回顧2023(映画館鑑賞)
■映画(劇場鑑賞)24本
◇新作(海外:11本/邦:4本)
〇旧作(海外:7本/邦:2本)
◇みんなのバカンス
不器用で可愛い人々のお話。なごんだ。
◇ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY
ホイットニー歌唱を満喫。ナオミ・ワッキーさんはうまく擬態できていたと思います(歌は吹替。ホイットニーオリジナル)。しかしアメリカン・スター歌手の定石物語すぎて、もう細部が思い出せない。
◇猫たちのアパートメント
猫好き保護系の人たちはやっぱりちょっと狂っている(いい意味です)
◇モリコーネ 映画が愛した音楽家
やはり映画館で観るべき聴くべき映画とは思う。音楽は耳なじみがあるけど、実はその映画自体をちゃんと観ていないことを自覚しました。
◇別れる決心 ★
美しくて奇妙で、不思議な違和感がずっと跡をひくサスペンス。
〇リコリスピザ
アメリカンハイスクール物語だけど美男美女じゃない主人公たちが21世紀ぽい。可愛い話になごむ
◇エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
おもちゃ箱みたいでめくるめく楽しいけど、これがオスカー作品賞なのか?という疑問は浮かぶ。花様年華のパロディにはホンワカしました。
それにしても、今年の授賞式のあれこれを思うにつれ、去年のこの快挙を白けて観てたひとびとがいたんだなと思い知る。
◇シン・仮面ライダー
浜辺美波さんのポテンシャルの高さを知った2023年。
〇若き仕立て屋の恋
WKW未公開。フェティシズムに満ちていて、やっぱり好きな世界。
熟したチャンチェンにコンリーがよかった。
〇YOYO
ピエール・エテックスの様式美。モノクロの夢を見ているみたいだった。
◇銀河鉄道の父
賢治のヤバイ面に焦点が当てられていて、ヤバイ感じを出すのは
菅田将暉うまい。森七菜トシは健康的すぎるでしょ!と思ったけど
ひたむきさに説得力が。役所さんはさすがで、けっこう白けて観ていたはずなのに、クライマックで役所父に泣かされました。
◇TAR/ター ★★★
善悪混沌、清濁併せ持つカリスマ指揮者のケイト様とか予想どおり最高でしかなかった。ホラー要素は控えめだけどじんわり効いてきて、観た夜は浅い眠りと悪夢を往復しました。
◇アフターサン ★★
父の娘。動画の時代は色々と生々しく思い出せて切ないですね。のんきだった私の亡き父にもいろんな葛藤や屈託はあったのだろうなと想像する。カラオケは娘に率先して歌っただろうけど。
〇春を待つ人々
武満音楽映画を映画館で観る会、2023年の1本。選挙に出る父が佐分利信、愛人が沢村貞子、娘が有馬稲子、婿が佐田啓二、息子が川津祐介、その恋人が岡田茉莉子、秘書が高橋貞二と豪華な顔ぶれ。昭和30年代のいろんなインテリアや街の風景を観るには楽しい映画でした。
◇バービー ★
製作のニュースのときから楽しみだったし、マーゴットバービーもゴズリンケンも美術も衣裳も物語の構造も、ほんとよくできていて好きな世界。何よりアグリーベティが好きなので、大人になったアメリカ・フェレーラのピュアな良さが存分に出ていたことにも感激。
◇アステロイド・シティ
ウェス・アンダーソンの映画はアート鑑賞と思えばいいと思うよ。でもいま思うとあの町はマンハッタン計画のロスアラモスだったのか。
◇ミステリという勿れ
田舎の豪族の遺産争いとかいうテーマには1ミリも興味が持てませんでしたが、原菜乃華さんはフレッシュでよかった。
◇ゆとりですが何か
面白くないわけではないけど、テレビドラマシリーズでじゅうぶん、という
気はした。ただし韓国人上司の木南晴夏(この設定は聞いた瞬間に最高やんと喝采)とあかねちゃんの安藤サクラは、やはり素晴らしかった。
◇サタデー・フィクション
コンリーとオダジョーと中島歩の上海租界ノワールもの、という絵柄の印象だけで観てしまう。寝不足もあいまりちょっとあんまり記憶が…
〇誘惑(1957)★
東郷青児出演の中平康作品。シネ・ヌーヴォ芦川いづみ特集のトーク回で、いづみ本を刊行したばかりの往年マニアさんとそのお仲間(おそらく70~80代)が、昔のCMビジュアルをスクリーンに映しながら熱くいづみ愛を語るという楽しい会に居合わせる。曰く、昭和の女優ファンといえばサユリストが幅を利かせているが、いづみ様はもっとモダンでおしゃれで貧乏くさくない…など、サユリストが聞いたら刺されるで、というような推し語りに心あたたまる。その通り女優さんはみんな中原淳一みたいな可愛い装いの楽しいモダンな映画でした。あの銀座のふきぬけ喫茶店に行ってみたい。
〇オアシス ★★★
イ・チャンドン初体験。ほんとうよかった。感動が今もなお消えない。
主人公ふたりがこの先また一緒に過ごせる日が来るか、幸せになれるか、またやらかしたり、辛いことが起きたりがきっとありそうだけど、薄暗いアパートに差し込む光に埃がキラキラ舞うみたいな、タペストリーに美しい物語があるような、いろんな現実と理想がどんな境遇の人にもあることを思い知らせてくれる。
〇シークレット・サンシャイン ★★
イ・チャンドン レトロクペクティブを観れるだけ観よう会第二弾。
子どもを殺されて宗教にハマるシネさん(永作博美に似てる)もよかったけど、シネさんに片思いするキムさんがダサくて可愛くて、ほんとソン・ガンホって絶妙よな、と実感する。
〇ペパーミント・キャンディ
オアシスのソル・ギョングとムン・ソリがまったく違う役で共演している。時系列を遡るのがミステリアス。拷問場面とか容赦なくてキツイ。ペパーミントキャンディが出てくる場面が切ない。
〇グリーンフィッシュ
ヤクザもの韓国ノワール。そのジャンルをたいして観てない自分にもよくあるパターンとの印象を受けたけど、それをけっして美しいものとは描いていないのがよかった。
バーニングは公開時に観ているので、これでイチャンドン作品はポエトリー アグネスの詩以外を観ることができて満足。2023年はイチャンドンで暮れました
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TCGとシネ・ヌーヴォ会員を継続。しかしシネ・リーブルはおととしのテアトル閉館以降、上映作品数が多すぎて観たい作品が観たい時間に観れないことが多すぎるのも困る。TOHOマイレージは会員デーでも1300円払わねばならないのがモヤるので更新停止中。
何かと値上げきびしく本数も減る。新作旧作かぎらず配信で観れない作品を1000円くらいで観て、パンフレットを買うというのが理想なんですけども。
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