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とある92歳のおじいちゃんの話

今日はリハビリが休みの日なので自主練習。
入院中は筋肉が弱ってしまうので、退院した後も困らないように運動します。
運動といっても体が動かないので、廊下を歩くだけです。

いつもは優しいお姉さんと一緒に歩くのですが、今日は1人です。
1人でいると他の患者さんも話しかけやすいようで、おじいちゃんに話しかけられました。

休憩所のところまで歩いていたら、後ろからおじいちゃんに追い抜かされました。
すれ違う時に「がんばれ」と声をかけてもらい、嬉しくなりました。

休憩所に辿り着くと、おじいちゃんは笑顔で迎えてくれました。
そしてたくさんのお話をしてくれました。

老苦
ろうく/老苦
四苦の一つ。衆生が逃れることのできない、年老い、心身が衰退していく苦しみ。肉体的苦痛だけでなく、老という事象に対する精神的な不安や苦悩も含む。
【執筆者:南清隆】

最近知った言葉、老苦。
まさにおじいちゃんは老苦に苦しんでいました。

歳を取れば体のあちこちが痛くなる。
こっちが治ればあっちが痛くなる。
何度も救急車で運ばれて、「次は楽になれるかな」って思うのに、なかなか逝けない。

92歳にもなると友達がいなくなる。
友達はみんな85歳くらいで逝った。
独りは寂しい。
山の中に住んでいるので、周りは空き家ばかり。
近所に人がいなくて寂しい。


書いていて、涙が出てきました。
すごく悲しい。

これが老苦。

今日、おじいちゃんの話を聞いて、おじいちゃんは少しでも寂しさを埋めることができましたか?
笑顔の優しいおじいちゃんのお話でした。

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