誰もが使えるアプリこそ、一歩先へ
例えば、Word。
「普通に使えます」
とよく聞きます。この ”普通” がクセモノ。
これがAccessだったら「普通に使えます」よりは、
「組んであるものは使えますが、一から作るのは無理」とか
「テーブルへの入力はできますが、クエリはちょっと」とか
具体的にレベルを言ってくれるのに、なぜでしょうね。
会社や部署によって、出来ている文書に癖があるのもWord。だから、異動や転職で前の文書に手を加えて使う時は、まず編集記号を出します。
すると、空白で一字下げていたり(字下げを使おう!)少し空けてから次の文字を揃えたいところも、全角と半角の空白を駆使していたり(タブを使おう!)間延びするからと半角カタカナを使っていたり(Pフォントを使おう!)。
「なんか変なことになったから見て~」と呼ばれる時も、たいてい書式設定です。
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そんなことを思ったのは、現在、逐語記録を作成中だから。1時間ほどのカウンセリングの録音から、20分ぐらいを抜き出して一語一句記録したものを作り、グループでカウンセラーとしての応答を検討していきます。
前回の事例検討の際、休み時間にこう聞かれました。
「あの……あなたの逐語、通しでページ番号を振ってあるでしょう?」
「ん?」
「あ、ちょっと意味わかんなかったですよね。表紙と逐語と考察と3パートあるでしょ、あれに通しでどうやって番号を振るのかと思って……私は逐語の部分をExcelで作ってるんで、5/20ページとか付けられなくて」
「ああ、なるほど、私は全部Wordなんですよ」
「え、でも……?」
「セクション区切りを使うと、区切りで挟まれたところは書式を変えられるんですよ。文書としては一つだから、通し番号もページ/総ページで簡単に付けられます」
なんのこっちゃですよね。こんな構成になっているのです。
表紙──普通の文書 例えば40字×35行
逐語──表形式 書き込みできるように1行空ける
考察──普通の文書
図にするとこんな感じです。
逐語の部分をExcelで作る方が多いようですが、Excelも1行に入ると思ったのに印刷したら切れた……なんてあるじゃないですか。挿入・削除する時に面倒です。1行おきにしないといけないのは、皆さんセルの高さで調整しているのでしょうか。
逐語の表の前後にセクション区切りを入れて、逐語の部分だけ左右の余白を少なくして、1行おきに見えるくらいに行数も減らしています。それが①と②の部分です。
この部分を普通の書式のまま1行おきにしたらしい人は、行間が空きすぎて物凄いページ数になっていました。
③の振り返りコメントは1行空ける必要もないので、段落の設定で行間をむしろ詰め気味にしています。
今キャリコンの方で「スーパーバイズを受けてみない?」というキャンペーンがあり、間に合えば申し込みたいのですが、逐語記録の書式はダウンロードできるようになっていました。産業カウンセラーも所定の書式があったら便利なのですけれど。
例がマニアックでしたが、この「セクション区切り」を使うと、1つの文書で「A4縦→横→縦」なんてこともできるので、横長の図表を差し込みたい時など便利ですよ。セクション区切りを境に段組みにする、みたいなこともできますし。
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私は学生時代にワープロ検定2級を取得したので、タッチタイピング(当時はブラインドタッチ)やスピード(10分で漢字変換後600字)は問題なかったのですが、社会人になって1級に挑戦しようとして腱鞘炎になりました!(当時は10分で900字だったような…)。
検定によっては学内の表彰制度があったので申請したところ、先生には
「おめでとう。今は技能なのが、すぐ”機能”になるかもしれないけど、基礎があればきっと大丈夫よ」
と言われ、確かに苦労してやっていた事がバージョンアップするとキー一つで済む機能になったりもしましたが、基礎は最初に習得して良かったです。
英文ワープロを習う前には「元祖を習得せよ」と、あの、キーを押すとバーが持ち上がってインクリボンを挟んで紙に印字する、英文タイプも使いました。1行打ち終わるとチーン!と戻す、あのタイプライターです。
だから映画『タイピスト!』は懐かしかったです。
あれはあれで、好きな位置に打てるので便利なのですよね。
ジュエリー業界にいた時には現役で使っていて、裸石を包む一番外側の紙には、石の名前とか石目(キャラット数)とか打っていました。一度折った紙や封筒にも打てるから、本当に便利で。
脱線しました。そんなこともあってWordは適当に使えていたのですが、数か月間の派遣社員生活を送っていた時に、派遣会社の福利厚生を使い倒すべく、Word、Excel、Accessの講座を受けまくって自分のレベルを確認しました。
Microsoftの公式テキストを使っての講座だったので、体系的に網羅されていてわかり易かったです。「できる○○」シリーズ(本)なども良いかと思いますが、講師が仕事に使えるちょっとした裏技も教えてくれたので、役立ちました。教えるプロに一度習っておくと違いますよね。
もうひとネタあったのですが、長くなってきたのでまた今度。