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三井記念美術館の近くに、通っているクリニックが2つあります。今年は茶の湯の展覧会と、9月からのバーミヤン大仏だけでも観られればと思っていたら、ちょうどチケットを頂いたので受診前に観てきました。この辺りは商業施設が地下で繋がっているので、猛暑日には移動が楽です。

ここでチラシを頂いて、と。

あ、次のチラシもありますね

むむ!?なんですか、このイケメン!?

私の中でのイケメン像№1はカンボジアのジャヤヴァルマン7世でしたが……9月が楽しみであります。

さてさて、この場所は三井タワー側。ここから少し階段を上がって左へ行き、重要文化財である三井本館のエレベーターで7階に上がると三井記念美術館です。

美術の遊びとこころⅧ
五感であじわう日本の美術

2024年7月2日(火)~9月1日(日)
10:00~17:00
三井記念美術館にて

五感を活用して美術を楽しむ趣旨で夏休みにぴったりだと思いましたら、『日本の古美術や、日本で受容された東洋の古美術に親しむことを目的に、夏休みに合わせて企画している』のがこの「美術の遊びとこころ」シリーズなのだそうです。

イヤホンガイドを聞きながら、神妙な面持ちで鑑賞していた坊ちゃん、これで宿題が一つ終わるのでは?

収蔵作品ということもあってか、全て写真撮影可能なのが嬉しいですね。
全てガラス越しですので、ライトなど映り込んでしまうのはご容赦を。

Ⅰ.味を想像してみる

食材や食器類です。食器類は、美術館に収蔵される前には実際に使用されていたものだそうです。よくぞ残して下さいました。

《伊勢海老自在置物》高瀬好山製
明治~昭和初期 19~20世紀

触覚や脚、腹部が動かせるもの。明治の超絶技巧展にもこの海老や蛇が展示されていましたね。

《染象牙果菜置物》安藤緑山作
大正~昭和初期 20世紀

これも超絶技巧展に出ていましたよね。象牙の彫りもさることながら、この着彩の見事さよ。

《四季草花蒔絵懐石道具》象彦(西村彦兵衛)製
明治~昭和初期 19~20世紀
《古染付山水図筍向付》
明時代 17世紀

筍!景徳鎮と書いてあった気がします。隣のケース ↓ は遠目に瓢箪かと思いましたら、ザクロでした。

《古染付石榴形向付》
明時代 17世紀
《萌黄交趾釉柏葉皿》永樂保全作
江戸時代 19世紀
《交趾釉兎花唐草文饅頭蒸器》永樂保全作
江戸時代 19世紀

蒸器ですか!下に小さな穴があって蒸気が通るそうです。蓋を開けたら可愛いお饅頭が鎮座しているのでしょうね。

《日出鶴波蒔絵煮物椀》中村宗哲作
江戸~明治時代 19世紀

このお椀で鶴を食べたらピッタリですね、と解説にありました。江戸時代の鷹狩りでは鶴も狩っていましたものね。

Ⅱ.温度を感じてみる

展示室4、大きな展示室です。

《雲龍釜》与次郎作
桃山時代 16世紀

隣に風炉がありましたし、この辺りは熱々ですね。利休が好んだというストンとした形です。

《滝に亀図》円山応挙筆
江戸時代 天明8年(1788)

これは涼しいですね。白い部分はそのまま、滝に見立てて残しています。滝を見上げる亀もまた涼しげです。

如庵(茶室)

如庵も撮っていいんですか!?と狂喜乱舞。掛け軸が七夕だったので、展示毎に替えているのでしょうね。いつもそこまで観ていなかったな、と反省。

Ⅲ.香りを嗅いでみる

展示室4の途中から香りが主題となります。

《水仙図》円山応挙筆
江戸時代 天明3年(1783)

展示室5です。

《五十種香・香箱》
時代未詳
《十種香・錫合子》
時代未詳
《扇面蒔絵香具箱・十種香道具》
江戸時代・17世紀

香りと言えば、歌舞伎仲間の母上がお香を習っていらして、素人でも参加できる会があると誘ってもらった時に、それこそ歌舞伎観劇予定か何か入っていて行けなかったのが心残りです。

その歌舞伎仲間も私も毎月のように歌舞伎座に行っていて、特にいつ行くなどと連絡することはなかったのですが、土日だったのでかなりの頻度で遭遇していました(共に3階の住人)。一度、母上も一緒の時に遭遇して、ご挨拶したなと思い出します。

Ⅳ.触った感触を想像してみる

美術館の美術品は触れないのが残念ですが、確かに感触を想像してみるのは良いですね。

重要文化財《黒楽茶碗 銘雨雲》本阿弥光悦作
江戸時代 17世紀

触りたい№1、光悦作。茶の湯のために作られた茶碗たちは、実際にお茶を点ててみたくもなります。

隣に長次郎の黒楽、銘俊寛もありました。前の『茶の湯』でも展示されていました。残ったから俊寛という命名が粋です。

《柳枝水指》
江戸時代 天保7年(1836)

柳を曲げて、胴に沿わせた水指。しなやかな柳ならではです。

《流釉輪花建水》野々村仁清作
江戸時代 17世紀

えぇ、これ建水ですか。可愛いですね。しかも仁清(にしては落ち着いた色合い?)。

《水晶玉・平目地水晶台》象彦(西村彦兵衛)製
明治~昭和初期 19~20世紀

三井家所蔵のうち最大の水晶玉、約8.9kgだそうです。蒔絵を施した台も素晴らしいです。

宝石鑑別的には、種:クォーツ、変種:ロッククリスタルですね。宝石の重さはキャラットで表し、1キャラットは0.2gですが……さすがにここまで大きいとキログラムでしょうね。

この並びに土佐光起の《鶉図》がありました。”もふもふ” は江戸時代にも人気だったのでしょうか。

Ⅴ.音を聴いてみる

展示室6、小さい室です。

《木菟》小林古径筆
昭和時代 20世紀

ここもまだもふもふの話かと思いましたら、音なので鳴き声でした。

《栗と虫》小林古径筆
昭和時代 20世紀
《昆虫自在置物》高瀬好山製
明治~昭和初期 19~20世紀

こちらも自在置物。ちょっと動かしてみたいですね。下の写真はボケてしまいました。

《昆虫自在置物》高瀬好山製
明治~昭和初期 19~20世紀

ここから展示室7、広い室です。

《酒吞童子絵巻》亀岡規礼筆
江戸時代 19世紀

頼光や四天王の退治ものは大好物。色鮮やかですね。

《青磁二見香炉・銀製二見ヶ浦夫婦岩火舎》火舎:中川浄益(九代)作
香炉:明時代、火舎:明治時代

明時代の青磁に、後から銀などで細工を施しているものは、出光美術館の青磁展でも観ました。国も時代も超えていますね。

Ⅵ.気持ちを想像してみる

展示室7の半分弱が最後の章です。

重要文化財《能面 蛇》
室町時代 14〜16世紀

『道成寺』で使われる面。道成寺といえば安珍清姫伝説、といえば蛇。お能にしろ歌舞伎にしろ、道成寺の時は何か鱗柄(=蛇)を身に着けたくなってしまいます。

あ、気持ちでしたね。安珍は「そんなつもりはなかったのに。こわっ!」?清姫は……「だ~ま~し~た~な~!」。怖い怖い。

《鬼図》山口素絢筆
江戸時代 寛政12年(1800)

こちらは鬼の気持ち。鰯の頭とヒイラギにこんなにも驚いてくれたら、魔除けに飾った甲斐があるというものです。

🍵

何度も観た収蔵品であっても、切り口を変えて観るとまた面白いものですね。

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