【掌編小説】ワテの斧
🟨:
あー、アカン、オノを池ポチャしてもうたわぁ…。
どないしよ…。
…?
…な、なんや、あんさん!🟩:
ワテはこの泉の精やねん。
あんさんが落としたのは、この金のオノなん?
銀のなん?
それとも、コレなん?
🟨:
え?
えぇ?!
なんやの?
勝手に話進めんといて!
あと、その金と銀のオノ、発光しすぎて眩いねん!
光もうちょい抑えてぇな!🟩:
そら、すんまへん。
…こっちの質問に答えたってや。
🟨:
なんで、そっちが話の主導権とろうとするん?
唐突すぎて、あんさんには不信感しかあらへんのやけど…!
「ジト目にならざるをえない」とは、このことやわ!🟩:
そないなこと言われたかて、困りますわ…。
まぁ、せやったら、どうしたらエエの?
このまま泉に戻ってもエエの?
🟨:
ちょい待ち!
…。
その一番くすんでるオノ、ワテのオノっぽいねんけど、ホンマやろか?🟩:
え…?
どういうことやろか?
🟨:
怪しいわぁ…。
ワテのオノはもうちょい違う感じやったハズやけど!🟩:
どんなオノやったん?
🟨:
いや、そんな細かく覚えてへんねん…!
まさか池ポチャするとおもうてへんし、まさかクイズのお題になるなんて、考えてへんし!🟩:
クイズやないんやけど…
🟨:
せやったら、解答一択で問つくりーや!
…もうエエ、自分で泉の中潜ってオノ探すわ。🟩:
アカン!
勝手に入らんといてや。
🟨:
ナンデヤネン!
森の中の公共物やろ!
この泉!🟩:
せやったら、この三つあげますさかい、カンニンしたってや。
🟨:
ナンデヤネン!
いわれの無いものもらう義理ないで。
あんさんとは会うたばかりの縁やないか。🟩:
なんやの…。
せやったら、まずは、茶飲み仲間になるのはどうなん?
そしたら安心できるんやないか?
🟨:
そーやなぁ…。
…!
アカンアカン!
ワテの仕事ができひんがな。
木こりがオノもたんてどないすんねん。
…んー、金や銀は、やわこい素材やねんから、そのオノで木が滑らかに切れるとも思えへんし…。🟩:
長尺やなぁ…。
あんさん、内言できない系の人なんやな?
🟨:
うっさいわ。
人を前にして無言で考えるの性にあわんねん!
「今考えてまっせ」「無視してるわけや非へん」って、
したぁなるんやわ!🟩:
そうなん?
なんやようわからんところで、繊細で気にしいなんやな?
🟨:
…それはええとして!
うーん、そうやなぁ…、うーん!
…ヨシ!
シブシブ、納得出来ひんけど、シブシブ、その無骨のやつ、もろうたるわ。🟩:
ほんまでっか!
正解やわ〜。
ほな、この三つあげますさかい。
🟨:
ナンデヤネン!
何も話進まんやないか!
こっちの話ちゃんと聞いてるん?
ワテはその無骨なのを貰えればエエねん!
…ワテの愛オノじゃない可能性も拭えへんけど、背に腹は変えられへんわ!🟩:
ナンデヤネン!
こっちは、三つあげる、言うてるやろ!
…あんさん、あれなん?
山にこもりすぎてて、里のルール、何それ美味しいのになってるん?
🟨:
どーいうこっちゃ!
あと、なんや、キャラ被りしてへん?
せめて、あんさんは、「ウチ」とか分けてもエエんちゃう?
…ま、これがスキなキャラやねんから、「キャラ被り?なにそれ、美味しいの」でイテマエって思うんやけど!🟩:
なんでワテの方が自称変えなアカンねん!
てか、メタ認知的発言やめーや!
…。
金や銀があれば、オノふらんでエエんやないか?
安泰に暮らせるやろ?
🟨:
なんやそれ!
あんさんの善かれを勝手にこっちに押しつけんなや!
さぁとっとと渡しとき。🟩:
えぇ…。
ようわからんやっちゃなぁ…。
…せやったら、シブシブに、はい。
🟨:
まったく、もっとスムーズに渡してくれてもエエんに…。
変なクイズはやめてーな。
…ほんで、そのオノ、ホンマにワテのオノかって疑惑も拭えへんし!🟩:
なんや、不信感モリモリにマシマシやねんな。
こっちは、突然トマホーク飛んできて、ビビったんやで…。
ほんま、勘弁したってや。
🟨:
え!
いや、まさか、泉の中に誰かおるとは思わんし…。
そら、カンニンな。🟩:
華麗に避けたからエエんやけど。
…ほれ、しっかり握ってみぃ。
あんさんの手にシックリ馴染む感じ、どうなん?
その自分の感覚、信じたってや。
🟨:
ん~、そうやなぁ…。
やぁ、これは確かに、ワテの愛オノやわ。
…手が覚えてるとはこの事やねんな。
疑って、カンニンな。🟩:
ええねん。
ワテもそのままそのオノ返しとけばよかったって思うたわ。
🟨:
そら、おおきに。
いやー、ワテの目も、ちょっと、耄碌してるのかもしれへんわ。
…ほな、また来ますさかい、茶でもしばこか〜。🟩:
それもええね。
…あんな、あんさんに、入らんといてって言うた、この泉、実は妖技術の賜物やねん。
メッチャハイテクなんやで。
ランダムにこの森のオススメの場所教えてくれるんや。
🟨:
なんやそれ!
夢の機能やんけ!
…そりゃ、ザブザブ入って、壊したらアカンな!🟩:
せやろ?
やから、茶飲み仲間として、仲良うなれたら、そん時は、親しい友人二人同士で、泉がサイコロ降って教えてくれる場所行ってみるのはどうなん?
🟨:
面白そうやんけ!
…教えてくれるだけなん?
直接そこに移動できるとありがたいんやけど!
ワテ、慢性万年横着症やねんから!🟩:
そないな機能は非へんねん…。
まぁ、今後の妖技術の進歩に期待やねんな。
…せやかて、それができたら、歩かんくなりそうやし、
そこは自分の足で移動できたほうが、健康のためにもエエんちゃう?
🟨:
お!
確かにそうかもしれへんな。
散歩楽しいねんし。
「Run for Fun」ならぬ、「散 for Fun」やねんな!🟩:
ちょいと!
ここまでカタカナ言い回しルビ当てして回避してきたんに、その努力をぶち破るみたいなぶち込みやめーや!
あと、散歩における大事な要素の「歩」が消えてるやん!
🟨:
ツッコミ、おおきに。
「歩」!っと転じて「歩」ってことなら、素朴に将棋とか、盤上遊戯を一緒にしてもエエなぁ。
ただ、モクモクと、対局している時間は、エエやんな。🟩:
エエやん!
盤上遊戯、どんな種類のでも、ほれ、この泉からは出し放題やねんで!
🟨:
どんだけやねん!
便利すぎやわ!
どこぞのホニャララかいな?
…しらんけど!
こりゃ、あんさんと盤上遊戯しても、あんさんの初手で、こっちは、「お手上げ」するしか非へんわ。🟩:
なんやのそれ!
モクモク時間が霧散してるやん…!
…あれやろ?
ただ、ボケ倒したいだけなんやろ!
🟨:
ようわかっとるやん。
会うたばかりやのに、旧知の馴染のような理解度やないか!
まぁ、ワテがわかり易すぎるのかも知れへんけど。
…
せやな。
「バンザイ」や、
「ハイタッチ」やって、お手上げやし!
伸びてストレッチの可能性もワンチャンやな?
ただ手のひらを太陽にかざしているだけかもしれへん。🟩:
ジェスチャーしながら、チラチラウィンクやめぇな。
うまいコト言うたつもりなん?
ただ紛らわしいだけやわ。
🟨:
まぁ、ええねん。
こういう掛け合いすることも、盤上遊戯みたいなもんやわ。
黙々やのうて、喋々・滔々やねんけど。🟩:
対話劇で、文字のダブルミーニング表現やめーや!
「どう発音して、どう相手に伝えてるんや」って、読者が宇宙猫になりかねんやろ!
🟨:
かまへん。
すでに、メタ認知入りやねんから。
その後の「少し不可思議」なエッセンスありーので、きっと読者は、「あ…、雰囲気で読めばエエんやな、しらんけど」って思うてるはずやわ。
しらんけど。
…
ここで一句、やな!
【しらんけど 闇中見えぬ それを知る】
読者の気持ちは「しらんけど」領域やねんからな!🟩:
やから、そういうとこ!
唐突な一句のブチ込みやめーや!
あと、なんで急に読者意識しはじめるん?
…〆に向けてってことやろ!
🟨:
予定調和に話が早くてエエやん!
そんな、あんさんに…、あー、やっぱやめとこ。🟩:
なんやねん!
最後まで言いーや!
気になるやろ!
🟨:
やー、〆た後で、内々で言ってもエエんやけど…。
んー、言ったるか!
…なんや、この癖強話、公開したら、後から、後悔するんやないか、大海原に航海したくなるんやないかって、せやかて、折角創ったんや、そりゃ公開せな、後悔あるのみ、心の大航海か知らん…しらんけど…🟩:
「こーかい・こーかい」言いたいだけやろ?!
最後の大海原のくだり、ただただ冗長やねん!
余剰増しボケやめーや!
ほんで、そういうメタ認知、ほんま、どないやねん!
🟨:
ええやん!
ええ返しに大満足やねんで!
まぁ、もしも「…ハッ!」「…」「…フー!」「…ヘ!」「ほーぅ!」ってなったら、そりゃ、漫才の種とかにできて満足やって思うんやわ!🟩:
ちょ!
最後までちゃんと木こり役やりきっとけや!
ほんで、鬼が笑う未来のことは、秋の空人とは相性悪いねんで、ほんま。
その「Task」に疲弊しそうやわ…
🟨:
そん時は、伝家の宝刀、「糀中」看板を掲げて、よしなに醸して最高かい?な、再公開やねん!
シンドイ「Task」や無うて、スキな「助」もの目指してってやつやな!🟩:
なにサラッとご連絡的なものまで忍ばせてんねん!
…〆た後に聞けばよかったわ、ほんま。
あと、音で遊び過ぎや。
文字や無いと伝わらんやつ多めやねんで。
🟨:
やから、こっちは〆た後で言う、言うたやないかーい。
…「文字ゆえ伝わる」、ええやん。
「文字だからこそできる表現」言うのも、あるんやないかって思うねんし!
象形文字由来の漢字は、絵みたいな側面もありにけり、やな?
しらんけど!🟩:
世界観がシッチャカメッチャカになるやん!
もう、これ以上はええから、とっとと〆とき!
🟨:
…ほな、改めて〆とこか!
今日はもうこれでオシマイやねん。
一読いただいた読者には、感謝しか非へん。
ほんま、おおきに~。🟩:
せやな。
ほんま、おおきに。
再会、願ってますわ。
どうぞ、その時まで、味ようしたってや。
ほなまたな~。
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