ぶつかり合うことについて


昔、関口誠人さんは笠くんと取っ組み合いになったことがあったんですね
理由は覚えていなくて些細なことだったようですが
笠くんの力が強くて参った、とXの中で思い出話しを語ってくれました
(関口さん、勝手に引用してごめんなさい)

喧嘩できる関係っていいな、って羨ましく思いました
(力づくの喧嘩はよくないっていう方もいるとは思いますがそこはひとまず置いといて)

面倒なことになるのは嫌だからとか
どうせ言っても伝わらないよとか
伝えたいことを我慢していると
ストレスが溜まって相手を避けるようになってしまったり、嫌いになってしまうこともあるでしょう

力づくの喧嘩は避けたいですが
本音でぶつかり合うことでその後の結果はともかく、互いが納得する、それもいいのではないかと思うのです



この先の話は私の個人的なことになります

私は子供の頃から自分は存在価値がない人間だと思っていました
そのため自分を認めてもらいたくて、どんなことがあっても自分を好きでいてくれるのだろうかと不安になり
自分と親しくしてくれる相手に我儘を言ってそれでも受け入れてくれるのか、自分を捨てずにいてくれるのだろうかと相手を試す癖がありました
見捨てられ不安というものなのでしょうか
その癖は当時は自分ではまったく気づいていなくて無意識にやっていたことです


なぜ自分に価値がないと思うようになったのかと
記憶を遡ってみました


私はニ卵性の双子です
難産だったようで、私は仮死状態で、もう一人(双子の妹:仮名マアちゃん)は正常に産まれました
私は小さく産まれたこともあり
その時に担当した医師にはこの子は助かるかわからないと言われたようです
そしてもし私が亡くなることになったとしてももう一人(マアちゃん)いるからいいじゃないかと言ったと
その後母から聞きました
(それに反して私は生きてしまったんですけどね)

マアちゃんとは体格差やその後の様々な能力の差はありましたがそれ以外は仲の良い姉妹として育ったと思っています

幼稚園くらいの時だったと思います
子供のいない叔父夫婦がいたのですがその叔父の家によく泊まりで遊びに行っていました
いろんなところに遊びに連れて行ってくれとても可愛がってくれました
その時に「おじちゃんの家の子になっちゃいなよ〜」とニコニコしながら叔父が言っていたのを思い出します

後に母親から聞いたのですが
叔父夫婦は子供に恵まれず、双子の私たちのどちらかを養子に欲しいと言っていたようです
その時にどちらかというと体格的に劣っている私の方であれば私の両親も手放しやすいのではと
私を欲しがったようです

結局のところ
私の母が養子に出すのを反対したためその話は無くなったようです
このことは自分も幼かったこともありよく覚えていないのですが


一番最初に自分は存在していていいのかな?と思うようになったのは
小学1年の入学式の時だと思います
その時のことは今でも忘れません

入学式当日、私とマアちゃんは母親に連れられ小学校に向かいました
校門をくぐり、校舎近くの掲示板の前に行くとクラス分けの張り紙がありました
新入生は1組から3組まであり
私は張り紙に書いてある名前を目で追いました
平仮名で大きく書いてあるので1年生になったばかりの私でも探すことができました

1組、名前見つからず
2組、名前見つからず
3組、マアちゃんの名前あった!
マアちゃん3組だね!!私は?あれ?私の名前ないよ、、、

その後母親と何度も張り紙を見直しましたが私の名前はありませんでした
そして母親は先生に事情を話しに行きましたが
その間私はその場に取り残され
不安でいっぱいだった記憶があります

新入生名簿に私の名前がなかったはっきりした理由はわかりません
住所や誕生日が同じ生徒が2人(双子ですから当然ですけどね)だったから重複手違いがあったと思って削除したとかそんな理由だったと思います

とにかく、
私は今ここに存在しているのですから(笑)慌てた先生たちがとりあえずマアちゃんと同じ3組に入るように言ってくれました

教室に入ると机があり、その上には
「入学おめでとう」と書かれたメッセージカードと薔薇の花飾りがついた赤い名札が置いてありました
新入生は自分の名前が書かれた名札を胸に付けて誇らしげにしていたのを思い出します

来る予定ではなかった新入生の私のために急遽用意してくれた机は
教室の一番後ろに置かれ
机の上には入学おめでとうのカードも名札も何もありませんでした
(後で名札は用意してくれましたが薔薇の飾りはありませんでした泣)

双子であるマアちゃんは私の少し前の席に座っていました
マアちゃんにはカードも名札もあるのに
私は何もないんだなって

悲しいというよりも
自分はここにいていいのかなって
なんだかその時、そう強く感じて体を硬くしてじっと座っていました


小学校に入ってからも
私は小柄であったこともありイジメの対象になることもよくありました
マアちゃんはイジメられることはありません
マアちゃんはどちらかというと美人で学級委員に推薦されるくらい優秀で皆が憧れる存在でしたから
学校の先生や友達にはいつもマアちゃんと比べられて
「マアちゃんは出来るのになぁ」とあからさまに言われたり失敗を笑われたりしたこともありました

両親は比較することはありませんでしたし、マアちゃんもそうだったので家の中で私が卑屈になることはありませんでしたけど


その後も
高校の入学手続きに行くと名簿に名前がなかったり(ありえへんミス)
就職では私だけ内定取消しの目にあったり(これは学校側と就職先のトラブルに巻き込まれた感じです)

他にもいろいろとありましたが割愛します

とにかく自分はこの世に本当にいるんだろうか?存在していていいんだろうか?という事件が笑えるくらい多かったんです
今だから笑って話せますが
当時は本当にショックだった

でもね
その時に私、何も言えなかったんですよね
自分がこんなに理不尽なことをされているのに

抗議したり
怒ることも
泣くことも
しなかったの

自分が悪いのかな
皆んなに迷惑かけちゃってごめんなさい、そう思ってしまって
我慢しちゃったの

あの時、我慢しないで自分の気持ちを伝えられたら、吐き出せたら
どうなっていたんだろう

だから
関口さんと笠くんが取っ組みしたって聞いてなんだか嬉しくなっちゃったっていうか
いいなぁって思ってしまったの



これらことだけが私の見捨てられ不安の原因ではないのかもしれないけど
要因のひとつではあるのかなって思っていて

自分のことを愛してくれてる人に
素直に飛び込んでいけなくて

自分の存在意義を確認したくて
我儘を言って相手を困らせ
それでも私を見捨てずに愛し続けてくれるのかなって

心の中では
こんなことをやっていてはいけないって思っていたけどできなかった
そんな私を見捨てず見守ってくれた人がいたのですが
その大切だったひとが
突然いなくなってしまった
いなくなってはじめて自分の愚かさに気づくなんて
遅すぎますね

相手に本音で気持ちを伝えることができなかったことを今でも後悔しています
謝ることもできなかった
だからこの先はぶつかり合ってもいいから相手と向き合っていきたい、そう思うのです
































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