【Anemone アネモネ】ミステリアスな美しさ。
カラフルな色彩、襟飾りのようなフリフリの葉、そして生命力あふれる茎の曲線…。個性的な花としても人気の高いお花です。
【アネモネってどんな花?】
アネモネの原産地は、ヨーロッパ南部や地中海沿岸地域です。
アネモネが世界に広がったのは、自生地の一つである地中海東部パレスチナから、十字軍の土産としてヨーロッパに導入されたのがきっかけ。
イギリスとオランダで、15世紀から18世紀にかけて盛んに品種改良がおこなわれました。日本には江戸時代末期から明治時代にかけて伝わってきたそうです。
現在流通しているアネモネは、赤やピンク、白、紫、青、複色などの様々な花色が出ています。一重、八重、半八重など、咲き方にも特徴があり、バリエーション豊か。好きな品種をぜひ見つけてみてくださいね。
一輪で飾っても華やかなアネモネ。
カラフルな花びらに見えるところは、咢(がく)というもの。本当の花は、中心の黒い部分になります。
ラナンキュラスやクリスマスローズなどキンポウゲ科の中でも、珍しい花のつくりかもしれませんね。
【名前の由来】
アネモネは、春の最初のおだやかな風が吹き始める頃に花を咲かせます。
そのため、ギリシャ語で「風」という意味を持つ「anemos」が元となり、アネモネの名前がつきました。英語では「風の花」を意味する“Wind flower”という名前がついています。
和名は「花一華(ハナイチゲ)」や「牡丹一華(ボタンイチゲ)」など、風由来ではなく、華やかな外見からつけられたものが多く見られます。
【アネモネとギリシャ神話】
地中海地方というと、ギリシャ神話が多様にあります。アネモネは、神話や伝説にもよく登場します!この神話が由来の花言葉も多いのだとか。
アネモネが出ている神話はいくつかありますが、その中でも代表の【西風の神ゼフュルスの神話】をご紹介します。
【西風の神ゼフュルスの神話】
春の訪れを知らせてくれる西風の神 ゼフュルス。彼はある女性のことを心から愛していました。それは、アネモネ という名前のニンフ(自然界の精)で、花の女神 フローラの侍女でした。
しかし、ゼフュルスがアネモネのもとを頻繁に訪れるため、ある誤解が生まれてしまいます。花の女神 フローラは、足しげく会いに来てくれるゼフュルスが、自分のことを愛していると勘違いしてしまうのです。
そして、フローラが真実を知ったとき…。二人の関係に腹を立てたフローラは、アネモネを自分の元から追い出してしまいます。
フローラを恐れたゼフュルスは、自分の立場を守るため、アネモネを花の姿に変えてしまいました。
この神話から、「嫉妬のための無実の犠牲、見捨てられた、見放された」とい花言葉が生まれたのだとか。華やかで花束などにもしやすいアネモネの花言葉が少し寂しげなものが多いのは、神話の悲しい出来事が関係しているのでしょうか。
ミステリアスな大人の魅力がたくさん詰まったアネモネ。
お気に入りの品種をぜひ見つけてくださいね!
【和名】牡丹一華(ボタンイチゲ)・花一華(ハナイチゲ)
【学名】 Anemone coronaria
【英名】Wind flower
【科・属名】 キンポウゲ科・イチリンソウ属
【英名】 Anemone
【原産地】 ヨーロッパ南部・地中海沿岸
【開花期】 2月〜5月
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