『アメリの足跡』あとがき
文フリ京都8の参加するまでレポを書いたので、じゃあ頒布した新刊の話でもするか〜というノリで書き始めました。文フリレポではあまり詳しい話とか仕様は書けていなかったので。
プロットのメモを晒したり、作業曲リストの話を書いています。最後はちょっとネタバレのある個人的な感想です。
仕様
表紙:アートポスト180kg(マットPP加工)
本文:RTライトノベル用紙63kg
印刷所:onebooksさん
特にこだわりがない装丁。今回は800円で頒布したかったので、あまりお金をかけることができませんでした。次はカバー付きを印刷したいと思っています。
紙の厚みはちょうどいい感じ。PP加工をすると紙が反ってしまうけれど、想定内だったので大丈夫。
プロット
書く前に決めていたのは次の通り。
・男女
・女が優位のゆるい主従
あとはメモが残っているので、時系列順に書いていく。メモをそのまま晒すのはあまりにも恥ずかしいし、そもそも字が読めない。ギリ見せれそうなものは写真も載せています。
9/29
・登場人物は「女学者と傭兵」で決定
・学者の名前案を出す。案は7つあったけど、ピンと来ないものを消していく。残ったのは「カレン」や「エリゼ」。この時点では「アメリ」は候補に上がっていない。
・傭兵の性格や口調を決めていく。メモには「年下なのに態度がデカい男よくない?」「小型犬」などと書かれている。
9/30
・傭兵の名前案を出す。「ノエ」と「テオ」が残って、なんとなくで「ノエ」に決めた。
・学者の名前が「アメリ」か「ルーナ」の2択になる。最終的には「アメリ」に。
・作品テーマを「未来に繋ぐ」に決めた
・2章や3章の出来事をぼんやりと決める。最初は復讐譚に近いストーリーだった。
・とはいえアメリについて「破滅するタイプではない」「優しくて臆病なので、他人は巻き込まない」という考察メモが残っている。
10/1
・書きたいシーンを羅列していく。時系列などは考えない。この時点ではほぼ今のストーリーに決まっていたと思われる。
・世話人のキャラ設定をする。「不気味」と書かれている。名前を出す予定がなかったので決めていない。
10/2
・ノエとアメリがお互いに抱いている感情について確認する。
・プロローグを書くか迷っている。「テーマ的にはいるけど、ページ数がヤバい」とのメモあり。
10/6
・ノエの感情変化を詳しく確認する
第1章:薄情、変わり者
第2章:初恋相手、守りたい人
第3章:不安、力になりたい
第4章:唯一無二
・アメリの感情変化も確認する
第1章:可愛い、罪悪感
第2章:唯一の味方
第3章:唯一無二、傍にいてほしい人
プロットメモはここで終わっている。このあたりから初稿に取り掛かり始めたんじゃないかと思います。
これ以降は思いついたセリフのメモとか、展開の整理とかが書いてありました。でも基本的には決めた通りにひたすら書き進めている。
とにかく字が汚いし、思いつくままに書いてるので、他人に見せてもなんのこっちゃという感じのメモです。
作業曲リスト
私はその作品のイメージに合う曲を集めて、作業曲リストを作っています。書くときはずっと流してる。あくまで個人的な感想でしかないので、合う合わないは人によると思う。
①1000年生きてる/いよわ(月ノ美兎cover)
Vtuberはミリしらって感じなんですけど、歌声が好きでこの方のカバーを聞いてた。
今回のテーマにぴったりの曲だったので、1番よく流していた気がする。リストでも1曲目。
②春雷/米津玄師
言わずと知れた名曲(だと私は思っている)。文フリ参加レポでも書いたとおり、私は米津玄師が好きで、そのなかでも『春雷』が1番好き。
恋の憂いの曲です。
③私は、私たちは/Guiano(鹿乃cover)
たまたま見つけてリストに入れた曲。自分を鼓舞するように「恐れはしない」と繰り返すのが好き。
④霽れを待つ/Orangestar(水無瀬cover)
これもたまたま見つけてリストに入れた曲。透明感のある曲と歌声。「譲れないもの一つ 理由も知らないまま」という歌詞がいい。
リストにまだ他の曲もあるけど、あまり長くなってもアレなのでこのあたりで終わりです。
私は初稿に入る前、こんな感じでイメージに合いそうな曲を集めています。毎回。でも全然関係ない曲を流してる時もある。
ネタバレありつつの感想
今回は男女を書きたかったし、できれば可愛い恋愛要素も入れたかった。少年の初恋って書いててすごく楽しかったです。思えばずっと思春期だったな。
でも今回のテーマは「未来に繋ぐ」なので、時間の流れというものは意識していたつもり。完全に思春期だったノエは、だんだんと落ち着いて大人になっていくし、アメリへの感情も変化していく。
逆にアメリは大人(という枠で書いていたつもり)なので、そこまで目まぐるしい感情の変化はない。というよりアメリの人生はそこで行き止まりなので、先がないわけ。プロットメモ(10/6)の感情変化に、第4章がないことからお察しください。
アメリの人生の結末については、割と早い段階から決まっていました。
テーマが「未来に繋ぐ」である以上、アメリの歩みはそこで止まっている必要があった。それでもアメリの生きた痕跡は世界に残されて、次の世代に繋がっていくという話がしたかったんです。それを必死に拾い集めて、大事に抱えていたのがノエ。
Xでも少し話したような気がするけど、『アメリの足跡』というタイトルは、「あしあと」と「そくせき」をかけています。
人生という道に残った、アメリの生きた痕跡は「あしあと」で、その結果受け継がれていくのは「そくせき」です。
このタイトルは(本当に時間がなかったので)10分くらいで考えたんだけど、私にしてはいいタイトルをつけたなと思っています。なんで時間がなかったかというと、表紙デザインの依頼締切がヤバかったからです。今回はとにかく時間に追われていた。
この話、できることなら150ページくらいの本にしたかったな……。予算の都合上、どうしてもできなかった。余裕があれば番外編も入れたかった。
まとめ
とにもかくにも新刊が出せてほっとしています。お買い上げいただいた皆さま、本当にありがとうございます。
この記録やプロットメモはあくまで私個人の感想?みたいなものなので、好きに受け取っていたただければと思います。私は自分の書いたものに対しても「〜〜だと思う」「〜〜な気がする」というスタンスなので。
また次の新刊で!