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両親がケンカしているのを、私は、一度も見たことがない


両親がケンカしているのを、私は、一度も見たことがない。


結局、大人になった今でもただの一度も見たことがないのだ。



私が社会人になり、実家に帰って家族みんなでご飯を食べている時、母が

「子供の教育方針で、お父さんと大喧嘩した時は大変だったよ~(笑)」

と言うので「お父さんとお母さんって喧嘩するんだ!?」と驚いたことがあるレベルだった。

ケンカを見せないどころか、ケンカの最中であることを子供が察しないようにしてくれていたのだ。



それが「フツー」ではないことに、私は自分が結婚してから気づいた。

以前noteでも書いたが私は別居婚をしている。別居婚という婚姻形態を採用しているということもあり、夫とのケンカは多分かなり少ないほうだろう。

だがそれでもケンカすることはもちろん、ある。

もちろんあるワケだが、この時ふと思った。

「夫婦ゲンカを子供には絶対に見せないって、すごくね?」

と。


だからこないだ母に聞いてみた。「なぜ、夫婦ゲンカを子供には絶対に見せなかったのか」と。

「お父さんと、『子供の前でケンカはしないようにしようね』って約束してたの?」

と聞いてみた。そしたら驚愕の答えが返ってきた。

「ん?いや別に」

と言ったのだ。


別に夫婦の間で取り決めがあったワケでも、「見せないようにしようね」と話し合ったことがあったワケでもない。

「まぁ見せないほうがいいかなって、お母さんは思ったから見せなかっただけよ」

って。

私の「なぜ子供の前でケンカをしなかったのか」という質問に対して、「何言ってんだこの子(笑)」ぐらいの温度感で返答をしてきたのだった。

まるで

「どうして道路を渡るときは左右を確認するの?」

と聞かれたような感じだった。「車にひかれるからだよ(笑)」と、「何当たり前のこと言ってんの?」という雰囲気で私の質問に答えてくれたのだった。


私の母は、本当にフツーのどこにでもいるお母さんだ。

・毎日「マジで」機嫌が良い
・機嫌が悪い日もあったんだろうけど絶対に子どもたちの前でそれを見せないし、私は見たことがない

・お父さんとめちゃくちゃ仲が良くて二階で私が受験勉強してると一階から両親がおしゃべりして母が爆笑してる声が聞こえてくる

・社会人になってからは月に一度、かならず実家に遊びに行くようにしている
・その時も私が晩御飯をつくっていると、リビングから父とのおしゃべりをしている母が笑っている声が聞こえてくる

・私は今まで大人になるなかで学校とか部活とかバイト先で色んな人の笑い声を聞いてきたけど、私の耳は「お母さんの、楽しそうな笑い声」を多分一番聞いてると思う

・娘の私とケンカすることももちろん沢山あったけど、ケンカがヒートアップして「絶対に言っちゃいけない言葉」を言ってしまったら必ず、必ず謝ってくれた
・だからなのか私は何を言われて傷ついたのかすら全く覚えていない(笑)

・そして良い意味で、娘に興味がない(笑)
・娘が幸せでいるか、そして健康でいるかにしか、本当に、そこにしか興味がない

・他は本当に、一切興味を示さない
・世間体が良い仕事につけ、良い企業に勤めている男と結婚しろ、出産をしろ、マイホームを買えとか一切言わんしどうしても興味が持てない模様

・「好きなところに行き好きに生きな。そのために出来ることは親として全部やるよ」と常に子どもに伝え続けて私を育てあげた

子どもに自分の人生をささげることなく、ちゃんと自分の人生も思いっっっっ切り楽しんでいる

というどこにでもいる普通の母なのだが、ゴメン、普通じゃないよね。あまりにも偉大すぎるよねうちの母。


私の母が常にゴキゲンだったのは、多分父のサポートのおかげでもあるんだろう。私んちって毎月第4土曜日になると、お父さんが子供たち全員をつれて遊園地とか動物園とか川で魚釣りに連れてってくれたのよ。


お母さんを、ひとり家に残して。


これさ、せっかくのお出かけなのに出かけるのが「家族全員ではない」ことがすっごい不思議だったのよ。

だからたしか私が6歳ぐらいの時に父にむかって

「なんでおかーさんを仲間はずれにするの!?!?」

って怒ったこともあったんだよね(笑)。



でもさ、これが母にとってすっごく大切な息抜きの時間だったんだと思う。


うちのお母さんね、月に一度の「一日中ひとりで好きにすごせる日♡」はお気に入りのカーテンを洗ったり、コンビニのスイーツを食べたり、大好きな小説をもう時間を気にすることなく夢中で読んだりしていたんだって。

家族の時計に合わせることなく、自分の時間を好きにすごす。これ、母にとっては最高の時間だったと思う。

そんな一日を、月に一度必ずプレゼントしていた私のお父さんもすごいと思う。ほんとにすごい。



ちなみにその月に一度の「一日中ひとりで好きにすごせる日♡」には、母に必ず3,000円渡してたんだってさ。しかも

「あのね、お父さんの年収が上がってからは5,000円、8,000円と、私にプレゼントしてくれる金額は上がっていったのよ~!おかげでエステ行けた日もあったの!!うれしいね♡」

って母が言ってて驚愕したのよね。

男前すぎんか。

子どもを全員家から連れ出して、一日自由な時間を自分の妻にプレゼントしたあげく、自由に使える数千円もプレゼント!?すごくね!?しかもこれ毎月だよ!?

お父さんのおかげもあって、母はいつも本当にゴキゲンなお母さんだったし今も毎回実家に帰る度に本当に楽しそうに生きてるし、マジで親孝行せんとアカンなと思った今日このごろでした。


ちなみに最近やった大き目の親孝行がこれ。実家の断捨離。

▼実家の断捨離を決行した当日のツイ―トがこれ

▼見事大成功!!!

母の部屋もこんなんだった。

たしかに私の母は自慢の母だけど、片付けだけは下手くそなのよね(笑)。だから、思いっきり片付けを手伝ったら母の部屋も見違えるようにきれいになったよ。

じゃーん

・一体どうやって親を説得したのか?
・どうやってココまでのゴミ屋敷を片付けたのか?
・他の部屋のビフォーアフターは?

などなどぜ~んぶこのnoteで大公開してるから、「親がもう60代70代で、家に帰るたびに散らかってて本当に心配……」って人はマジで読んでみてくれすっごく参考になると思う。

▼いやもう本当に大変だった(笑)


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藤原華|編集者
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