【掌編小説】風の景観・ウタあわせ(1)
🐱「どもニャー。猫ですニャ!来訪感謝だニャ」
🐶「Wonderful!犬だワン。来てくれて嬉しいワン!」
🐱「掛け合いの模索中だニャ」
🐶「迷走とも言えるワン」
🐱「いいのニャ。迷推理はスキニャ。」
🐶「『犬もスキ』って言葉に呼ばれて、出てきたワン」
🐱「ほんとニャ。ただのリップサービス感を拭うためニャ」
🐶「唇ゆえにだワン。犬も猫も、それぞれの良さがあるワン」
🐱「…ただのカオスになりそうニャ」
🐶「それも含めて試行錯誤だワン」
🐱「語尾がうるさい感じするニャ」
🐶「まったくだワン。話しにくいワンね」
🐱「よし、振り切ってゆこう」
🐶「それ希望、高鳴る鼓動、躍動せん」
🐱「さすれば、猫科、豹のごと、飄々ウタう、獣語り」
🐶「物を語らん、犬がワン。手腕を問わん、舞舞わん。これも一つの語るONE」
🐱「あっという間に、十月…」
🐶「一月前の九月、それを一緒に、ウタ歌わん」
🐱「あれは、とある九月の昼下がり…」
🐶「ヨヨイノヨイと、踊らな損。昼ではなくて宵の分。モノの語りは、幕着らん」
🐱「…その合いの手はいらん。進められん」
🐶「宵にしても、ヨイか知らん。時間切り替え、夜の折」
🐱「ふむ…。宵の始まりに、ぶらっと里野を歩こうか」
🐶「ノリの良さには、いぶし銀。目指すその道、行く筋」
🐱「暗闇を照らす猫の眼をもって、あぜ道を進んでゆく」
🐶「その身は軽く、軽やかに、分け入る道を、進みゆかん」
🐱「道の左右に曼珠沙華、赤い手開く、闇の中」
🐶「灯る灯籠、音に聞かん。この花、ほんま、スキやねん」
🐱「すっと伸びるその茎が、赤の大輪、天高く」
🐶「闇の中でも紅々と、あぜ道、ゆく道、赤で染めん」
🟩「曼珠沙華 朱ガ交ワル 塊ノ束」
🐱「合いの手を、いれるかのよう、五七ゑ門」
🐶「五・七・五、それは構わん、紡ぐ吟」
🐱「ならば返歌と、洒落込もう。
『朱に交じる あぜ道染める 紅化粧』
🐶「ならば、我もと、ウタ詠わん。
『灯籠を 思わせる様 赤和音』」
🐱「横の田んぼは穂が下がる、頭を垂れて、黄金色」
🐶「稲穂刈られる時近し、大地にしだる、その指針」
🐱「遠くの田んぼは刈りて山。稲が積まれて垣根為す」
🐶「これも季節の風物詩、闇に豊かに爆ぜる金」
🟩「金色ノ 稲穂・大地ニ 微笑ンデ」
🐱「風形 黄金色が 映し出す」
🐶「ほのぼのと 箒のように 穂が垂れん」
🐱「あぜ道越えて、進みゆく、不意に香し香の風」
🐶「金木犀、風が運び手、満ちる旬」
🐱「橙の花が闇中、姿なし、されども香りで浮かびたつ」
🐶「月光灯る幻花行、追憶薫り、鼻満たさん」
🟩「黄金ナル 木犀芳香 幻花香」
🐱「見えねども 放つ我強し 香織風」
🐶「雄黄の 優雅な粒を 想起せん」
🐱「不意に目の前、イタチゆく。はじめて出会う、森のトモ」
🐶「こりゃ、アカン。腹ばい歩くの、可愛いねん」
🐱「秋の実りのそれ故か、寒さ深まるそれ故か、由はわからぬ、イタチ心」
🐶「するっと消えては草林、姿とともに消える音」
🟩「イタチノ歩 腹ハスレスレ 地ヲナゾル」
🐱「スルリ消ゆ あっという間に 草の中」
🐶「イタチ行く チョコマカ可愛い 即・破顔」
🐱「秋桜満ちる、道をゆく」
🐶「秋の桜の儚げな、花弁に浸らん、癒やす心」
🐱「夜風に揺れる秋桜の様、ほっそり茎が風まかせ」
🐶「春の桜とまた違う、今一時の揺れに乗らん」
🟩「秋桜ガ 濃イ色指シテ 野ノ紅ニ」
🐱「春と秋 桜はかくも 様を変え」
🐶「風が吹き ヒラヒラ踊る 舞いし扇」
🐱「空には、ほっかり、お月さま。雲が千切れて柔らかく」
🐶「月が照らさん、雲流れん。癒やしの時かも、しれません」
🐱「川の流れも耳につく。闇にこだますその音よ」
🐶「川面に映る、月映えん。光る雫は千々に散」
🐱「月が陰りて、雲の中。姿隠して、かくれんぼ」
🐶「川面の月も雲安穏。水だけ響く黒暗澹」
🐱「月の退席、あわせては、我らも退席、一区切り」
🐶「宵は越さぬに賛同せん。一任したる、その一存」
🐱「さすれば、ドロンと、戻るのニャ」
🐶「あわせて、ドロンと、戻るワン」
🐱「自然の雰囲気、大スキニャ。勢いウタえて幸せニャ」
🐶「Wonderful!言葉で自然を綴るのは、とてもスキだワン」
🐱「タメネンの、警告ニャ。夜の散歩は、暗くて危ないのニャ」
🐶「言わずもがなだワン。夢想の世界でのお散歩が良いワン」
🐱「登場してきた風景は、著者が朝方や日中の散歩で見たものなのニャ」
🐶「だから、夜に本当にこんな感じなのかは、ちょっと不明だワン」
🐱「『五七五のつぶやき』の代わりの記事なのニャ」
🐶「平日公開の気力がないことから、こういう形式にしたらしいワン」
🐱「…よくわからない縛りはやめて、自由にやればよいとも思うニャ」
🐶「それができれば苦労しない系なのだと思うワン…」
🐱「そんな縛りの中閃いた表現形式らしいニャ」
🐶「掛け合いの言葉を少なくして、五七ゑ門を登場させる変則系ワン」
🐱「正直、猫はいいのニャ。書きやすい表現ニャ」
🐶「そうなんだワン…。犬は、ワンに絡めて、『末尾【ん】縛り』でやってみたワン。その縛りで、どこまでやれるかって感じワン…」
🐱「なにはともあれ、一読に感謝しますのニャ」
🐶「ほんとだワン。読了にお礼の限りワン」
🟩「アリガタシ 1️⃣読感謝 1️⃣0️⃣0️⃣0️⃣0️⃣謝ナリ」
用語説明
五七ゑ門 ━━━━ 少笑散はふりの文ふみの相方
五七五のつぶやき ━━━━ 平日公開を基本としている記事
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