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老老 敬老会

 病院で開かれた敬老会に参加した。そこで地域のボランティアグループが出し物を披露してくれました。驚いたのは、そのグループの代表者が80代半ばの方だったこと。老老介護という言葉を見かけますが、まさに老老敬老会と言った感じです。しかしボランティアの方たちは、元気に歌や踊りを披露し、会場を盛り上げていました。

 同じ80代でも、彼らのように舞台に立って活躍する方がいれば、残念ながら病気や怪我で車椅子生活を余儀なくされている方もいます。もちろん、体質や遺伝的な要因、あるいは不慮の事故や病気の影響は避けられないもの。しかし、私が感じたのは、長い年月をどう過ごしてきたかという「生活習慣の差」も、大きく影響しているのではないかということです。

 日々の積み重ねが、将来の自分の姿を形作るという面は大きいと思いますが、歳を重ねてくると、その意味がより一層身に染みて感じられます。健康な生活を送るための心がけ、例えば適度な運動、バランスの取れた食事、ストレスをため込まないこと、これらが重要だと頭では分かっていても、なかなか実行は難しいものです。若い頃は、無理と感じることもできずについつい無理をしてしまったり、面倒に感じて怠ってしまったりするものです。しかし、年齢を重ねるごとに、その日々の蓄積が身体に現れてくるのです。

 敬老会をみて、数字で表された年齢と、心身の実年齢は別物であるということもよくわかります。確かに、年を取ると体力は衰え、若い頃のように自由に動けなくなることも多いです。しかし、その年齢をどう迎えるか、どう過ごしていくかは自分次第で、ある程度コントロールできる部分もあるのではないかと思います。

 ボランティアグループの方々は日頃から社会に出て、他の人と関わり、体を動かし、趣味を楽しむと言った生活をされているようです。歌や踊り、マジックに詩吟、三味線その他を披露するのも、健康な身体と前向きな精神があってこそです。年齢に関係なく、心身の健康を保つための取り組みが、その後の人生を大きく左右するのだと感じさせられました。

 介護予防といえば、日々の運動が強調される場合が多いですが、文化的活動や社会的活動も大切だと言われています。ボランティアをしてくださった方々は、さにその点、人とのつながりや文化的な活動を普段から行っているということです。ボランティアグループのメンバー同士が励まし合い、協力して一つのパフォーマンスを作り上げている姿は、まさにその象徴でした。高齢になっても、誰かと一緒に何かを作り上げることは、生きがいを感じられる素晴らしい機会です。孤立せず、コミュニティに参加し続けることで、心の健康も保たれるのではないでしょうか。

 歳を重ねるとどうしても身体の不調や孤独感と向き合わなければならない場面も増えてきます。その中で、どれだけ自分を保ち、前向きに生きられるかが課題です。私自身もこれから先をどのように過ごすかを考えることが増えてきました。できる限り、自立した生活を続け、人生を楽しむためにはどうすればよいか。少しでも長く元気でいるために、今からできることを考えて行動に移すことが大切だと思います。

 敬老会での元気な80代の姿を目の当たりにし、私も「まだまだ自分も頑張れる」と励まされました。同じ年代であっても、その過ごし方によって見える景色は全く違う。これからも、自分の人生を豊かにするために、小さな一歩を積み重ねていきたいと強く思いました。

 頭への刺激は日々やっているつもりですが、体への刺激ということがおざなりになっていると思います。海の生活の中で、体を動かすという努力を重ねつつ、YouTubeでも見ながら体動かす機会も作っていきましょうかね。

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