見出し画像

機内誌を読んで。 自動運転の先に

こんにちは。

飛行機に乗りますと、必ずと言っていいほど機内紙に目を通します。文庫本を持っていきますが、文庫本の箸休めに目を通します。魔女の林檎のようなものでしょう。

先日、興味深い記事がありましたので、ちょっと拝借。飛行機の自動運転について、現役パイロットである瀬川武史氏が書かれています。


飛行機の自動運転には、いくつか高いハードルがあるようです。
先ずは、安全面。空には中に入っても揺れない雲や、近づくだけで危険な雲などがたくさん浮かんでおり、ウェザーレーダーだけでは不十分。
機内サービスやお客様の状況確認は、数値化することが難しいため、コミュニケーションによって状況把握をされます。
そして、意思決定能力。想定外の事態が発生した場合「飛行の安全を守るため、必要に応じてマニュアルや規定を超越した措置を取ることができる」とされています。映画化された「ハドソン川の奇跡」に、意思決定能力の卓越さが記録されているように、意思決定能力は現在の自動運転では難しいものです。
一方で、自動運転と違い、人間は錯覚やエラーを起こしやすのも実情です。ですので、AIと人間の相互補填が大切なのではないでしょうか。瀬川武史氏が28年前に訓練所に掲げてあった「操縦は人格なり」という言葉の奥深さを、かみしめていらっしゃるとのことで、記事が終わりました。


画像1


AIや自動運転という言葉は、よく耳にします。
自動運転・・・。確かに便利です。もし自動運転できるならば、移動中に小説を書くことができます。
しかし、移動時の経験がなくなり、道中の物語は消えさり、物語は単調になる可能性は大いにあります。例えば、ヘルマン・ヘッセの「知と愛」。主人公のゴルトムントの放浪が物語の焦点ですから、全て自動運転に置き換えると、味気ないものになります

何かが生まれる時には、何かが消えるのは人間の運命なのかも知れませんが、自動運転中の車内で、果たして僕らは何をするのでしょう。文化水準を高めることができるのかなあ、と懐疑的に受け止めてみたり。



花子出版     倉岡




いいなと思ったら応援しよう!

花子出版 hanaco shuppan
文豪方の残された名著を汚さぬよう精進します。