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初めての海外がワーホリで、メルボルン
私のワーホリは9月から。灼熱日本から春先のメルボルンへ。
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海外初渡航の私は、エコノミークラスのアホみたいな狭さも、鬼のような機内の乾燥も、全てに圧倒されながらメルボルンへたどり着いた。
空港の中で荷物レーンを見失い、なんとか荷物を回収し、関税へ進む。私は持病の薬と、あといくつか市販薬を持っていたので有人のレーンへ。正直一番心配していたのがこれ。
もし薬を取り上げられたらどうしよう?
私は震えていた・・・
「何を持っていますか?」(関税の人。めっちゃ日本語)
「く、薬です!」
「自分のものですか?」
「そうです!」(すぐ出せるよ!英文説明書も、英文診断書もあるぜ!)
「では、3番へ」
3番、3番か・・・たぶんカウンターとかあって、そこで見せるんやろか・・・大丈夫。全部まとめて袋に入れてる。焦らずにこやかにおもむろにスマートに時には冗談を交えてかばんから薬を取り出す。そうすれば問題ない。
そう決心して歩き、3番の何かしらを探していると、私はいつの間にか関税から解き放たれていた。そう、空港のロビーにいた。
「え?3番は?」
え?関税終わった?何も見せてないし、何の薬かも伝えてない!どうすんだ、これがちょっと嗜むコカインとかだったら?普通に通れちゃってるけど?
え!?ていうかこれ、なんか密輸入みたいになってないか!?!?
私は3番の何かを探した。無かった。そこにあるのは、Welcome to Melbourne!と、カフェとケータイのSIMショップだけ。
想像していた3番カウンターも無ければ、一万五千円を払ったホームステイ先への送迎の運転手も居なかった。
終わりました。
とりあえず、ロビーの真ん中にでーんと座っているデカいおじさんに聞いてみることにした。ただのおじさんではない。インフォメーションのマークを掲げたおじさんだった。
「Hi, ah…when I went through the custom, I was told "you're number three". But I can't find 'number 3' Where is that?」
めちゃくな英語だが、税関で君は3番と言われたけど3番が見つからない。それはどこにあるんだってことを聞いた(つもり)。
おじさんは不可解な顔をした。私は「税関で!3番って言われた!どこ!?(ほぼ英単語)」と繰り返したが、おじさんの顔つきは険しい。
おじさんは少し考えた後、そうだ!と思いつき、スマホを取り出してGoogle翻訳を取り出した。この時点で私はもう笑ってしまっている。
違うんです。たぶん私は必要な情報は話している。そしてあなたは聞き取れているはず。私たちに必要なのはGoogle翻訳では無い。先ほど税関に居たいやに流暢に日本語を話す白人のお兄ちゃんがここに居れば解決する。
私は促されるままおじさんのスマホに日本語を話し、スマホは私とほぼ変わらない英語でおじさんに質問を浴びせた。おじさんは顔をしかめ、少し考えて、スマホにこう呟いた。
「Sorry, I can't understand you」
「すみません、あなたの言っていることがわかりません」
響き渡る機械の声。
それくらいの英語、分かります・・・!!!
その後、完全に遅刻してきた送迎のおっさんと合流し、一応同じことを聞いてみた。「あなたは3番の意味が分かる?(英語)」と聞くと、「Yes」と言う。・・・会話終了。
違う違う。こういう時は分かったら説明すんだよ日本ではよ!!と思って「どこ?」と聞くと、「あっちだ」と空港の外の道を指さされた。
そんなわけねーだろ。
え?そうなの?だってそれだと関税で変な薬持ってる人が空港飛び出して3番の何かしらに行くってこと?そんなことすると思うか?変な薬持っているやつが?(持ってません)
もう、だめだ。お手上げ。降参です、参りました。
あの関税のお兄ちゃんと私と運転手のおっさんの ’3番’ が同じものとは到底思えない。
お兄ちゃんの3番は、じゃあ・・・なんかもうあれ。何か隠語というか、そういう感じのもだったんじゃない?ほら、スーパーとかで働いてるとさ、「1番(休憩)行ってきます」とか言うやん。あれみたいなもんちゃう?なんで私に隠語を言ったのかはもうさておいて。
ほんで私。申請したものを確認するカウンター的なところ。でもこの3番はもう、想像でしか無い。イマジナリー3番。
おっさんの3番。知らん。どこだ、空港の外の3番って。それこそトイレ(隠語)か?
もし仮に私が密輸入者になっていたとして、まずまずあのガバガバな関税に責任があると思う。さらに仮の仮で空港の外に私の思う3番があったとして、建物設計がアホすぎる。それも私には想像が及ばないこととして片付けて貰いたい。
「行った方が良いの?その、3番には」
私が問うと、おっさんは優しく首を振った。
私、オーストラリア苦手かもな。
これが私とメルボルンとの出会い。
(帰るときに空港で止められたらどうする?てずっと怯えてます)