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【お仕事コラム】職場での「距離感バグ」


職場での人間関係において、「距離感」をうまく保つことは非常に重要です。距離が近すぎると、プライベートな話題が多くなりすぎたり、無用な摩擦が生まれることがあります。エスカレートするとそこから関係がこじれて壊れるどころか退職を余儀なくされるなど思いもよらない方向に進んでいってしまうことさえあります。
一方で、遠すぎると、冷たい印象を与えたり、コミュニケーション不足が生じることも。さらに、距離感が極端にズレている人との対応には、特別な気配りが必要です。
今回は、会社員としていくつかの会社を経験してきた私が距離感がバグっている人への対処法や、適切な距離感を保つポイントについて、具体例を交えて考えます。特にこれから社会に出る方はぜひ参考にしていただきたいと思います。




うっかりやってない!?
【ドン引き】距離感バグ体験談


まずは私が今まで遭遇した距離感バグについてお話しします。「会社の人は友達ではない」という前提のもと、距離感バグの事例を3つ紹介します。

【事例1】初対面でのディープなプライベート共有

転職してきた40代女性。朝礼で自己紹介があり「子供が2人います」と言っていたので、昼休みに「お子さんは何歳なんですか」とさりげなく聞いてみたところ、「息子が中1で娘が5年生です」と。そこまでは良かったのですが…「娘、昨日初めて生理になって」といきなりの初潮迎えました報告。味噌汁を吹きそうになりながらも、「お、おめでとうございます」と言うしかない私。それ初対面の人に言うやつ?これは私の経験の中でも過去一の距離感バグと言っても過言ではないでしょう。こうした必要性のないプライベートな情報は、聞き手を困惑させる典型的な例です。  


【事例2】金銭感覚バグ×距離感バグ


会社の飲み会でのことです。同僚の女性がふとした会話の中で、「実家の父は会社役員なんだけどね…」と話し始めました。その時は特に自慢のつもりもなく、ただの話題の一つくらいの感覚だったんだと思います。でも、その話が進むにつれて、「土地は親に買ってもらった」とか「子どもの学費、塾代はじいじが全部出してくれてるから(たとえ高額でも気にしたことない)」なんて話が出てきて、周りの空気が少し微妙に変わったのを感じました。
その人にとってはそれが当たり前の環境だったんだと思います。でも、これはまさに「金銭感覚バグからくる距離感バグ」。本人にとっては普通のことでも、聞く側にとっては経済状況を比較したり、不快感を覚えたりする原因になりやすいですね。特に職場は、能力や成果で評価される場なので、プライベートな経済事情は話題にしないほうが無難です。 経済状況の話題は簡単に出してしまうと距離感バグに繋がるものだと、改めて注意が必要だなと思います。


【事例3】「旦那が」「嫁が」の多用

 「ねえ聞いてよ、旦那がさ~」と話し始めたら要注意です。先日も職場の人の何気ない話に「どうしました?」なんて相槌を打っていたら、出てきた話がなかなかにくだらなくて衝撃。「旦那が最近夜中にゲームばっかりして全然寝なくて。だから朝起きられなくて私が毎日叩き起こしてんの」「しかもトイレットペーパーの芯を絶対に捨てないの!置きっぱなしで私に片付けさせるの、本当にありえない」と、だんだんと愚痴のオンパレードに。いや、これって職場で話す内容?さすがに生産性なさすぎる…。時間返して。  そもそもあんたの旦那知らんし。
こういう「旦那が~」「嫁が〜」から始まる会話って、知らないうちに家庭の内情を丸裸にしていくんですよね。私としては、正直どうリアクションを取ったらいいのかも分からないし、聞いていてどっと疲れることが多いです。
一方で、他の同僚で「夫が」「妻が」という表現を使う人たちからは、くだらなすぎる話はほとんど出ない傾向があります(私調べ)。「旦那が」「嫁が」というカジュアルな言い方をすると、ついプライベート感が出すぎて距離感バグが発生するんだなと気づきました。
というわけで職場ではやっぱり、家族の話題も程よいフォーマルさを意識したほうが、お互いに気持ちよく過ごせるなと、改めて感じた出来事でした。

ちょっと逸れますが個人的に「旦那が」「嫁が」という言い方もどうかと思うのですが、自分の身内を人に「旦那さんが」「奥さんが」と話す人いますよね。あれが一番恥ずかしい。

プライベートな話題の取り扱い


職場では、「必要な情報だけで十分」というスタンスが最もストレスを減らせます。  何度も言いますが職場の人は友達じゃないので。

話すべき情報の範囲 

  子どものお迎えや家族の介護といった、業務やシフト調整に関わる情報は共有すべきです。しかし、それ以上のプライベートな話題は基本、互いに話さなくてOKです。むしろ、話題を深掘りすることで、受験や進学など余計な問題に巻き込まれることもあるため注意しましょう。必要以上に知ろうとしない、興味を持たないという姿勢も大事です。

【重要】でも共通の話題の欠如は×

  一方で、全く話題を提供しないのも問題です。たとえば、世間で話題になっているニュースや一般的なトピックについて何も知らないのは社会性がないだけの人。ただの世間知らずです。推し活や趣味に没頭するのは良いことですが、それ以外の話題を持たないのは社会人としては厳しいです。職場の人間関係をスムーズにするためには、最低限の社会的な関心を持つことが必要です。天気の話だけではダメなんです。


距離感バグ同僚への対応法 


自分は気をつけていてもいざ距離感バグってる同僚が現れたらどうしたらいいの?−–− 対処法は至ってシンプルです。

軽く流すスキルを身につける

  突然プライベートな話題を振られたら、「そうなんですね」「大変ですね」と軽く受け流しましょう。それ以上話を掘り下げず、別の話題に自然に切り替えることが重要です。  

境界線をはっきりさせる

  必要以上にグイグイくる人に対しては、はっきりと線を引くことが必要です。「それについてはあまり詳しく知らないんです」や「そういう話はまた別の機会に」といった表現で距離を保つのがおすすめ。最終的に自分のプライベートを守るためにはサッとその場を去るのが一番です。

共通の話題を意識する

  大事なことなので繰り返しますが、趣味の話や家族の話に偏りがちな同僚に対しては、誰でも共有できる話題を提供することが有効です。天気の話以外にもネタを持つことが重要です。たとえば、世間のニュースや季節のイベントについて触れることで、会話を広げやすくなります。 「職場の近所のお弁当屋さんの新メニューが美味しかった」「今、そこのガソリンスタンドがめっちゃ安くなってる」 といった身近な話が意外と盛り上がるのでネタを持っておくのもおすすめです。

しない!させない!
距離感バグ防止の心得


ここまで紹介してきたように、距離感バグは円滑な社会生活を壊す要因の一つです。本来、会社は正常な経済活動を営むために人が集まっている場所なので、職場の人間関係がその経済活動を邪魔するべきではありません。距離感バグはできるだけ排除していきましょう!

観察力を活用する

  相手の話し方や態度を観察し、どの程度プライベートな話題を共有したいのかを見極めましょう。フレンドリーすぎる人には少し距離を置き、控えめな人にはこちらから話題を提供するなど、相手に合わせた対応が求められます。  

必要以上に踏み込まない

  プライベートな話題は、相手が自ら話す場合にのみ付き合う程度で十分です。話題を深堀りせず、仕事に必要な情報交換を重視するスタンスが理想的です。  間違っても相手に乗って自分のプライベートを晒しすぎないように!それが距離感バグの始まりです。

バランス感覚を磨く

  遠すぎず近すぎずの距離感を保つには、日頃から自分の言動を意識することが重要です。たとえば、仕事の内容に集中しつつも、適度に雑談を挟むことで親しみやすさを演出できます。  「何も話さない人」ではなく、無難な話ができる人になるのがベスト。それこそが社会人です!


距離感バグ防止で快適な職場に!

適切な距離感は、職場での快適な人間関係やスムーズな業務の基本です。プライベートな話題は必要最低限に留めつつ、共通の話題をうまく活用して、相手との適度なバランスを意識することが大切です。そして、もし「距離感バグ」に出会ったとしても、軽く流すスキルや境界線を引くコツを使えば、自分らしく安心して働ける空間が作れるはず。相手に振り回されるのではなく、自分から働きやすい関係性を築いていきましょう!


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