感想:おおあたり

しゃばけシリーズ 15弾  おおあたり 畠中恵 著
https://www.amazon.co.jp/dp/4101461368/ref=cm_sw_r_cp_apa_glt_i_ZD9951DP9KVHA4CJJ4KD
 
■あらすじ
 回船問屋兼薬種問屋である長﨑屋の若旦那、一太郎が「おおあたり」に巻き込まれる騒動を描いた連作短編集。菓子屋で大当たりした新作あられ。夢の内で追いかけてくる「大あたり」を引いてしまった若者の怪談落語。大金を引き当てた富くじ。
 さて、一太郎にとっての大当たりは、一体なんなのか。
 
■雑感
 買ったはいいけど、「このシリーズもいい加減飽きたかな」なんて、積ん読していた自分の頬を張り倒したい。バカ!バカバカ!つまりは、相変わらず面白かった。
 20年も続いているこのシリーズ。文庫本だし、1年に1冊出るか出ないかで、この人(妖)、誰だっけ?なんてこともある。新鮮味、と言うのはどうしても薄れてしまう。(逆に安心感と言うものをのもある)それに、なんだかんだ、このシリーズも10年以上の付き合いだ。私が成長した(はず!)のと、同じように、昔から知ってる一太郎にも成長して欲しいのだけど、それがとてもゆっくりなのだ。そこが冒頭の「飽きたかな」だったのだ。
 けど、一太郎も、栄吉も、若者達は少しづつ大人になっている。漠然とした夢ではなく、それぞれ「大人の男」への理想を持ち、近づこうと足掻いていた。
 成長を感じられて嬉しくもあり頼もしくもあるのに、それと同時に少し寂しい気持ちも感じてしまった私。人間とは、なんともわがままな生き物だなぁ。(私だけかしら?)
   
 今回も色々な騒動に関わる、栄吉の饅頭。破壊的にまずいあんこってどんなだろう?一度食べてみたい。
 
 ・おおあたり
 栄吉が婚約した話を全残覚えてなくて、婚約者の子のことを結局思い出せなかった。
 
 ・長崎屋の怪談
 全般的にゆったりした話の中、今回一番、危険な雰囲気だった。怪談落語も面白い。確かに、こういう時にも、当たるって言うわね。と、納得。
 
 ・あいしょう
 仁吉と佐助が長崎屋に来たときのお話。子供姿時代の二人は物知りで人の世を知っているとはいえ、まだ慣れていない様子が可愛い。
 仁吉と佐助がお互いを認めあえたところが、どうしてそうなったのか、流れが理解ができなかった。あそこだけでわかるものなのか、本書の中の伏線があったのか、ほかの話で何かあったのか……。
 誰か教えてください。

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