![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61403893/rectangle_large_type_2_86a2ab15c54bb76a8e304338845ae4db.jpeg?width=1200)
中1国語「星の花が降るころに」を、「星の花」から読み解いてみた
星の花って、なーんだ!
こちら!
「銀木犀」というお花のことです。
光村出版、中学一年生の国語の教科書に載っているのが「星の花が降るころに」という作品。
こちらに登場するのか星の花…「銀木犀」なのです。
📖「星の花が降るころに」
すごい!光村の公式で読める!すごい!
と思ったけど途中までしかない!😭
ざっくりあらすじ↓読んでってください🙏
「星の花」銀木犀を通じて親交を深めていた2人が、ひょんなことから仲違い。
主人公の「私」は、親友だった夏実と仲直りしようとするけどうまくいかず、イライラ……
そんなとき、クラスメイトの戸部くんが、部活で暑い中一生懸命目の前のボールを磨く姿に心動かされる。
自分が悩んでいることが、ちっぽけに思えた「私」は、かつて夏実と遊んだ公園にやってくる。
そこで掃除のおばさんに、銀木犀の秘密を教えてもらう。
銀木犀は常緑樹。
どの季節でも緑の葉っぱが生えているけれど、ずっと同じ葉なわけではない、ということ。
下から新しい葉が出てきて、古い葉が下に落ちるのだという。
その話を聞いて、いよいよ「私」は吹っ切れる。
夏実と仲直りできるかもしれないし、できないかもしれない。違う友達ができるかもしれない。それでいい。新しい自分として、歩き出そう。
そんなお話。
💐物語のモチーフに「銀木犀」を選ぶと言うこと
星の花が降るころは、ちょうど今時期。秋。
銀木犀は金木犀の仲間。見た目そっくり。
けれど、香りは金木犀ほど強くない。
(とはいえ、これは比較の問題で、「お花」の中では香りが強い部類には入りますが)
金木犀は、姿が見えなくても「むむっ!この辺りに金木犀あるでしょ!」ってくらい、金木犀。
それに、銀木犀より、金木犀のほうがメジャーよね。私はこのお話を読むまで「銀木犀」知らなかった。
物語のモチーフとなる星の花は「金木犀」だっていいだろうに、あえて「銀木犀」。
それが、「私」の控えめな性格とよくマッチしていると思うのです。
夏実と、銀木犀の花でポプリを作りたい。
ポケットに入れた銀木犀の花をお守りみたいに大事に持っている「私」。
けれど、勇気が出なくて、うまく夏実に話しかけられない「私」……。
この星の花がもしも金木犀だったら、「ガンガンいこうぜ!」とばかりに夏実に絡みに行って、「ねぇねぇ!遊ぼうよぉ!🤘🏻」で物語そこで終わりそう(勝手な想像です)
しかしそんな慎ましやかな銀木犀なのだけれど、いつだって青々と葉っぱを繁らせる常緑樹である点は、金木犀と変わりません。
📚ここで突然の脳内平安トリップ!
(久々の登場ですが、今回は正確には奈良以前です)
古来、常緑樹は「繁栄」のシンボルとして大事にされてきました。
橘は実さへ花さへその葉さへ
枝に霜降れどいや常葉の木
(万葉集・1009・聖武天皇)
この歌にあるような「橘」なんかも、そう。
橘が常緑樹であるように、あなたの家が永遠に栄えるように祈ろう…と詠んだ和歌。
常緑樹は、奈良平安の人たちが好んだ縁起のいいモチーフ。枯れない。ずっと繁ってる。長寿や不老不死、繁栄の願いを託すんですね。
「星の花が降るころに」でも、常緑樹の葉は、「私」の心の強さ、これから強く生きていく「私」を象徴しています。過去を糧に、ぐんぐん新しい葉を伸ばしていく、中学生の若い心。
いいねぇ。青春。
❤️「銀木犀」の花言葉、ご存知?
青春といえば、気になるのは、物語に登場する男の子「戸部くん」の存在。
ちょっとおちゃらけながら、悩み落ち込む「私」を励ましてくれる粋な男。しょぼくれてる時にこんな気遣いされたら……
惚れてまうやろーーーー!!!
多感な中学生、「物語の続きを考えよう!」というまとめ授業をすると、「戸部くんとこのあとお付き合いすることになる」展開を書く子の多いこと……
二次創作ですな。薄い本ですな。
まぁ想像は自由ですし〜
なんて思ってたんだけど。
銀木犀の花言葉を調べてみると……
「初恋」
「中国の美女は、デートの前に木犀入のお酒を飲んで、香りを甘い匂いにしていたという話もあります」
いやいやいやいやいや
え??????
戸部くんに、惚れてまうやろーーーー!!!!
からの、
惚れちゃいましたけどーーーー!!!!!
あっまーい!小沢さん!あまいよ!甘すぎるよ!
ってこと?!(?)
薄い本が厚くなるなる展開!
銀木犀の木の下で肩を寄せ合って、「ふふ、出られないねぇ」と語り合う相手って……戸部くん?!
なーんて、想像が掻き立てられますね🥺
🍊「夏実」のネーミングも光ります
「花」とは少しずれるかもですが、元々「私」と仲良しだったお友達「夏実」のネーミングセンス〜!って思ってます。
お話は銀木犀の花が降るころ、秋。これに対して「夏」だし、しかも「実」(「夏美」ではなく、果実の「実」)なんですよね。
秋の一個前、過ぎ去った季節である「夏」。
そして花が咲いて、散って、そのあとにできる「実」。
「夏実」という名前がすでに、「星の花が降るころ」よりも過ぎ去ったもの、過去のものであることを指し示しているなぁって、読むたび思っています。
はぁ、粋ですなぁ🥺
⭐️最後に…「星の花」は本当に降ります
通りがかりに見つけた金木犀、降ってました。
銀木犀ではなく金木犀でしたが…
2人で秘密基地みたいにできる銀木犀があったら、さぞかしきれいだろうなぁ。
🏃♀️「お花とエッセイ」コンテストの宣伝
そんなわけで、教科書教材である「星の花が降るころに」を「星の花」…銀木犀から読んでみました💐
こちらの記事は、ともきちさん・yuca.さんの企画「お花とエッセイ」コンテスト…に、インスピレーションもらって書き始めたのですが、なんと!全くエッセイではない!笑
しかし、この企画がなければ書かなかったと思うので、記事リンクを貼り付けて宣伝だけ!😂
(エッセイも、書けそうなら書きたいです)コソッ
「星の花が降るころに」、中一の教科書教材なのですごーくわかりやすい物語文ですが、みなさまもぜひ読んでみてくださーい💐✨
---☕️🕊---
猪狩はな 💙@hana_so14
https://twitter.com/hana_so14
いいなと思ったら応援しよう!
![猪狩はな|教育ライター](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/68606206/profile_06023645c8a728f1e5ab4a959fad028a.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)