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55の手習い その1

55歳の誕生日に、「ゴーゴー!レッツゴー!なんかやるぞー」と、思った時、テレビでドローンレースをやっていた。30代の主婦が空中を自由自在に飛んでいる(映像は自分が飛んでるみたいな映像だった)のをみて、やりたいと思った。

幼い頃から、空を飛ぶ夢をよくみた。この歳になって、またよくみる。8月に一台目の小さいトイドローンを購入した。これがなかなかうまくいかない。天井にぶつかる壁にぶつかる。10分後には充電も切れて羽もダメにしていた。

部屋の中だから、あちこちぶつかってダメになるんだ、外でやろう!次に外でやったら、30秒後には隣の家の屋根の上から降りて来なくなった。コントローラのスマホには、虚しくキレイな青空が映っていた。何度か上昇させることを試みたが、何かに引っかかっているらしく、体勢が変わっただけでとうとう降ろすことはできなかった。

そうだ、スマホのゲームで練習してみよう。ドローンのレースらしきものを毎日練習してから次のを買おう、と思ったが、なんだか悔しい。そんな時、メンタリストDaiGoのYouTubeで「頭が良くなるゲーム」としてVRを紹介していた。そういえば、ドローンのコントローラもVRでやってた!VRを買おう!と、Oculusquestを購入。

その後、しばらくはドローンのことそっちのけでVRにハマる。ビートセイバーサイコー!毎日たのしー。

年末、ブラックフライデーセールでトイドローン2台目を購入。今度はほんとにおもちゃ。3000円くらい。しかし、それが割とうまく飛ぶんだ。一台めはほんとにかわいそうなことをしてしまった。年末、お隣に庭木の清掃に業者の人が来ていた。こっそり呼び止め、「実はあの屋根に小さいドローンが落ちてるんですけど取れませんか?」とお尋ねしたら、親切にも屋根に上がってとってくださった。数ヶ月風雨に晒された割にキレイな状態に喜んだものの、バッテリー充電もできず、どこをどう修理したらいいのかわからないので、躯体は購入時の箱の中へしまうことになってしまった。ドローンかわいそう、私はなんて薄情なんだろう、情熱を持って購入してあげたはずなのに、VRにハマって忘れてしまうなんて!

おもちゃのドローンは、1台目と違って簡単に操作できた。ホバリングも勝手にやってくれるし、ちょっと練習したら部屋を一周させて手元に戻るくらいなら簡単にできた。でもその子も、一旦箱にしまうことにする。

ちゃんとやってみたいな。自分でカスタマイズもできるようになりたいし、自在に扱えるようになりたい。レースはもう少し後かもしれない。55のおばはんに買われてしまい、手慰みにされてしまったかわいそうなドローンたち。私が悪かったよ。今年はちゃんと勉強するよ。後数ヶ月で56になってしまうから、その前にちゃんと勉強して、君たちもちゃんと使ってあげられるようになるよ。


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