健康保険でオーダーシューズを作った話
オシャレ用のオーダーシューズではなく、「靴型装具」といって、変形の矯正や痛みを和らげる目的の装具という位置づけの靴になります。
私の場合は外反母趾です。
私の足~最初のオーダー靴は失敗
以前、デパートの靴売場で測ったもらったところ、ワイズは2Eだったのでそれを信じていました。2Eの靴がぴったりフィットしている感覚はありませんでしたが、市販の靴はそんなものかと思っていました。
近所に3Dで足を計測するお店ができたので行ってみたところ、足指の付け根の部分がE、踵に至ってはDでした。市販の靴ではすっぽ抜けてしまうわけです。
とりあえず、2EではなくEを買えばまだマシということがわかりました。
「日本人の足は甲高で幅広」と信じている人が多いそうですが、最近は足幅が細い人が多い、というのがお店で計測している人の印象だそうです。
もっとも、市販の靴が合わないからそういうお店に行く、とも言えますが。
このお店では、計測したデータを元に、市販の靴にパッドを入れて履きやすくするサービスや、オーダーシューズ作成を行っていました。
オーダーシューズを試したところ、出来上がって試し履きをした途端に踵がすっぽ抜けました……よくよく聞くと、木型が合っていないそうです。なんだ、セミオーダーじゃないか、と、しらばくはオーダーへのモチベーションが下がりました。
どんな靴でも作れるお店
とはいえ、やはり市販の靴では合わずにその後も痛い思いを何度もしましたので、以前から調べて知っていたお店に行ってみました。ここは、外反母趾やリウマチが進んで変形した足でも合わせて作れます、というところです。
最初はオーダーではなく、足指の裏につけるパッドを買いに行ったのですが、パッドのサイズを決めるために計測した方が足を見るなり
「あなたの足なら、保険で靴が作れると思いますよ」
と教えてくれました。聞こうと思っていたので、ちょうど良かったです。
医師の意見書をもらう
まずは整形外科を受診して『〇〇のため靴型装具が必要』という意見書を発行してもらいます。発行できるかどうか、予め確認した方が良さそうです。
当時、股関節痛で通っていた昭和な感じの整形外科で聞いたところ「とりあえずレントゲンを」と余計なレントゲンを撮られた挙句に「そういうのはやっていない」と言われました。いや、最初からそう聞きましたけど!
おまけに、レントゲンは3枚だったのに6枚分請求されたことに後から気付いてので確認したところ「片足ずつのカウントになるので、3枚×2で6枚分、というのが保険者算定で決まっている」とのことでした。算定の話なら健康保険組合に確認します、と言うと「じゃあそれでいいです」と返金されたということは……?
また、外反母趾でレントゲンを撮るのは、手術前提の場合のようです。
こういう整形外科にはくれぐれも気をつけて下さい。
結局、靴を作ってくれるお店に、慣れた整形外科を紹介してもらいましたが、一瞥しただけで「両外反母趾」として意見書を書いてくれました。
そうですよ、外反母趾なら見ただけでわかりますよね。
靴をオーダーする
正式な発注は、医師の意見書が発行されてからになります。
(が、実は採寸は済ませていました)
もちろん、どんな靴でも保険が適用されるわけではありません。「ヒールは3cmまで」「太いヒール」等のスペックは決まっています。
通常は2か月ぐらいかかるところ、保険適用の場合は優先度を上げて1か月ほどで納品できるようにしているそうです。
私がお願いしたお店は、靴底は仮に接着した状態で工場から店舗へ届き、仮合わせに行きます。
履いた状態を確認してもらって、また仕上げのために工場に戻します。
靴代は、一旦全額支払います。懐がイタタタタ……。
靴ができたら医師のもとへ
靴が納品されたら、また整形外科を受診して、靴を履いた状態を医師に確認してもらいます。
大体、意見書の下部が『装着を確認した』という欄になっているようです。靴型装具に限らず、捻挫や骨折した時の装具でもそうなっているのを、社会保険を担当しているとよく見かけます。
療養費を申請する
健康保険組合に療養費を申請します。
「一旦全額負担しているので、健康保険を適用して7割を返金してネ(3割負担の場合)」というものです。
療養費の申請書、医師の意見書と装着確認書、明細入りの領収書、靴型装具の場合は靴を装着した写真などが必要です。
(詳しくはご自分が加入している健康保険組合の案内をご覧下さいね)
私は3割負担なので、申請後1か月ちょっとして7割が戻ってきました。靴代金はカード支払いしていたので、現金の出入りはちょうど同じ頃でしょうか。
なお、私が加入している健康保険組合は、同一病院等で同月に支払った金額が2万円を超えると自動的に一部負担還元金として戻ってくるので、忘れた頃に差額が振り込まれて驚きました。
というわけで、いくらの靴をオーダーしても自己負担は2万円までです。
靴は交互に履いた方が傷まないのですが、耐用年数が1.5年と決められているため、一度健康保険が適用されると1年半は期間を空けないと承認されません。
最初は黒い靴にして、服装に合わせて茶色も欲しかったので、それは自費で作りました。
結果:足に合う靴は最高!
外反母趾は痛みを取る治療か手術しかないようですので「気づいたら早めに足に合う靴を作ること!」だそうです(靴屋談)。
ずっと整形外科に通っていた股関節痛も、実は外反母趾からきていたようです。整形外科ではなく、靴屋さんに指摘されました。
こんなに違うんですよ↓↓ 左が市販の靴、右がオーダーシューズの踵です。
そろそろヒールが傷んできたので、交換修理に行こうと思います。
せっかくの足に合う靴ですから、大事に大事に履いていきます。
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