Vtuber,Vliverの収益構造について考えてみる
これは何か
思考を広げようと拡散している記事です。
マーケ施策、コンテンツの作り方等は別途記事書くかも。
この段階ではVtuber、Vliverなのかも決めてません。
Vコンテンツをつくるうえで、どのプラットフォームに注力すべきかを探してます。
※注
ビジネス寄りに書いている記事になっております。
読み方によってはファンをお金としか捉えていないように見えるかもしれませんが、正直Vtuber,Vliver共にお金を出していただけるファン有りきの存在です。
ただ、安定した収益を上げることは、そういったファンの方に対して長くコンテンツを提供(配信を長く続けることができる)できることにもつながります。
配信者、ファン両方にしっかりメリットがある仕組みをつくることが事務所や配信者側の義務だと思っております。
私はだれか
27歳一般通過社会人。
直近2年ほどライブ配信事務所でライバー(リアル、V問わず)のマネージャーや、マネージャーチームのKPI管理設計をしていました。
現在はITスタートアップでCSOps業務。
CS系業務をトータル6年程度経験。
コミケ出展してるようなサブカルオタク。C99も出展してます~。
収益(売上)の構成要素全体像
言わずもがな、売上の構成要素は
売上=単価×数(新規+既存)
Vコンテンツで考えると
売上=単価×人数(新規+既存)
要するに、お金を払ってくれる方何人(人数)×何にいくら払ってくるか(単価)という式になります。
単価
まず単価。
直接売上になる内容物を列挙してます。(コンテンツ種類は無限にあるのでひとまずわかりやすいものをリストアップしました。)
大分類は以下の通り
配信時給
広告収益
投げ銭報酬
IPコンテンツ
企業案件
行政案件
配信時給
【メリット】
配信しているだけで報酬になる
【デメリット】
いつ時給がなくなるかわからない
時給がある媒体が限られている
Vliverとして活動する場合、アプリによっては時給が発生することがあります。ただ基本的にはアプリ側が配信者集客の為にかけている予算であるため、運営の匙加減でいつなくなってもおかしくない部分です。
実際、リアル配信アプリ、V配信アプリ問わず、リリースして間もないころは時給が発生していても、配信者、リスナーの集客費(CPA)がさがってくる(アプリが有名になって自然と人数が増えるようになったら)と、時給は削減もしくは無くなることが常です。
※高い条件付で時給案件が残ることもあります。
例えば、1か月〇時間以上配信 かつ 〇円以上投げ銭等
これは基本的に他のアプリからTOP層を引き抜く手段(武器)として用意しているものです。
とにかく、いつなくなるかわからない部分に全力betするのはナンセンス。
これらを理解したうえで、
『短い期間で一気に稼ぎます!』という個人の方
『アプリ側の時給分の予算(CPA)搾り取るぞ!』という事務所
これはこれでありだと思いますが、
長く収益を維持して、長く活動してもらうことを考えると、配信時給を重視しすぎるのは辞めたほうがよい。
広告収益
【メリット】
比較的安定的に報酬が入る仕組みである
配信をできない期間があっても一定の報酬が入るようになる
【デメリット】
収益化条件達成がそもそも難しい
だれもが目指しているであろう、YOUTUBEの収益化。
条件は以下の通り
直近12ヶ月の総再生時間が4,000時間以上
チャンネル登録者数が1,000人以上
18歳以上であること
広告掲載に適したコンテンツであること
Vの参入が激しく、毎日Vtuberが生まれている昨今。
収益化条件の達成も難しく、収益自体も減少傾向にありますが、
それでも動画をしてコンテンツ詰みあがっていく収益構造は魅力的。
配信しなくなると0になる投げ銭(後述)に比べて、いくぶんか収益の予測が立てやすく、企画に掛ける予算の策定もしやすい。
ただ、さきほどから述べている通り、収益化条件の達成までにはある程度時間が必要となるため、事業として取り組む場合は、初期の資金ショートが懸念点。
また個人として取り組む場合でも、1銭も懐に入らない期間が長いとモチベーションが続かなくなるということも良く耳にする話。
※最初はコメントをもらうだけでうれしかったが、半年続けてたらそれも慣れてしまった。という話を聞いたことがある。
初動の重たさを考慮すれば、狙っていきたい部分。
投げ銭報酬
【メリット】
スーパーチャットはアッパーが青天井
収益になるまでの期間が短い(すぐ収益が発生する)
【デメリット】
スーパーチャットはもらうこと自体が難しい
配信ができないと1銭も収益が入らなくなる
各プラットフォームでリスナーに直接金銭(スパチャやアイテム)を投げてもらい、その金額の何割かが収益になる部分。
プラットフォーム性質で分けてざっくり2通り
Youtubeの投げ銭(スーパーチャット)
アプリ媒体の投げ銭(IRIAM、REALITY等)
世界スーパーチャットランキングで上位に名を連ねている超TOP層のVtuberは年額数千万の投げ銭があるような世界。
ランキングを調べると、にじさんじやhololiveのVtuberの名前を目にすると思います。
最初からこの額は無理ですね。この額どころか、大手事務所所属以外のVではまずスーパーチャットが飛ぶこともありません。
人気商売の行きつく先の1つ、として頭の片隅において、他の活動を進めていくことが良いはず。
また、ライブ配信アプリ(IRIAM、REALITY等)では、この投げ銭が主な収入源となります。
Youtubeと比べて額は非常に少なく、TOP総でも月間50万程度とされています。
個人として活動する分にはアプリ媒体の投げ銭でも報酬として十分かもしれませんが、事業として取り組む場合にはポートフォリオ内で単独で走れるほどの額はありません。
※事業拡大するつもりがなく、配信だけに特化する場合はこれだけでも問題ないかもしれません。
配信アプリの良い点としては、配信を始めた月から報酬が発生することです。
配信1か月目で5万程度、配信2か月目で10万~20万程度の報酬であれば十分目指すことができる範囲です。
IPコンテンツ
【メリット】
YouTube等のプラットフォームに中間マージンを取られない収益化が可能(メンバーシップ除く)
プラットフォームの方針転換による収益減少がない(投げ銭からの還元率下げます!とかyoutubeに広告がつかなくなっちゃった等)
サブスク型の収益構造を構築できる
【デメリット】
コンテンツの制作コストが大きい
グッズ
物理(フィジカル)、デジタル問わず、コンテンツを制作して販売するモデル
物理的なグッズはもちろんのこと、デジタル商品でも基本的には収録や編集などある程度の原価がかかる。
コンテンツビジネスにおける物販は、メインコンテンツの人気で売れるものであるため、最初から狙うというよりはエンドコンテンツ向きである。
デビューの最初から制作するのではなく、ある程度のファンがついてきてから、ファン一人からの収益単価を上げる目的で用意していきたい。
ファンクラブ
個人的には一番推してる。
you tubeの広告収入と同様、毎月安定した収益を作ることができる。
『1:5の法則』という用語で知られている通り、新規顧客に販売するよりも既存顧客に販売する方が、販売にかかるコストが1/5で済む。
ファンクラブコンテンツで考えると、新規登録を増やすよりも、すでに有料登録してもらっている人に翌月も課金をしてもらうほうが簡単だということ。
このへんは想像しやすいはず。
また、プラットフォームを挟まずに収益化ができ、売上の予測も立てやすく、戦略の幅も広い。
ファンひとりあたりの収益については下記公式で算出が可能。
LTV = ARPU(一定期間の売上/ファン人数) × 平均継続率(1/解約率)
※LTVをざっくり日本語にすると……
獲得したファンがファンクラブ有料登録を解約するまでに使っていただけるお金
これが算出できるとLTVに見合う形で、コンテンツ制作や広告に費用を投下できる。
ファンクラブ内で限定グッズ等の販売もできるため、ほかコンテンツとのシナジーも良い。
イベント
『イベント』というと、大手事務所大人気Vのコンサートイベント等、大きな会場で大々的なイベントを想像するかもしれませんが、個人Vや小さな事務所でもイベントを開催している方(事務所)もあります。
ただし、小規模イベントの場合は、チケット代の上限をいくら上げたところで単発の収益でしかなく、どちらかというと、ファンや所属Vの満足度向上、ロイヤリティ向上のための施策であることが多い印象。
企業案件・行政案件
行政や企業案件としては主に商品やイベントのPRを受けるイメージ。
これらも、最初から狙って事業を進めていくというよりは、地力がついてきた先のスポット収入、知名度の起爆剤としてとらえていてよい。
人数
続いて人数。
大きく2つ。
新規人数と既存人数。
わかりやすい。
どんなビジネスでも基本。あたらしいお客さんをたくさんいれて、常連さんが離れないようにする。
これをVコンテンツでも行います。
前述の【ファンクラブ】の分部でも触れた通り、新規を増やすより、既存を継続させた方が簡単です。
とはいえ、デビューしたばかりのVtuber,Vliverに”既存”はいません。
まずは新規獲得に全力で取り組みます。
新規獲得
SNS獲得
デジタルマーケティングの基本中の基本です。
※SNSは無数にありますが一旦有名どころだけ挙げてます。
基本的にはメインとなる活動プラットフォームに導線をつくる形でSNS運用していきます。
新規獲得としてのSNSですので、人の目に触れる回数が多ければ多いだけ良いです。
ここ数年はTikTokからバズるコンテンツが多く、TikTokからYoutuberになる方も多いです。リコメンドエンジンも優秀で、興味を持ってもらえるユーザーに動画が多く表示されるため、新規のファン獲得にもつながりやすい。
余力のある範囲で『TikTok⇒メインプラットフォーム』『twitter⇒メインプラットフォーム』という導線を作っていきましょう。
ちなみに……
TikTokのおすすめロジックは下記の通り
再生回数
総再生時間
動画を最後まで見られた回数
コメント開かせたり、リンクコピー云々はその間も動画は再生しているという扱いを受けているからだとされています。
言わずもがな最注力。
PF(プラットフォーム)内獲得
MECEを意識して書き出したものの、プラットフォーム内だけでの獲得は正直しんどい。
youtubeのオーガニック検索はまず新規流入ないし、配信アプリ内でも大量流入は望めない。
もちろん配信アプリ側もそのあたりは対策しており、おすすめ欄に表示させてくれたり、配信カテゴリー別にタブ表示を分けて、初見が入って来やすいような工夫がされているが、そもそも他SNSと比べて、配信をしている時間ピンポイントで該当するアプリを開いているユーザー数は少なく、新規獲得の文脈ではなかなかにしんどい。
既存定着
SNS定着
SNSフォローだけのファンを”定着”と呼べるかどうかは置いておいて、とにかく一見の方を常連さんにする動きは必要。
とにかくフォローしてもらい、何度も自分のコンテンツを見せることによって、本当に届いてほしいコンテンツに誘導していきたい。
ライトなリスナー(課金なし)から、熱量を上げていきコアなファンへと転換を狙う層。
配信PF内定着
投げ銭収益にダイレクトにつながる層。
配信PF内での新規獲得は前述の通り厳しいため、SNS獲得したユーザーを配信PFに誘導したい。
SNSよりは熱量が高いファンが多いのではと仮定したうえで、配信PFからファンクラブへつなげたい。
ファンクラブ定着
【単価】側で記述したので詳細は割愛。
『配信しないと収入0』というプレッシャーからなるべく早めに配信者を開放してあげたいんで、積極的に取り組みたい。
ファネルとしてはおそらくこんな感じ……
SNS⇒配信PF⇒ファンクラブ
SNS⇒ファンクラブ
配信者によって、歌が歌えたり、雑談がうまかったり、得意な領域が違うので、各CVR見ながら成績の良い導線を配信者ごとに探すイメージ。
まとめ(現段階の個人の見解)
SNS新規集客(人数)×配信PF(単価※投げ銭)
で活動しながら
SNS新規集客(人数)+ファンクラブ定着(人数)×ファンクラブ定着(単価)+広告収益
を目指していくのがいいのかな、と思ったりしてる。
初動は収益化の早い配信アプリ系からスタートして、コンテンツを蓄えながら徐々にサブスク型のビジネスに移行していくイメージ。
収益が安定すれば、配信者を推しだす広告費も、グッズ製作費や3D化費用なんかにもガンガン投資できる。
資産や個人のアセットによって戦略を組み立てていくと良いと思います。
私はたまたまサブスクモデルの管理とグロースが得意なのでこういった方針を取りやすいというだけです。
以上!