【宝石】タンザナイトだけじゃない! ゾイサイトの魅力
12月の誕生石、タンザナイトは美しいですね。
【復習】
タンザナイトは、ゾイサイトという鉱物種のうち、透明のブルー~バイオレット~ブルーイッシュパープルのものを言います。
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はい、ではゾイサイトとは?
発見者である収集家ゾイスの名にちなみます。1805年にオーストリアにて発見されましたが、この時はピンク系の褐色不透明鉱物だったため、長い間宝石とはみなされていなかったそうです。和名は黝簾石です。
鉱物展で目にしやすいとしたら、このルビーインゾイサイトでしょうか。
グリーンの部分がゾイサイト、赤い部分にルビーが含まれます。
これは二度目のTucsonで買いました。標本っぽいのが良かったのですが、綺麗なのは高かったので、謎のビーズ加工で。
「アニョライト」は産地タンザニアのマサイ語です。
“アニョリanyoli”(緑の意)+“ライトlite”(石を表す)=アニョライト
で、「緑の石」という意味になります。
では、これが透明だとどうでしょう?
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二度目のTucsonの後で、タンザナイトの色以外の透明石も流通していると知って残念でした。Tucson前に気づいていれば探せましたし、持っていそうな業者さんを知っていましたから。
いつも行く希少石に強い問屋さんに何度か顔を出した結果、ある時にはあるものです。ちょうどアフリカから買い付けた直後だったそうです。
なんともいえない、良い色でしょう?
多色性を二色鏡で見たところ、褐色と、ブルーグリーンと、渋いグリーンでした。
グリーンを買った時にいた子が、帰宅後もどうにも気になりまして、後日お迎えに上がりました。特に希少石は、一度逃すと二度と出会えなかったり、二度目はお値段がピン☆と跳ね上がっていたりしますので……言い訳ですが真実ですぞ。
多色性は、パープルとピンク、それに褐色がかったグリーンでした。パープルの中にピンクがあるのはわかるとしても、褐色がかったグリーンも存在するとは不思議ですね。
パープルをお迎えに行った時、やはり前回気になったピンクもお迎え。
腰が深いので、場面は狭めかもしれません。
腰は石の深さ、場面はテーブル面の広さで、業界ではこんな言い方をします。キャラットは石の重量ですから、ラウンドブリリアントカットでもない限り、大きさはわからないものです。
豊富に流通している安価な石なら美しいプロポーションにカットできますが、その分、削り落とす部分が多くなるわけです。宝石は歩留まりが大事ですから、特に希少石は多少のプロポーションには目をつぶります。
こんな淡いピンクでも、二色鏡ではやっぱり褐色がかったグリーンが見えました。光って面白いですね(色は光です)。
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さて、久しぶりの宝石シリーズでしたが、いかがでしたでしょうか。
グリーンはリングにちょうど良いサイズではありますが、デザインが降りてこないので、時々眺めてニヤニヤするぐらいです。
詳細データを知りたい奇特な方はこちらへ(→拙ブログですが)。