笑えなくなってしまった男

「ますだおかだ」の岡田さん?


彼はいいよねぇ。もはや“滑る”のが芸風になっている感じで。ウケないことが、逆に観客や視聴者にウケ入れられる、みたいな。

さらにひどい?パターンが滑舌のやたら悪い芸人? アレなんかも何を言っているのか分からないのが、もはや一種の「芸」なわけで……

もっともあの段階までにいくのが至難であり、同じタイプの芸人は二人もいらない。なので、いちばん最初に、そうした芸風を確立させた岡田さん達が羨望なのである。


お笑いではないけれど、ラグビー日本代表だった稲垣啓太選手の、プレイ以外のスタイルもいい。なにせ彼は、「笑わない男」として、世間でまかり通っている。

一緒にするのもおこがましいが、私だって本当は笑いたくないのだ。何にも面白くない…。しかし大人になって社会に出たら、愛想を振りまく必要性が多少は生じてくるわけで、無理にでも笑顔をつくらなければならない時がある。これが面倒くさいのだ。

はなから稲垣選手の、あの“笑わない“イメージが定着していたら、どんなに楽なことだろう。

そもそも私は病気を患ってから

「笑えない男」

になってしまった。心の底から笑ったのは近年でも数える程だし、撮影の際も笑顔をつくるのが苦痛で、大抵真顔…もしくは薄目の、ヘンな顔で収まっている。だから写真が大嫌いになった。

笑わないのはでなくて、笑えない。当然、見た目は無愛想に映る。そんな男を、誰も好んで受け入れようとはしない。

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