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カウンセリング技法もいろいろあれど、傾聴するしかない時もあります。

「とにかく話を聴いてほしい」と入電があった時のことです。では、とことん傾聴しましょう。

聴いていて、誰かの記録で読んだケースだとわかりました。何度もかけてきている人です。お話を伺っていて、確かに聴くしかないなと思いました。

発端となった出来事がかなり前で、行政や弁護士など相談できるところにはしているのです。時効も過ぎて今はどうすることもできず、でもわだかまりが残ったままのようでした。

理路整然と話すのが苦手な方のようで、話が行ったり来たりします。そのことについて「端的に話すと伝わるのでは?」とアドバイスした相談員もいたようでしたが、もう終わった話でアドバイスは無用だったのですね。

「この話をしてもなかなか信じてもらえなくて」ともおっしゃっていました。どう言って信じてもらえなかったのか、それはわかりません。ただこの方が「なんか信じてくれてないな」と感じたことは事実なのでしょう。

できる手は打ってきたという点をコンプリメントし、「なかなか伝わらない」「話をうやむやにされた」というもどかしさを中心に、共感的に傾聴しました。そろそろ目途の1時間、どうやって終結しようかなという頃にご自分から「きちんと聴いて頂いてありがとうございました」と切電されました。

何度も話すことで、ますますこの方の嫌な記憶が強化されていないだろうか、それは懸念点です。医療には繋がっているようでしたので、私にはやはり聴くことしかできなかったのかなと思いますが。

#傾聴 #産業カウンセラー #電話相談  

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