聖NS学園16
先輩達と、教室を周り終わって、中庭に向かった。
もうすぐ、グランプリのクラス投票が始まる。
私達は5人で並んで中庭への道を歩く。
外はもう薄暗くなり始めていた。
道の両脇には七夕祭りによく飾ってある大きなくす玉飾りがたくさん飾られていた。
羽菜
「うわ!ここの道も七夕まつり感がすごい!」
私はくす玉飾りに近づいて、よーく見てみた。
1つ1つ細かく作られている。
黒
「仙台とかでやってる七夕祭りの飾りだよね。僕はこれ、すごい好きなんだ。綺麗だよね。」
うんうん!
蒼生
「これ、全部生徒会が作ったやつ。来年にも残しておくから羽菜、よかったら使ってね。」
蒼生先輩がふと言った。
羽菜
「え?私、?来年生徒会に入れるか分かりませんけど…」
私は疑問に思って振り返り、先輩達の顔を見た。
姫
「羽菜のことならきっとそうなると思うけどねwww」
陽太
「入れなくても、ごり押してアイデアとか言いに来そうwww」
黒
「あーたしかにwww」
少し馬鹿にした様に3人も言う。
羽菜
「えー!私そんな人じゃないです!www」
そのあとは、5人で思いっきり笑った。
中庭に到着し、セレモニーの舞台裏で、私は、蒼生先輩と黒先輩と待っていた。
羽菜
「どこのクラスも、すごく楽しかったですね!」
蒼生
「僕たちがこの行事を作ったんだ。楽しかったに決まってるよ。」
蒼生先輩は得意げに胸を張ってそう言う。
本当に蒼生先輩も生徒会の仕事を誇りに思ってるんだな。
すごい素敵だな。
黒
「教室も、クラスごとに個性が出るよねー。」
黒先輩は笑顔で言った。
その笑顔は本当に楽しかった笑顔に見えた。
愛想笑いだと、こんな顔にはならない。
私はほっとした。
私と回ってつまらなかったかな…
なんて考えてたけど、この笑顔なら大丈夫そう。
すると舞台裏の更衣室から2人が出てきた。
私は2人の先輩に駆け寄って言った。
羽菜
「先輩!織姫も彦星も頑張って下さい!」
私は笑顔でエールを送った。
姫先輩はグットの手をして得意げに言った。
姫
「任せて!みんなの願いごとしっかり届けるから!」
陽太先輩達も姫先輩に言う。
陽太
「最後のセレモニーだ。絶対に楽しませような!」
姫
「もちろんだよ!」
2人とも最高の笑顔だった。
蒼生
「よし、そろそろ僕達も中庭に行こうか。」
私達は姫先輩達を見送って中庭に向かった。
中庭には七夕祭りのような大きなくす玉飾りが置いてあり、それと一緒に笹の葉も飾られていた。
羽菜
「わあ、すごい!流石セレモニーですね!」
黒
「羽菜〜短冊書かないの?」
黒先輩が短冊を書けるスペースにいた。
黒先輩は願い事を書いた短冊を持っていた。
そういえば私、短冊書いてない!
私は黒先輩に駆け寄った。
その瞬間に黒先輩の持っていた短冊を隠された。
黒先輩の願い事、見たかったのに!
羽菜
「なんで隠すんですか!」
黒
「見せる必要ある?」
黒先輩はニヤリと笑って蒼生先輩の方へ行ってしまった。
羽菜
「もーう!羽菜も短冊書くもん!」
私は並べてあった白紙の短冊を取って、願い事を書いた。
羽菜
「かけたー!」
私は1人で喜んでいた。
するとどこからか声がした。
来翔
「えー?なになに?先輩達が笑顔でいられますよ…」
羽菜
「わーーーーーっ!!!!!」
後ろから私の書いた願い事を来翔先輩が読み上げていたのだ。
来翔
「なんだよーww願い事ぐらいよんでもいいじゃんかー。」
来翔先輩が不満な顔で言う。
羽菜
「ダメ!絶対ダメ!羽菜のプライバシーなんだから!」
私は顔を赤くして短冊を裏返しにした。
戳紅
「来翔〜だから人のもの覗くのやめた方がいいって言ったじゃん!」
戳紅先輩もやってきた。
来翔
「後輩が可愛くってさー。気になるんだよ〜」
戳紅
「じゃあ来翔の願い事もきちんと言ってね!」
来翔先輩が顔を歪ませた。
さては来翔先輩、言うの嫌だったんだなー?
羽菜
「来翔先輩!羽菜の短冊見た罰です!言って下さい!」
来翔
「う、わ、わかったわかった。小説で、沢山の人を笑顔にできますようにだよっ!」
最後の方は恥ずかしそうに言っていた。
羽菜
「素敵!素敵すぎる!流石です!来翔先輩!」
私は思わず拍手をしてしまった。
来翔
「え、い、いやそんなことないよ!」
来翔先輩は照れていた。
羽菜
「羽菜も、なにか熱中できるものが欲しいなぁ…」
戳紅
「羽菜は先輩に熱中してるでしょ?」
すかさず戳紅先輩がツッコむ。
羽菜
「そうでした!www」
蒼生
「羽菜ー?まだー?」
蒼生先輩の声がした。
私は笹の葉に短冊を急いでかけた。
私は先輩の方を振り向いた。
羽菜
「私、先輩に呼ばれたので!じゃあ!」
戳紅
「じゃあねー。」
来翔
「戳紅!戳紅も願い事言え!」
来翔先輩のそんな声も聞こえて、私は少し笑ってしまった。
羽菜
「先輩〜!お待たせしましたー!」
黒
「遅いよーセレモニーに間に合うのか心配だったからね!」
ついて早々黒先輩に怒られちゃった。
羽菜
「あはは…すみません…www」
蒼生
「セレモニー、始まるよ。」
太陽は落ちかけていて、夕焼けの空が綺麗だ。
中庭のスピーカーから音楽が流れた。
司会
「ではこれよりすたフェスセレモニーを始めたいと思います。」
司会の生徒がそう言った。
司会
「これより織姫と彦星が入場します。大きな拍手でお迎えしてください。」
大きな拍手が中庭を包んだ。
そして、陽太先輩と姫先輩が姿を現した。
大きな歓声が聞こえる。
「きゃあー---!陽太先輩!!!!かっこいい!」
羽菜
「姫先輩ー---っ!!!素敵ですー----!」
私もその歓声に負けないくらい大きな声で叫んだ。
大きな拍手で迎えられた織姫と彦星が中庭のステージに上がってきた。
織姫の衣装をまとった大人な姫先輩・・・かっこいい!
羽菜
「あの衣装、再現度高いですね!!!姫先輩似合ってますよね!」
私は蒼生先輩と黒先輩に言った。
蒼生
「星葉、結構ノリノリだったし。」
蒼生先輩はニヤニヤしながらそういった。
黒
「すごい楽しみにしてたよwwww」
へえ、意外と乗り気だったんだ。
すると姫先輩がマイクを持っていった。
姫
「では、これからすたフェスセレモニーを始めたいと思います!まずは教室スターコンテストの結果を発表したいと思います!」
拍手が起きた。
生徒会の人達、短時間で頑張ってたもんね!
私は手伝わなくていいよと言われたので、コンテストのワクワク感を味わうことができる。
陽太
「では早速、第3位から発表していこう!第3位は…」
ドキドキ。私は手を組んでお願いポーズで待っていた。
姫
「3-2!投票数86票!」
姫先輩と陽太先輩と蒼生先輩、黒先輩のクラスだ。
こちらも大きな拍手が起きた。
羽菜
「おめでとうございますー!3位ってすごいですね!」
私は嬉しそうに言った。
蒼生
「あ、いや…俺ら生徒会で忙しくてあんまり参加してないんだよね。姫と陽太は実行委員だから参加してたけど。」
蒼生は手を頭の上で組んで言った。
羽菜
「え、そうだったんですか!?」
実行委員もやってたのか…姫先輩と陽太先輩、すごい…
拍手が鳴り止み、陽太先輩が話し始めた。
陽太
「次!第2位は…1-1!投票数98票!」
え!私のクラスが2位だ!
拍手が起きる。
蒼生
「おめでとう。羽菜、実行委員だったよね。すごいよ。」
蒼生先輩は褒めてくれるけど、先輩達の方がもっとすごいよ!
姫
「では、いよいよ1位の発表です!1位は…
2-4!投票数105票!」
わぁ!来翔先輩達のクラスだ!
端っこの方で歓声が上がる。
よかったね!来翔先輩!
私はニヤニヤしていたのかもしれない。
黒
「羽菜?ニヤニヤしてどうしたの?」
羽菜
「え!私ニヤニヤしてました!?」
私は慌てていった。
黒
「そうだよ。面白かったから写真とればよかったなぁwww」
私は顔を赤くして言った。
羽菜
「もーう!恥ずかしいからー!((」
姫先輩はマイクを持ち直し、言った。
姫
「ではそろそろ暗くなってきたので、メイン行事、願い事を笹の葉に飾りましょう!」
陽太先輩がリモコンのようなものを持って、カウントダウンを始めた。
陽太
「笹の葉のライトアップまで!」
ライトアップ!笹の葉が色とりどりにライトアップされるんだ!
私達は陽太先輩達と一緒にカウントダウンをした。
みんな
「5!4!3!2!1!」
陽太&羽菜
「0!」
そう言った瞬間、陽太先輩はリモコンのボタンを押した。
すると飾ってあった笹の葉がライトアップされた。
それは星のようで、私は思わず見惚れてしまった。
羽菜
「わぁ…。」
黒
「綺麗だね…」
黒先輩も見惚れている。
それぞれの短冊がより生き生きしていて、私の飾った短冊も光輝いているように見えた。
蒼生
「空、見てごらん。」
不意に蒼生先輩に言われたので私は空を見上げた。
するとびっくり。
うっすらだけど、天の川が見えた。
羽菜
「天の川だ…」
すごい!七夕が起こした奇跡かな…?
みんなの願い…空に届いて叶いますように…
陽太
「ではこれですたフェスセレモニーは終了となります!今日の最終下校時刻は20:30になっています!それまでに下校しましょう!」
陽太先輩がすたフェスのおわりを告げ、生徒は続々と帰っていく。
私達は舞台裏に行って、姫先輩と陽太先輩を迎えにきた。
羽菜
「姫先輩!最高でしたっー!」
姫
「ありがとう!」
姫先輩は笑顔で答える。
陽太
「とりあえずうまく終わってよかったな。」
陽太先輩も心なしか微笑んでいる気がする。
黒
「でも、僕達の仕事はまだ終わってないよ!」
黒先輩が力強くいった。
蒼生
「後かだづけもしないとな!」
姫先輩はがっかりした顔をした。
姫
「そうだった…」
私は笑顔で言った。
羽菜
「大丈夫ですよ!私も手伝います!」
陽太先輩がうっすら笑って言った。
陽太
「じゃあ頼もうかな。」
やったー!
蒼生
「じゃあ、行こうか。」
私達はかだづけをするために中庭へ向かった。
姫
「あ、そういえば、陽太!願い事なんて書いたの!?教えて!」
姫先輩はステージの小道具を持って前のめりで言った。
陽太
「じゃあ姫のを教えてもらおうかな…?」
陽太先輩は不適な笑みを浮かべて言った。
陽太先輩は笹の葉の方へ行って、姫先輩の短冊を見た。
私は気になって耳を傾けた。
姫
「あっ!陽太っ!」
姫先輩は慌てた顔をしながら止めはしなかった。
陽太
「NS学園の皆がずっと仲良しでいられますように! 星葉 姫。
うーん。ふつうの願いだな?」
姫先輩はほっとした顔をした。
すると陽太先輩は短冊をくるっと反対にして、読み上げた。
陽太
「本当の願い事陽太とずっと一緒にいられますように!」
えwwww
裏に本当の願い事書くとか卑怯だ!
姫
「恥ずかしいからっーーー!」
姫先輩は陽太先輩が持ってる短冊を奪い取ろうと必死になって陽太先輩を襲った。
陽太
「ダメ。これ、一生忘れないから。」
陽太先輩がかっこよくそういうと、姫先輩は顔を真っ赤にして言った。
姫
「陽太、大好き!」
陽太
「知ってた…」
陽太先輩も珍しく照れている。
姫
「も、もう!陽太の短冊も後で見つけるからね!」
姫先輩は恥ずかしそうな怒り顔をした。
私はそれが面白くて、思わず笑ってしまった。
中庭のかだづけも無事に終わった。
笹の葉はすたフェスが終わったあともしばらく昇降口に飾られるらしい。
私達は最後に中庭にあった笹の葉を昇降口に移動した。
蒼生
「やっと長い1日が終わったな。」
蒼生先輩は笹の葉を2本もつ。
羽菜
「でも、楽しかった。改めて生徒会に入りたいと思いました!」
私が笑ってそう言うと、姫先輩は思い出したように言った。
姫
「そういえば、羽菜はなんて書いたの?」
う、姫先輩に聞かれないように黙ってたのに…
羽菜
「秘密です!」
黒先輩が意地悪な顔で言った。
黒
「あとで探してみようかな。」
羽菜
「えー!なんでですかー!」
私達はその後、校門で別れ、家に帰った。
空には星が輝いていた。
私は短冊になんて書いたと思う?
それはね…
「先輩達が笑顔でいられますように」と
「こんな幸せな日々がずっと続きますように…」
あとがき
七夕までに書きおわりたかったので、めっちゃこだわったら4000字になってしまいました…
行き当たりばったりで書いているので、こう言うことが起きるのです。
だから設定をガン無視したり、文が変になったりしてます。
ごめんなさい。
次回からはみんな楽しみ選挙編が始まります!
みなさん是非!是非見てください!
この話が面白いと思ったらスキ、コメントよろしくお願いします!
過去の話もマガジンに載っているので、是非みてください!
ではまた次回!
またね!
最後まで、見てくれてありがとうございます! 皆さんのスキやコメントはハナの原動力になってます! 是非コメント、スキお願いします!(*´▽`*)