上海電力「ステルス参入」の怪|橋下徹研究②の要点切り抜き/Hanadaプラス

「咲洲地区は大阪の宝石箱」

咲洲には「大阪府咲洲庁舎」という、日本第4位の256mを誇る超高層ビルがある。
しかし開業直後から赤字を垂れ流し

2003年に運営会社だったWTC(ワールドトレードセンター)が事実上倒産し、大阪地方裁判所に特別調停を申請。

ところが橋下徹氏が2008年に大阪府知事になると
咲洲地区は大阪の宝石箱」などと言って知事主導で咲洲開発を推進。
そのシンボルがWTCビルの買収プロジェクトだった。

このビルは耐震強度に問題があるとされ、全壊の危険性も指摘されていた。
大阪府議会で府のビル取得に強い反対意見が出され、結局、府機能の移転は府議会で否決

それでもなお、橋下知事はビル取得に固執
2009年10月には「府機能は移転しないがビルは買収する」という極めて異例の結論になった。

しかし、その後大阪府は、議会や府職員の反対にもかかわらず、府の行政機能の多くを買収したビルに順次移転
ビルの名前も「大阪府咲洲庁舎」となった。

橋下徹強引だな!

いや、どこが咲洲地区が大阪の宝石箱?

[産経新聞2016年1月5日]
「いつもガラガラ大阪府『咲洲庁舎』
 初のテナント募集応募ゼロ!」

一般テナントが次々と撤退。


当初の発電請負は日本企業だった

「咲洲庁舎」からほど近い、埠頭の北西端の広大な土地で、巨大メガソーラー事業が展開。

大阪府のホームページによると、発電量は2.4メガワットで、事業者は
合同会社咲洲メガソーラー大阪ひかりの泉プロジェクト
となっている。

2012年にはこの土地でメガソーラーを実施する事業者として、2つの会社が合同でプレスリリースを発表。
その2つの会社が「伸和工業」と「日光エナジー開発」。

プレスリリースでは、この2社が咲洲埠頭コスモスクウェア地区北西端の土地を月額55万円で借り受け、1年後にメガソーラーによる発電事業を開始することになっていた。

ところが、発電事業は予定通りには始まらず、1年半後の2014年5月にようやく電力供給が始まった。
蓋を開けてみたらこの施設を実質的に建設・運営しているのは「上海電力」であることが明らかになった。

上海電力のホームページ↓

「大阪市南港咲洲メガソーラー発電所の定格出力は 2.4 MWで、上海電力日本株式会社が日本で初めて建設したメガソーラー発電所です。また、大阪市で稼動した初のメガソーラー発電所になります。
 当発電所は大阪湾に面して、工業港に近く、大阪の国際貿易の窓口である地域であり、地形が平坦で、日差しが豊かな、メガソーラー発電所には理想的な立地です。
 当発電所は上海電力日本株式会社と日本伸和工業株式会社が共同で投資したプロジェクトで、 2014 年 3月 16 日に建設開始、2014 年 5 月 16 日に稼動しました」 

「上海電力」は、上海証券取引所に上場している「上海電力股份有限公司」という中国の会社の100%子会社だ。

メガソーラー事業は設置・運営コストを差し引いてもおおむね10%程度の利益が見込め、世界的な低金利の中では高い収益が期待できる。
大阪府は咲洲のメガソーラー事業で、毎月巨額の利益を「上海電力」と中国政府と中国共産党に献上していることになる。

すべての事象が橋下時代に起きている

橋下徹氏は大阪府知事と大阪市長を以下の期間務めた。

・大阪府知事 2008年 2月6日~2011年10月31日
・大阪市長  2011年12月19日~2015年12月18日

橋下氏は知事として市長として、上海市との関係強化に取り組んできた


当初は日本企業による事業を標榜。

>2012年にはこの土地でメガソーラーを実施する事業者として、2つの会社が合同でプレスリリースを発表している。
その2つの会社が「伸和工業」と「日光エナジー開発」。

にもかかわらず、1年半後、事業主体がいつの間にか「上海電力」という中国の準国営企業にすり替わっていた。

事業主体の変更について大阪府の過去の報道発表を探してみたが、該当するものは発見できず。

上記全てのプロセスが、橋下氏と大阪維新の会が大阪府政を牛耳っていた時期に行われた。

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