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奨学金を借りて美大に通っていた私が今思うこと

先日ようやく、大学生の時に借りていた奨学金を全額返済をしました。
大学を卒業してから10年以上、ようやく借金がなくなりスッキリした気持ちです。長かった…

美大はとてもお金がかかる

私は都内の私立美大に通っていました。美大は一般大学に比べて学費が高いです。

都内の私立美大だと、年間200万くらい。
4年間で約800万。

当時の金額なので今は変わっているかもしれませんが、とんでもない学費ですよね。

父に反対されながらも美大へ

高校生の時、両親に「美大に進学したい」と言った時、父に大反対されたのを今も覚えています。

「美大なんて行って、将来食っていけるのか」と言われましたが、学費のことも大きかったと思います。

家は貧乏でもなく裕福でもない、一般的な家庭でした。800万といえば、当時の父の年収くらい。弟妹もいたので、簡単に出せる金額ではないです。
私は「お父さんには迷惑かけないから!!!」と啖呵を切り(本当に生意気でしたね…)、真正面から衝突した父とはしばらく口を聞かず、入学後もなんとなくギクシャクした関係が続いていました。

母は反対も賛成もしませんでしたが、私の思いを尊重して協力してくれました。受験のための予備校の費用、受験費用、そして学費も、母が用意してくれました。
しかしとても足りないだろうということは子どもだった私にも理解できていたので、少しでも足しになればと奨学金を申請しました。

母も働いていたとはいえ、すべて母の収入だけでまかなえたとは到底思えないので、おそらく父もお金を出してくれていたんだろうな、とは思います。

本当に両親には感謝しかありません。

「美大を出て食っていけるのか?」の答え

とにかく学費は高く、そしてとにかく忙しかった大学生活。

私は生まれつきのずば抜けた才能を持った人間でもなく、膨大な課題量と自分の無力さに向き合う時間はつらくもあったけど、本当にたくさんの学びがあり、一生忘れることができない経験をしました。

優秀な学生でもなかったんですが、就職は専攻内で一番に決まりました。希望していたグラフィックデザイナーでの内定でした。当時はリーマンショック直後で就職氷河期だったのですが、ものすごく早く内定がでたので嬉しかったです。

進学前に父に言われたこともあり、美大で学んだことを活かした仕事に就くことが両親への恩返しになるような気がしていました。

デザイナーとして新卒で入社した会社とは相性が良かったのか、なんだかんだで10年休みなく働きました。

大きな仕事も手がけることができて、実家に帰るたびに「こんな仕事をしたんだよ」と家族に見てもらっています。父とはしばらく関係が悪かった頃もありましたが、今は私の仕事を見せると「すごいじゃん」「これどうやって作ってんの?」と興味を持って見てくれます。

自分の仕事を目に見えるかたちで家族に紹介できるのって、とても嬉しいです。これはものづくりをする仕事の特権かもしれないですね。

好きなことを続けさせてもらえたことに感謝

自分が両親からもらったお金やサポートはまだ全然返せていないと思いますが、奨学金を返済し終えたことで一区切りがついた感じがしています。

改めて、私のわがままを聞いて、好きなことを続けさせてくれた、両親に感謝です。

今はコロナ禍でしばらく実家にも帰れていない状況なのですが、状況が落ち着いたら両親に旅行や食事をプレゼントしたいなぁ、なんて思っています。

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