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女性のための3大処方

 漢方薬に持っている古臭いイメージから、漢方薬を使うのは高齢者が中心と言うイメージを持っている人がいます。しかし考えてみてください。漢方薬もその源流をたどれば2000年以上の歴史があるわけです。その頃の人類は今の高齢者と呼ばれるような人はかなり少なくほとんどは今の青年や成人と言われる人たちがほとんどだったはずです。そんななか育まれてきた漢方薬ですから、年寄り向けと言うよりはもっと若い人向けの処方だったのに違いありません。女性のための三大処方と言われるものも、おばあさんというよりは生理のある年齢から更年期の人向けという意味合いが強いと思われます。なにせ血の道症とか更年期障害につかわれるわけですからね。

 ここでいう、女性の三大処方というのは、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)をさしています。それぞれの処方がどのような人につかわれるか、簡単に紹介してみます。

当帰芍薬散は、冷え性で、足が浮腫みやすい人に使います。一般的には、体力が低下傾向で貧血傾向がある色白の成人女性につかわれます。月経周期に伴い、体調が悪くなることや、天候の変化の影響を受ける場合があります。また、不妊治療のサポートとして服薬すると、体を温め、血流が良くなり、受胎にむけて体調を整えてくれます。環境や生活習慣の変化に伴い、日本人は全体的に体が冷えてきていると言われており、体ががっちりして元気そうに見えて、当帰芍薬散で温めてあげないといけない方がおられます。対応する症状とすれば、腰痛、全身倦怠感、浮腫、手足の冷え、頭痛、めまい、耳鳴、肩こり、心悸亢進、無月経、過多月経、月経不順、月経困難などが挙げられます。

加味逍遙散は、体が少しよわい、女性の更年期障害によく使われるます。逍遥と名付けられているように、症状が日によっていろいろ変わる傾向が認められ、その症状は多彩です。急に顔が熱くなったり、動悸がしたりという訴えを良く聞きます。その他、めまい、頭痛、イライラ、不安、不眠、冷えのぼせ、肩こり、四肢の倦怠感、便秘などの症状も認められます。怒りなどを他者にぶつける傾向もあると思います。 

桂枝茯苓丸は、血のめぐりを良くする処方で、普通からやや体力のある人に使います。お血(微小循環障害)に伴うとおもわれる症状に使います。その主な症状として、肩こり、頭痛、のぼせ、めまい、発汗、足の冷え、動悸、月経困難症、子宮内膜症、子宮筋腫、冷え症、打撲症、痔核、高血圧症、慢性肝炎、不妊症、しみ・肝斑、骨盤腹膜炎、慢性湿疹、蕁麻疹、にきびなどが挙げらます。

女性の場合、以上の三大処方のいずれかで、多少とも効果を実感できることもありますが、症状によっては他の処方を選択します。女性の体調不良に寄り添う漢方薬はほかにもいろいろあるのです。自分に合った漢方薬と出会えば、生活が変わるかもしれません。例えば生理のたびに手放せなかった鎮痛剤が、あまり必要なくなるだけでも、生活の質はおおきく変わりますよね。体質だから仕方がないなどとあきらめずに、一度は自分にあう漢方薬探しをしてみてください。もちろん医師や薬剤師に相談するのが早道だと思います。

では、穏やかな日々をお過ごしください。


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