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国宝指定 通潤橋
こんにちは。
大雨による河川の氾濫で、何か手伝いがないか、と熊本の実家に帰っていました。
幼少期に遊んだ川が荒ぶり、実りを待つ稲穂と田圃を無慈悲に飲み込んでしまいました。
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田圃には大きな岩が転がり、今年の収穫はできないそうです。自然には敵いません。
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ちょうど蛇行しており、畦道を浚っていってしまったのです。この畦道には、自然石の石積みがあります。聞くところ、過去の水害で流された時に先人が石を積み上げて補強したのだとか。似たり寄ったりのコンクリートではなく、歪な形の自然石です。重機などない時代でしょうから、想像できないくらい大変なはずです。
先人の苦労をやすやすと飲み込んでしまう自然の脅威。自然との調和の中で生きる人間の宿命でもあります。
この畦道を走り回っていた幼少期の記憶は普遍ですので、それを糧に新しい日々を送ることになると思います。
町内には、幾つも崩れているところがあり、復旧には時間がかかるようです。やむなし。
さて、石積みについて。
先ほど、石積みについて触れましたが、私の実家の街には「通潤橋」と命名された石橋があります。
小学校の時から通潤橋の歴史を学び、愛着をもっていました。1854年、水不足に悩む大地に水を送るため、布田保之助氏によって作られた日本最大級の石造りアーチ水路橋です。水路内の塵を排出するために行われる、アーチの中央からの放水は豪快です。
その通潤橋が国宝に指定されました。地元出身者としてとても嬉しく思いつつも、又国宝の価値があることを知らずに石橋の上を歩いていた過去に悔恨します。
もう少し、尊い文化財として見るべきでした。
申し訳ありませんでした。
そんな国宝に湧く通潤橋ですが、課題も山積みです。近隣の宿発施設(国民宿舎)が閉業し、新しい企業の誘致中。つなぐ棚田遺産に登録された白糸大地の棚田が休耕田になった、などなど・・・。
65歳以上の高齢者が半分を占めている町です。
将来的には、地元と関わり合いを持ちたいと考えていますので、緒を模索中であります。
今回、土砂が流れ込んだ用水路の改修と畦の草切り、実家の手伝いをしつつ夏の濃い草木の匂いに身を包まれて日常を過ごしました。
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撮影者 花子出版
では!!
花子出版 倉岡
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