舞夜物語 vol.7
七福神の酒席
数年前の秋のこと
ふと思い立ち信貴山へ夕方向かった
丁度日暮れ前 黄金色に揺れる大銀杏に圧倒され
ただただ見上げるばかり
ふと帰路に向かおうと足下一面に続く黄葉の絨毯
特別な気分に浸る足取り
駐車場へ向かう途中の休憩所の木造の佇まいについつい引き寄せられるまま その戸の内部にある
其処彼処の今では用済み扱いの古い看板や建具
装飾品の数々に妙におっかなくも好奇心が勝って
ほんの少し 探検家気分を味わった
そんな中に
酒席に興じる七福神の姿を見かけた
私はその光景は初めて出逢ったのだが
そもそも 七福神の酒席の構図は
古からポピュラーなものだったらしい
今年のコロナ下で
#stayhomeと謳われ始めた頃から
時どき思い浮かぶこの写真
年末にあたりもう一度 思い浮かぶ
今ではこのような酒席は自粛が社会マナーだが
そのことは度外視して
この七福神の酒席の場景は
ある種の癒しを齎すと感じる
人と云ふもの神と云ふもの
赦し赦され人を知る また道行く人となりけり