ため息を 言葉にしてみよう 〜 Cheers! 〜

2024年10⽉5⽇(土) 『在日ファンク at Billboard Live TOKYO 2024』のことを。

「夢が叶った」と満面の笑み。
ステージに立つ彼らに拍手を送る。乾杯。その場に立ち合えたこちらも幸せです。氷がすっかり溶けてしまったカシスオレンジでも、ビルボードで飲むなら格別の味わいなのだ。とろりと流れてくる甘ったるさ。ラストの曲『或いは』にもそんなテクスチャーがあり、じんわりと温かみも伝わってきました。
炎天下のフェスやギュッと詰まったライブハウスもいいけれど、
季節を変える雨の日、ビルボードに在日ファンク。これも似合うんじゃないの?

カジュアル席から見下ろせば、最初っからコール&レスポンスが完璧な紳士&淑女も視界に入り、この空間の全体像を俯瞰で把握できます。  
足を踏み替え交差し、なめらかなカーブから蛇行してみたり、時にマイクスタンドと戯れる。ハマケンの動線はフィギュアスケーターが描く氷上の軌跡に似ている。
リーゼント(サイドの髪を撫で付け後ろへ流すヘアスタイル)って、上から見るとこんなことになってんのね!へぇ〜!
(Dr.)永田真毅さんの手元が見えるのって新鮮。 etc., etc.

しかし。
おそるべし「ラブソングの王様」、またの名を「アニソン界の大型新人」。敵いませんね。事前告知はあったとはいえ、スペシャルゲストの鈴木雅之さん登場で沸き立つ客席。ステージから一輪の薔薇を差しだし、MCであっという間に場を掌握。そして颯爽と退場(通路沿い席にハイタッチのおまけあり)。
すごい …… えーっと、今、何見てたの?まぼろし?
そうは言っても、バックバンドは在日ファンク、ハマケンがコーラス兼ダンサーです。この夜だけの贅沢で特別な3曲でした。


『スポットライト』

昨年、某テレビ番組でご披露いただいた時の印象は、なんて言えばいいのかな、「平べったい」(失礼しました)。いくつものフィルターで濾過して、相当放電してから目の前に届いた映像と音声なんだもん、しょうがない。
ナマの共演は、1年熟成したこともあってか、期待(予想)以上に濃密だった。 

『違う、そうじゃない』

私、わかりました。
デフォルメして笑いをとろうとする人に突っ込みたくなる理由も。
「♪ 違う 違う、そぉじゃ そぉじゃ なぁーい  ♪」ってね。 
このフレーズを早く言いたくて、前のめりになっているからなんだよ。
息を詰めて待つ、こちらが焦れるギリの「タメ」。そして緩急繰り返しの妙。
ライブでの定番曲とお聞きし、納得。胸を衝かれた一瞬をまた体感したくて
あの日から、You Tube 視聴が やめられない とまらない。

『め組のひと』

鈴木雅之さんのライブを初めて見る人がどれくらいいるのか問われ、そこそこの挙手ありだったのに、この曲はフリに決めポーズにもれなくできちゃう人ばかり。私もその一人。子どもの頃、テレビに向かい弟と真似していたものの、人様の前では初めてです。つい反応してしまったのは目の前にご本人がいるからなんだろうか。ちょっと嬉しい。なんなんだ、この充実感は。

インパクトのある歌詞、何度も聞きたくなる中毒性と無意識下に刷り込まれた振り付け。在日ファンクにもそんな曲がいっぱいありますよ。

メドレーは「初めまして。これからも在日ファンクをよろしくね」の名刺がわりとすると、もし他現場でゲスト出演するならこのあたりからの選曲になりますかね。『マルマルファンク』→『根にもってます』 →『環八ファンク』→『むくみ』 から在日ファンクのテーマ『マルマルファンク』に戻りました。タイトルだけ眺めたら、ちょっと意味がわかりませんよね。まずは一見、聴いてみるべし。

ハマケンのほろ苦青春ソング『京都』は、(Gt.)小金丸慧さんがイントロを「じゃじゃーん」と響かせると、歓声「ヒュ───」の呼応で始まりました。
我を忘れる「京都&レスポンス」を経験したら、またライブに行きたくなることでしょう。なぜ京都を連呼しているのかなんて真面目に考えちゃダメだぞ。


にひひ(突然の思い出し笑い)。
あっさりしたMCから始まったカバー曲は『氷の世界』。
カバーはコピーじゃないから。
在日ファンクらしさのてんこ盛りでかっこよかったなぁ。演奏が終わってcool にドヤ顔してもよかったのに。
オリジナルは井上陽水さんが作詞、作曲した1973年リリースの曲。
もともと、何から何までいちいちかっこいい曲なんだ。


はぁ〜。本家、途方もなくかっこいい……。やめられない とまらない……。


そうそう、いつ、どこのライブで聞いたのか、もう忘れてしまったけど、
「腰にくる ファンク やりますよ」というハマケンのMCがあった。

「ファンク」とは?と尋ねられましても、言葉では説明できそうにありません。
ただ、「腰にガツンときた」ならば、その音楽は「ファンク」だと思っています。


にひひ。
2024年12月4日(水) に在日ファンク冬公演「年末こわい」at 東京キネマ倶楽部 があります。その昔、グランドキャバレーとして営業していたホールと在日ファンクの親和性は高く、一歩足を踏み入れた途端にココロときめく場所なのです。
しかし。
スタンディングライブの翌日は足腰にくる年齢となりました。関係者の皆様、時々は、指定席の会場もよろしくお願いします。
彼らが一途に追い求める音楽をもうしばらく聴いていたい。