見出し画像

前衛書家として思う事【5】

こんにちは。前衛書家の本田英之です。
今回は【日本人が手先が器用でなくなると日本文化はなくなる】という話をしたいと思います。

日本人は手先が器用なのはなぜ?

そこには理由があります。日本人が日常的に習慣でやってきた事が器用を生んでいたのでないかと。思うんです。

箸で食事をし、筆文字文化、日本語という文字を書く事が大きく関わっている。日常的に使う日本語の文字数は漢字、平仮名、片仮名合わせて約3000字。それに対して、アルファベットは26字、小文字を足しても52文字。
この差が大きい。
それに、漢字はアルファベットと違い画数が多い。また、1画多い少ないで意味が変わる。ここで些細な違いにも気付く。

今の日本人は?

普段から箸で食事をし、筆で手紙やメモを取る事をしていた日本人が。
今はどうでしょう?
箸は使っているが、洋食を食べる事も多くなり、ナイフとフォーク、スプーンを使って食事をすることも多くなった。実際、箸が正しく持てる人は3割だと言う調査もある。
筆文字に関して言うと、ほぼ非日常になっている。箸と違い、筆を持つ環境はもう日常には存在していない。書道教室や筆を持つ事を意識した生活や時間を作らないと筆文字を書くことができなくなっている。まして今では、パソコンのキーボードを叩き。スマホに喋りかけている。

危機感を覚えないのはまずいのでは?

色々な技術が生まれ、どんどん便利になっていく。
これからの世の中は、自分の興味のある事に時間を使い、それ以外の事の多くはAIに任せる時代です。いや、もうそうなってきています。
箸も筆も指の微妙な加減でコントロールする道具です。この道具を使いこなすと言うのは実はとても難しい事です。

これは、どう言う意味かと言うと。
インターネット、人工知能などの様々なテクノロジーの進化によって、便利に簡単になった。そして人間は便利を理由に今出来る事もロボットに任せる様になる。
今、日本人なら習慣で誰でも出来る事は未来は出来なくなるかもしれません、箸や筆の様に。


書道普及・前衛書家活動の為のサポート宜しくお願い致します。 多くの方に書道の楽しさ、前衛書の楽しさを伝えていきたいです。頂けたサポートは書道普及、前衛書家の活動に使わせて頂きます。