【掌編小説】たんぽぽ綿毛の子
こんにちは、hana.hafuriです。
(曲に添え こど物語 召し上がれ)
『たんぽぽ綿毛の子』
たんぽぽ綿毛の子は
ドキドキしながら
待っていた
今日は
最高の
春風が
吹くっていう
噂だったから
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まだかな?
まだかな?
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風の音色は
気持ちを
はやらせる
その
たんぽぽ綿毛の子は
最後に
たんぽぽに
残っていた子だった
一つ前の
春風の音色に
みんな旅立っていったけれど
たんぽぽ綿毛の
その子は
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まぁ
旅立ちの風
一本
遅らせておこっかな
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と横着したのだ
いやいや
横着ではないか
だって
その後に吹く
風の音色の方が
よりノレると
たんぽぽ綿毛の子は
直感的に
わかっていたのだから
予想通り
この前奏は
最高のリズムで
たんぽぽ綿毛の子を
揺らしてくれる
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きた!
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たんぽぽ綿毛の子は
その音色に
飛び乗った
風の音階で
たんぽぽ綿毛の子が
昇る
風とダンスしながら
空へ上がり
かと思ったら
急降下
地面スレスレを飛び
水音とともに
川を越えてゆく
この風は
たんぽぽ綿毛の子を
どこに連れて行って
くれるのだろう?
でも
たんぽぽ綿毛の子は
そんなこと
気にしていない
たんぽぽ綿毛の子は
ただ
風と遊んでいた
受け身で
飛んでは
いないのだ
ぐーるりグルッと
軌道を変えたり
ピョコピョコばったん
上下を反転してみたり
クルクルくるくる
勢いをつけて回り
目を回したり
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踊るって
なんて楽しいんだろう!
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風と一緒に笑う
たんぽぽ綿毛の子
その笑い声も
風の音色の
深みを
色を
味を
増す
それは
たんぽぽ綿毛の子の
生涯
一度きりの
踊り
根付いたら(根付けないかもしれないけど)
もう
こんなダンスは
できないのだから
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なに
勝手なこと
言ってんの?
そんなことないよ!
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たんぽぽ綿毛の子は
なぜか
語り手のワシに気づいてる(なぜ…)
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根付いた後も
風と歌うさ!
風のリズムに
乗るだけさ
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風とダンスを
踊るように
上下左右に乱舞する
そんな錯視が
ワシの目を過る
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雨が降る日は
太鼓になるさ
僕が雨音
響かせるのさ!
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雨粒の撥で
爆ぜるかのような音が
ワシの耳に木霊する
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晴れた日ならね
脈づくだけさ
光のぬくもり
トクトク聴くさ
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葉脈を巡る
大地から吸い上げた
水の音色が
ワシの耳をかすめてく
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根付かなかったとしても
それはそれさ!
僕は今
こんなに楽しい時を
過ごしてるんだから
邪魔しないでよね!
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…怒られてしまった
ならば
すごすご
退場しよう
たんぽぽ綿毛の子の
物語
続きは
あなたの
胸の中
黄色な太陽
タンポポを
咲かせても良し
逆も良し
よしなのままに
ご賞味を
※1
※2 oh! sushiさんという譜面師さんのカスタムソングです
…Oh!Shapeは、SynthRidersと違い、過疎化が厳しめな村なので、カスタムソングのサイトがバリエグく見にくいため、マッパーさんの名前のみ、共有させていただきました
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