はじめに
短い物語を書きました。
書こうと思ったきっかけは、ある方が書かれたとても悲しい記事です。
その方はお子さんを亡くされ、生きる希望を見いだせないとのことでした。
何か声をかけて差し上げたいと思いながら、私はかける言葉を見つけられないでいました。
その言葉を見つけられたわけではありませんが、なんとなく、自分がその方に伝えたいのはこういうことだろう、というのがわかってきました。
と、結局うまく説明できないのですが、そんな物語です。
海辺のできごと
泥人形の物語
あとがき
私と妻のもとに来てくれた最初の子は、妻のおなかの中で亡くなりました。
その次に来てくれた子たちも同じように、妻のおなかの中で亡くなりました。
最後に来てくれた子は無事に生まれ、当記事を執筆時点で小学生です。
彼らには、私を父親にしてくれたことや、幸せな時間を与えてくれたこと、感謝しています。
あの子たちには、単語の意味通りの”人生”は無かったですが、妻のおなかの中で幸せな時間を過ごしてくれていたはずだと、信じています。
私が彼らにしてあげられたことはほとんどありませんが、私もいつかはただの砂に戻って、あの子たちと一緒になれます。
その日まで、目に見えるものや肌で感じられることを、一つ一つ大事にしていこうと思います。
さいごに、いつかあなたの心の波がおだやかになること、あなたの目に素敵な夕日が映ることを、お祈りしています。
※なお、上記の物語は「DEATH 死とは何か(シェリー・ケーガン著)」という本の中で紹介されている泥人形の行(「猫のゆりかご(Cat's Cradle)」という本の中の一節とのこと)から着想を得ています。
ほとんど原型を留めていませんが、一応補記しておきます。