誰も知らない(家族)
父は高圧的なところのある人だった。
気にくわないことがあると、でかい声でガンガン怒った。大雑把な人で順序立てた説明などせずに、とにかく短絡的に怒鳴った。兄に聞いた話だが、昔家に部下の人が訪ねてきて、会社での事で「あれは納得できません!!!」と直談判に来たが、すんごい怒鳴り声で追い返したらしい。超つおい。なので父がいるときはビクビクしていたと思う。自然が好きなところや優しいところもあったが、仕事が超激務で、当時は父自身心の余裕を全然持てなかったと思う。
兄も高圧的だった。こちらも声が大きい。
私のおやつが少しでも多ければ「お前ばっかりずるい!ずるい!!」と言いまくり、年の小さい私がへまをすると「お前はバカだ!」と言いまくる。思い通りにならないと、わめいて親を困らせていた。そして、前述の通りの父も怒鳴りまくる。ひでーなこれ。
そんな環境で育った私が、自分自身が人の顔色を伺う体質であることに気付いたのはごくごく最近で。それが当たり前であると生きてきたので気付かなかった。
人の顔色を伺っている人って全然魅力的じゃない。更に、自分を全然掘っていないから、主体性をあまり持てないと思う。
わりと好き嫌いがはっきりしていて、行動的だったつもりだが、若さというフィルターを失った今、身ぐるみが剥がれて、完全に何をしたいの?の人なんだよな。困った。
私は何をしたい、何の人なのかな?
(そんな私も怒鳴る側)