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改革・新しい・生まれ変わる・刷新・新旧交代というワードにもう惑わされない

痛みを伴う改革
聖域なき構造改革
改革なくして成長なし
自民党をぶっ壊す

約20年前、時の首相が連呼するこれらのパワーワード。当時まだ若かった私は「既得権益がなくなれば日本が変わる!」と思い、この政権に賭けた。郵政改革に胸を躍らせ、政権に異を唱える議員を抵抗勢力と呼び、彼らの選挙区に刺客を送る、いわゆる郵政解散総選挙に熱狂した。結果、日本の莫大な富が海外に流れ、外資が参入し、日本経済も雇用もガタガタ。当時は,既得権益と闘うと言っていた本人が世襲議員という既得権益そのものであることに無知な私は全く気づかなかった。

そして、約10年前。大塚家具のお家騒動。高級家具の創業者である父と低価格でリーズナブルな路線に変更したい娘。若い世代に任せるべき。高齢者の感覚は古くて通用しない。この時も世代交代・新旧交代がテーマでした。家族が2つに分かれて非難を浴びせ合う株主総会を覚えている人も少なくはないでしょう。お家騒動の結果、父は匠大塚を創業し高級家具路線で成功。娘が引き継いだ会社は数年前にヤマダ電機の傘下に入りました。事業を成功させるのに年齢は関係なかったんです。

今回の自民党総裁選で、特に小泉進次郎氏や彼の応援団の言動を見聞きすると、この2つのイベントが思い出されてなりません。 改革・新しい・生まれ変わる・刷新・新旧交代といったワードは、現在の閉塞感を打ち破ってくれるかもという期待を抱かせますが、危険な面も持ち合わせています。壊すのは一瞬。再建してもう一度繫栄させるには何十倍何百倍の労力がかかります。途中で失敗に終わることも多く、改革前よりも状況が悪くなり、さらに国民が苦しむことになります。若いから、人柄が良さそうだから、選挙に勝てそうだからと安易な総裁選びにならないように期待したいものです。


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