【展覧会】バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ─ガンダーラから日本へ─
楽しみにするあまり、コラージュにまで写真を使ってしまった展覧会へ、いざ。
特別展 文明の十字路
バーミヤン大仏の太陽神と弥勒信仰 ─ガンダーラから日本へ─
2024年9月14日(土)~11月12日(火)
10:00~17:00(入館は~16:30)
三井記念美術館にて
東京で初公開となるのが、バーミヤンの大仏の石窟にあった壁画の描き起こし図。残念ながら、2001年3月にイスラム原理主義組織タリバンによって大仏と壁画は破壊されてしまいました。このニュースには大変ショックを受け、憤りを感じたのを覚えています。破壊前に行われた調査時のスケッチと写真があって、このように残せるのはまだ救いなのかもしれませんが……。
東大仏の頭上には、ゾロアスター教の太陽神ミスラの姿、一方西大仏の周囲には、弥勒が住まう兜率天の様子が描かれていたと考えられているそうで、頭上のこの辺りにこの絵、という説明パネルがありました。
館内は撮影不可、構成はこんな感じです。
展示室1
東大仏と太陽神Ⅰ
展示室2
野中寺 弥勒菩薩半跏像
展示室3(如庵)
東大仏と太陽神Ⅱ
展示室3
バーミヤン遺跡の調査記録Ⅰ
展示室4
東西大仏壁画 描き起こし図
西大仏と弥勒信仰Ⅰ─インド①─
玄奘三蔵
西大仏と弥勒信仰Ⅱ─インド②─
展示室5
西大仏と弥勒信仰Ⅲ ―中国・朝鮮―
経典と図像
展示室6
バーミヤン遺跡の調査記録Ⅱ
展示室7
日本の弥勒信仰
前回は七夕の設えだった如庵は、今回は小さな展示室として使われていました。コラージュにまで入れてしまったイケメン弥勒菩薩像は、展示室4です!
また、この展示室には玄奘三蔵についても展示されていました。630年頃にバーミヤンを訪れていて、旅行記『大唐西域記』には二体の大仏を含めたバーミヤンの信仰の様子が書かれているそうです。『西遊記』の三蔵法師としてお馴染みですが、実在したのだなぁとしみじみ思ったひと時でした。
そして、アジアの弥勒信仰から日本の弥勒信仰へと移ります。
え、釈迦入滅後の56億7千万年後……その頃、地球はありますか?地球とかなんとかを超えて、もう観念の世界なのでしょうか。
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入場が16時過ぎだったので「17時までですがよろしいでしょうか」と確認されました。大丈夫、ここは大体30分コースです。ショップも17時までですので、お買い物のある方は要注意です。
初めて見た地図カードを購入。特別展は図録しかなかった気がします。
このショップはいつもお香の良い香りがするので、会計の時に言いますと
「新しいお線香のタイプも入ったんですよ」とニコニコ。
ショップから出てチラシなどが置いてある辺りで、映像の案内が目に入りました。レクチャールームで10分ほどの映像を流していました。
アフガニスタンの中央部を東西に走るヒンドゥークシュ山脈にあるバーミヤン遺跡。約1.3kmにわたる崖には、東西に高さ38mの「東大仏」と高さ55mの「西大仏」がそびえ立ち、800近い石窟群が掘られていて、仏教の石窟もあれば居住用もあったそうな。2,500mの高地が交通の要所で文明の十字路というのは、行きも帰りも大変ですねぇ。
この1.3kmにわたる崖はバーミヤン大磨崖と呼ばれ、ドローンで撮影された映像でした。タリバンが破壊した磨崖仏は当然今はなく、悔しい限りです。
磨崖はふだん使う言葉ではないので、魔窟に見えてしまいました。
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東京駅周辺美術館共通券を全部使いました。
各館で年に1つ位は観たいものがあるでしょうから、これはお得でした。来年は三菱一号館美術館が復活、出光美術館が休館です。
ここ!という美術館があれば年間パスポートを買えば良いのですが、あちこち見たくて……となると、この共通券は良かったです。ぐるっとパスになかなか手が出せないのは、「使い始めた日から2ヶ月間有効」という短さなのですよねぇ。
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