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座右の書「わたし、定時で帰ります。」
「小さい子がいる。だから残業はできませんって、どうして堂々と言えないんですか?
後でいくらでも巻き返してやりますって豪快に笑ってる。
私が知ってる先輩はそういう、強くて、胆力があって、かっこいい人でした」
主人公・東山結衣が、産後6週間でフルタイム職場復帰して、双子ちゃんに高熱が出てもバリバリ働こうとするワーママ・賤ヶ岳八重に言う一言……。
本当にかっっっこいい……!
読了当時、ワーママ1年生。フルタイム復帰したものの、なかなか定時退勤できなかった私の心を打ちました。
「赤ちゃんたちが高熱。旦那さんが助けを呼んでる。これがまさかの時じゃなくて何なんですか。双子ちゃんにもし何かあったら、旦那さん、先輩のこと許しますかね?」
「そんな、私はただ、後輩のために道を切り開きたくて──」
「どんどん獣道になってますよ!」
「私より後輩のワーママさんたちが行く道を獣道にしたくない!」「私の働き方が後続のママたちの行く道になるのだから、無理して働いてはいけない!」と強く思うようになったのは、このシーンがきっかけです。
こんなふうに働いていいんだ、スーパーウーマンじゃなくても働けるんだって、他のママたちに思ってもらえるような人になりたい。
そんなふうに決意したのは、『わた定』があったからでした。
でも。
結局、私はうまくやれなくて……学校の先生という職は復職1年で辞めました。『わた定』に励ましてもらって、頑張るぞ!って思ってたのに。なんて弱い人間なんだろうってすごく自分を攻めたりも、してました。
でも、心理士さんにその話をしたときに(無料相談だったので書面でしたが)こう言ってくれたんです。
「辞めるという選択肢もまた、ママ先生たちのひとつの道標になると思いますよ」
そっか。「ママ先生の道を獣道にしない」は直接的には、私の力では、叶えられなかったけど……。ママ先生にこんな道もあるよって示すことは、私にだってできるのかもしれない。「無理しない」の、別の形を作れるのかもしれない。
ありだな???
そして、そう思ったとき、やっぱり私の中に浮かんだのは、『わた定』。
私はいま、フリーランスとして定時のない働き方、残業の「ない」働き方をしています。
けれど、そのぶん、自分で自分の定時を決める必要も出てきていて、それはそれでキリをつけるのが難しいこともある。育児の時間がなかったら、そのぶん仕事も勉強もできるなって思うことも、ないといったら嘘になります……。
ああ、もっと働きたいなぁ。
「残業」がしたいなぁ。
そういうとき、きまって私は結衣の「定時に帰るは、勇気のしるし」という言葉を思い出します。
あとでいくらでも、巻き返せる。
私の背中は、誰かの道標…かもしれない。
勇気を持って、切り上げて
笑顔で子どもを迎えに行くのです。
さあ、みなさんも。
「定時に帰るは、勇気のしるし」。
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