カジュりんごの制作動画をご覧頂くにあたり
カジュりんごの制作動画が公開されました。
決して解説ではありませんが、私なりに「おぉっ」となったポイントを挙げていきたいと思います。
なんと。ジュエりんごのようにキャスト(鋳造)上がりからかと思ったら、金属を溶かすところから始まりました。ということは、原型制作ですね。
棒状にした銀を焼きなまして叩いて、ローラーにかけて板にして……板から切り出したとは聞いていましたが、板も作っていました!一筆書きのように糸鋸で切り出したのではなく、軸と葉の部分は別だったんですね。これはこれでバランスが難しそうです。
ローラー(1分33秒~)を作れる職人さんがいなくなってしまったそうです。上下のローラーの溝を合わせるのは、凄い技術だそうで。「海外製はこういう所が今ひとつ」なんて話を聞くと、失ってわかる日本の技術力よ、と悲しくなります。アンティークジュエリーのように、失った技法や道具はまだまだあるのだろうなと想像します。
それで、りんご本体と軸・葉をロウ付けするところですよ(5分35秒~)。葉と果実を一緒にピンセットで挟んでいますが、私だったらパチンと弾いてしまいそう……さすが職人300年の味(ちょっと盛りました)。
そして、丸カンも作っていますね。これ、ジュエリースクールの先生が以前嘆いていました。
「若い子たち、安いからって丸カン買ってきちゃうのよね、中国製の。自分で作れば工賃ゼロなのに、買ったら練習にもならないじゃない?中国製を買ってしまうことで、巡り巡って自分たちの仕事を奪っているって気づかないし、言ってもピンとこないみたい」と。
丸カンのロウ付けが終わったところで、原型完成です(7分57秒~)。ピッカピカです。
さて、これは裏話ですが(でも書いちゃう)原型ができたらそれを元にゴム型を作り、次回からはゴム型に注入したワックスをキャスト(鋳造)していくことになりますが、先にシルバーでキャストしてダイアの留め方を検討しました。
動画はこの ↑ 時の3種類かなと思いましたら、同じ留め方だったのでK10のキャスト上がりだとわかりました。
ジュエりんごの制作動画はプラチナと、K18イエローゴールドとピンクゴールドですので色がはっきりわかりますが、K10はやはり金の含有率としては少ないので、さほど色の違いはないのですね(後でメッキをかけると際立ちますので、お手元に届く時は問題ありません)。
宝飾師氏が半袖になったところからが、K10カジュりんごの仕上げです(8分6秒~)。
キャストする時には、金属が流れるようにワックスで道を作るので、へその緒みたいな湯口がついています(長い部分は切ってくれるのですが、端が残っています)。まずはこの湯口を取っていきます。
全体を磨いて、ダイアを入れる部分に穴を開けて、バフをかけます(12分40秒~)。
そして、ここ!(13分21秒~)手作業のつや消し加工(梨地仕上げとも言います)は初めて見ました。ガーネットの粒を使うとは聞いていましたが、こうやるのですね。
今はもう、このような手作業をする人がほとんどいなくなっているので、このガーネットも手に入らないのだとか。
機械でガラスを吹き付けたつや消しは絹のような風合いで綺麗ですが、ガーネットの不規則な粒でついたテクスチャーは唯一無二な感じがします。
ヤニ台を熱してダイアを留めていきます(13分54秒~)。ハイライト!
3つ並んだりんごが可愛いですねぇ。
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