パートナー選びと会社選び
昔から集団行動が大嫌いで、学校に馴染めなかった私は、今も会社が嫌いだ。
新卒で入った会社だけは日系だったが、合わなくて第二新卒のタイミングで辞めてしまった。それから外資を渡り歩く自分は、どの会社に言っても会社のことを好きになれない。正直、そんな自分に嫌気が刺す。
かと言って、独立して今と同じお給料を稼ぐことはすぐには難しいことは百も承知。生活するのにお金が必要だから、会社勤めをしている。
複数回の転職を経て、恋愛と会社選びは似ていると思うようになった。
女性であれば誰しも、「カッコよくて優しくて、お金持ち」な王子様との恋愛を一度は夢を見るだろう。でも、完璧な相手など、存在しない。結婚相談所で働く友人が言っていた、「条件を一つに絞れる人は強い」と。正直、相手に求める条件を挙げたらキリがない。ただ、一つに条件を絞れれば、意外と結婚まですんなり行くものらしい。お金さえあれば良い、身長180センチ以上、とにかく優しい、とにかく顔がタイプ、などなど。だけど、たとえば年収は3,000万円あるのに太っている、とか、顔は好きなのに身長が低いとか、自分が譲れない条件は満たしているのに、どんどん足し算をして「もっと、もっと」と渇望してしまうといわゆる婚活地獄にハマってしまうと。
会社選びも同じこと。年収さえ良ければ良い、フルリモートさえできれば良い、立地さえ良ければ良い、1つだけ満たしていたら十分だと考えるべきだ。恋愛然り、仕事選びにも桃源郷は存在しない。
そもそもきっと、自分が会社を立ち上げたところで、パーフェクトな会社にはならない。
とは言え、小さな違和感は大事にした方が良い。恋愛でも、「あれ、運転中に暴言を吐く人だったっけ」、「この前も仕事って嘘ついて飲み会行ってたな」とか、その時に感じた少しの違和感は時が経てば経つほど、どんどん大きくなっていく。
会社も同じ。「あれ、なんかギスギスしてるな」、「この人もしかしたらパワハラするのかな」みたいな直感は、大体当たる。膿はどんどん大きくなる。唯一の救いは、会社と自分はただの雇用関係、すぐにでも縁を切れること。恋愛の別れはややこしかったりするけど、雇用関係なんてすぐ切れる。
そう思えば、嫌いな会社も少しは楽になる。転職しやすい時代に生まれて良かった、とつくづく思う。もっとクールに軽やかに生きようぜ、と自分への言い聞かせとともに。