語彙力と表現力を豊かにするための書き方3つのアイデア
ブログ記事を書くためのノウハウや文章力アップに関する記事は山ほどある。でも、本当の意味で文章力を上げる、創作やエッセイのための文章上達方法とは何だろうか。
そもそも、ブログライティングと純粋な執筆とは何が違うのか。ブログにおいてはPV数がすべてであり、SEO(検索エンジン最適化:検索結果において上位表示されるためのテクニック)や、リンクのクリックを誘うようなライティングが重視される。
つまり、ブログライティングにおける「良質の記事」とは、
・分かりやすい文章
・最後まで読ませる文章
・キーワードが適度に盛り込まれた文章
・思わずクリックしたくなるようなタイトル
言い換えれば、誰にでも理解できるような分かりやすい(平易で奥行きのない)文章であり、最後までサラッと読める(スムーズに流れるような)文章であり、キーワードが繰り返される(同じ言葉の連続がくどい)文章であり、クリックしたくなる魅力的なタイトル(ともすればクリックベイト:煽動的なタイトルの割に中身は空っぽ)の文章なのである。
確かに、何か調べ物をしたいときは、気になることをサクッと解説してくれるブログ記事が必要なときもある。しかし、純粋に文章を味わいたいと思っている読者にとっては、こういうブログ記事には食指が動かないだろう。
では、本当の意味での文章力を育てるためにはどうすればいいのか。
文章力を鍛えるためには、多方向のやり方があり、複数の方法を実践することがおすすめだが、ここでは語彙力や表現力の幅を広げてより魅力的な文章を作るためのアイデアを紹介してみたい。
1.同じ語彙の繰り返しを最小限に
ブログライティングやウェブライティングの世界では、キーワードほど重要なものはない。ブログやサイト運営者はPVを増やして初めて収益を上げることができるので、検索エンジンからの集客が最重要事項だから。そのためには、検索されるであろうキーワードがきちんと文章とタイトルに盛り込まれていなくてはいけない。
そこで、文章内に「適度」にキーワードを繰り返して使うことになる。結果、ブログ記事内に、同じ単語が何度もしつこく登場する。
このタイプのライティングに慣れてしまうと、語彙力が貧困になるのは想像していただけるだろう。
読者の立場にしてみれば、ある意味「分かりやすい」文章かもしれないが、同じ表現や語彙が繰り返し登場する文章は単調でつまらないのである。だから、単語を繰り返すのではなく、何か他に言い換え出来ないか、常に考える癖をつけたい。
2.なるべく接続詞を使わずに書いてみる
接続詞とは、文と文とをつなげる言葉のこと。また、しかし、でも、ところで、なぜなら...などなど、たくさんある。これをできるだけ使わずに書いてみると、表現力が大きく伸びると言われている。
接続詞を使わないでも読める文章は、その段落構成や表現に工夫がないと成立しない。だから、文章力が伸びるということなのだと思う。
実際に試してみるとよくわかる。私もけっこう接続詞を多用する方のなので、いざ使うなと言われると非常にツライ...。でも、やってみるだけの価値はあるので、試してみてほしい。
どうしても接続詞がないとダメ、という場合でも、前のフレーズと同じ接続詞が続かないようにしてみよう。これだけでも文章にメリハリが出てくる。
3.なるべくカタカナ語を使わずに書いてみる
現代日本語は、本当にカタカナ語が多い。ウェブライターの世界では通常文字数に応じて報酬が支払われるが、カタカナ語の多用は文字稼ぎのテクニックでもある。だから、オンラインにはますますカタカナ語が氾濫する。
私もカタカナは苦手な方で、できるだけ使いたくないと思っているが、気が付くと自分の文章がカタカナだらけになっていることも少なくない。
カタカナ語って便利なんだよね、実際。定義があいまいなまま使われているカタカナ語もある割に、比較的新出のカタカナ語なんて「お前こんな言葉も知らないのか」と言われているような気になってくる。
カタカナ語に頼っていると、本来の日本語語彙が貧困になることは間違いない。そもそも、カタカナ語を使っている人はその意味が日本語できちんと定義できないからカタカナ語を使うのだから。
そこで、カタカナ語を使わずに文章を書いてみる。コミュニケーションなら「意思疎通」とすれば四文字ですむ。「コミットする」「エンゲージメント」なんて言葉、どういう日本語を当てればいいのだろう、と考えることが表現力を広げるのだ。
背伸びしない文章
語彙力を増やし表現力を広げるためのアイデアを3つ紹介してみた。ただし、自分の身の丈にあった語彙を使うことも大切だと思う。
いくらその言葉が美しくても、あまりに背伸びし過ぎると、借りてきたスーツを来た子供のようになってしまう。
読者もバカではない。作家の「尊大さ」や「誇張」は、すぐに文章から感ぐられてしまうものだから。
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