは宝石店でも説明しますし、4Cという言葉さえ知っていればいくらでも情報は出てきます。知った上で極上のダイアモンドが欲しい方は、Dカラーのフローレスでエクセレントカットの石をどうぞ……経済は回り、宝飾業界も潤うので大歓迎です。

「わかったけど、普段使いだから別に最上級じゃなくても良いのよね」という方は以下をご参照あれ。