「手紙に書いてあった住所はたしかにここなんだよな。」 女の子はスマホを頼りにこの家までたどり着いた。しかし目の前に見えているこれは家なのか？大きいマリモのようなこの家の壁には、蔦と草が三つ編みになり屋根までもこもこなっている。窓もドアも見当がつかない。ニュースでやってた空き家問題のイメージの方がもっとマシだ。林を歩いてきたが、ずっと人の気配はない。 「引っ越したのかな。ここまで来た意味ないじゃん。帰ろ。」 そう呟いてたくせに彼女はドアを探し始めた。
子どもの頃、愛してもらえなかったから、愛してほしいと無償の愛を求めてたんだけど、子ども産んだ後。無償の愛を子供からもらうと思ってなかった。
妊娠に気づいた時、酒を毎日飲んでいた上に27連勤中。人生で最もお酒を飲んだし、最も働いた月だった。 変化としては、とりあえず時になし。違和感もない。ただ、精神的にハンディキャップがある。運動が好きな人は、できないもどかしさがある。 すぐくるつわり。もう目が覚めたら常に気持ち悪い。気持ち悪い。 相性のあう食材を見つけるべき。私はりんご。ばりそば。 大好物だったチキン南蛮は吐いた。 毛が生えてくる。永久脱毛したのにも関わらず。ゴリラくらい。モサモサ。お腹にも生える。人生で生
こんなに可愛い生き物だったんだ。赤ちゃんって。 目に入れても痛くない。確かにそうだ。この子のためなら思いつくかぎりの残虐なことをされてもいいと思える。そしてこの子の身に何かあれば、私はどんな手を使ってもいいと思う。それが我が子という存在だ。2月冬な寒い日に入院し、穏やかな温かい白く眩しい日に退院した。古いかもしれないが、こはると名付けた。2月２６日の日曜日に生まれた。名前はこはるか、せいなの二択まで絞っていた。私的には最初からこはる一択だった。だからパパが賛成してくれてほん
金曜日午前３時微弱陣痛開始。微弱とは思えないくらい痛い。 ９時まで待って、産婦人科受診。子宮口1cmしか開いていないため、一度帰るか、このままお産が進むのを待つか選択するよう言われる。 この時期はコロナの影響で面会は禁止、お産が始まるまでも面会禁止だったため、一度帰宅することを選択。 帰宅せず、ゆめタウンに行きミスドを買う。 タリーズにいきコーヒーとホットドックを買う。 家に帰り、だんだん痛くなるが、先ほどのこともあり耐える。 午前３時になり、耐えられなくなり、再受診。
